短期記憶は、私たちが会話をしたり、買い物リストを思い出したりする時に使われる重要な記憶力です。
しかし、加齢やストレスによってこの短期記憶は低下してしまうことがあります。
この記事では、短期記憶の仕組みや強化するための脳トレ方法、そしてすぐに取り組める練習問題をご紹介します。
ちょっとした習慣で記憶力をアップさせることは可能です。
ぜひ今日から実践してみてください。
短期記憶とは?どんな働きをしているのか
短期記憶とは、数秒から数十秒間ほどの短い間に情報を一時的に保持する記憶のことです。
例えば、電話番号を一時的に覚えて入力する、会話の中で相手が言った言葉を理解するなど、日常のさまざまな場面で使われています。
この短期記憶は「作業記憶(ワーキングメモリ)」とも呼ばれ、脳の前頭前野が大きく関与しています。
一度に保持できる情報量はおよそ7±2個(ミラーの法則)とされており、鍛えることで処理能力が向上するといわれています。
短期記憶を鍛えるメリット
短期記憶を鍛えることで、以下のような効果が期待できます。
- 話の内容を理解しやすくなる
- マルチタスク処理がスムーズになる
- 忘れ物やうっかりミスが減る
- 学習効率が向上する
- 老化による記憶力の低下を予防できる
仕事や勉強、日常生活の質を高めるためにも、短期記憶の強化は非常に有効です。
短期記憶を鍛える脳トレ法5選
1. 数字の逆唱トレーニング
誰かに数字を読み上げてもらい、それを逆順に言い返します。
例)「3、7、1」と言われたら「1、7、3」と答える。
この練習はワーキングメモリを直接鍛えることができます。
2. イメージ記憶トレーニング
5〜6個のアイテムのイラストや単語を見せられ、数秒後にそれらを記憶から思い出す練習です。
例)「リンゴ、ノート、くつ、時計、カギ」と見せた後に、それらを順に答えます。
3. 文章シャドーイング
音声で流れてくる文章を聞いた直後に、同じ文章を復唱します。
日本語でも英語でもOKで、集中力と記憶力の強化に役立ちます。
4. トランプ記憶ゲーム
トランプのカードを表にして4〜6枚見せ、その後裏返してどこにどのカードがあったかを当てるゲームです。
家でも簡単にでき、視覚記憶を鍛えます。
5. メモリーパレス(記憶の宮殿)
場所と情報を結び付けて記憶する方法です。
自分の家の各部屋に覚えたい項目を「置く」ようにイメージしながら記憶します。
短期記憶力を支える生活習慣
トレーニングと合わせて、以下のような習慣も短期記憶の強化に役立ちます。
- 十分な睡眠:記憶の定着には7〜8時間の睡眠が必要です。
- 適度な運動:ウォーキングやヨガなどの軽い運動が脳の血流を改善し、記憶力向上につながります。
- バランスの良い食事:青魚やナッツ類に含まれるオメガ3脂肪酸は記憶に良いとされています。
- ストレス管理:慢性的なストレスは記憶力に悪影響を及ぼすため、リラックスできる時間を持つことが大切です。
練習問題で実践しよう!短期記憶トレーニング
以下に、短期記憶を鍛えるための練習問題を用意しました。
ぜひストップウォッチを使って、自分の記憶力を試してみてください。
問題①:数字記憶
次の数字を10秒間だけ見て、紙に書き写さずに記憶してください。
10秒経ったら目を閉じて、数字を逆から書き出してみましょう。
【数字列】
593726
(答え:627395)
問題②:単語記憶
次の単語を20秒で記憶してください。
【単語】
犬、カメラ、電車、ハサミ、みかん、ノート
20秒経ったら紙に思い出して書き出してみましょう。すべて書けましたか?
問題③:位置記憶
次の位置に表示された記号を5秒見て、画面を閉じたら、どの位置に何があったかを思い出してください。
A | B | C | |
---|---|---|---|
1 | × | △ | |
2 | ○ | ||
3 | ☆ |
(答え:A1→×、C1→△、A2→○、B3→☆)
問題④:文章記憶
以下の文章を10秒間で記憶し、書き写さずに暗唱してみてください。
文章:
「短期記憶は、情報を一時的に保持する能力であり、集中力とセットで鍛えることができます。」
どこまで正確に覚えて言えましたか?
まとめ:短期記憶力は毎日のトレーニングで改善できる
短期記憶力は、年齢に関係なく鍛えることができます。
今回ご紹介したトレーニングは、すべて自宅で手軽にできるものばかりです。
毎日数分でも続けることで、脳の処理力が上がり、日常生活での「覚える力」が確実に向上します。
まずは1つでも、今日から実践してみてください。