WordPressを使っていると、「このファイルはアップロードできません(最大アップロードサイズは2MBです)」というメッセージを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
画像やPDF、動画などを投稿しようとしたときに、容量制限に引っかかってしまうのはよくあるトラブルです。
この記事では、WordPressのアップロード制限(2MBなど)を引き上げる方法を、初心者にもわかりやすく解説します。
サーバー設定を触る方法から、プラグインを使う簡単な方法まで紹介しますので、自分に合った方法で対応してみてください。
なぜWordPressにはアップロード上限があるのか
WordPressでアップロードできるファイルサイズには、初期設定で上限が設けられています。これはWordPress自体の制限ではなく、PHP(サーバー側の設定)による制約が関係しています。
多くのレンタルサーバーでは、デフォルトで2MB〜8MB程度の制限が設定されています。
これは、不特定多数のユーザーが大容量のファイルをアップロードしてサーバーのリソースを圧迫するのを防ぐためです。
主に関係している設定値は以下の3つです。
- upload_max_filesize:アップロードできる1ファイルの最大サイズ
- post_max_size:フォームを介して送信できるデータの最大サイズ
- memory_limit:PHPが使えるメモリの上限
これらの値が小さいと、WordPressでファイルをアップする際に制限がかかってしまいます。

現在のアップロード制限を確認する方法
まずは、今どのくらいの制限が設定されているかを確認してみましょう。
方法①:WordPressのメディアアップロード画面から確認
- 管理画面の左メニューから「メディア」→「新規追加」をクリック。
- 画面下部に「最大アップロードサイズ:○MB」と表示されています。
ここに「2MB」と書かれていれば、現在の上限が2MBということです。
方法②:phpinfoで確認
サーバーの設定を直接確認したい場合は、「phpinfo.php」を作成して確認します。
<?php
phpinfo();
?>
このファイルをサーバーにアップロードし、ブラウザでアクセスすると、PHPの設定情報が一覧表示されます。
「upload_max_filesize」や「post_max_size」の項目を探してみましょう。
方法① php.iniを編集して上限を変更する
最も基本的な方法は、PHPの設定ファイル「php.ini」を編集することです。
手順
- FTPソフトでサーバーにアクセスします。
- WordPressがインストールされているディレクトリ直下、もしくはルートディレクトリに「php.ini」ファイルを作成します。
- 以下の内容を追記または修正します。
upload_max_filesize = 32M
post_max_size = 32M
memory_limit = 64M
ここでは、アップロード上限を32MBに引き上げる設定をしています。
設定後、ファイルを保存してアップロードし、WordPressのメディア画面で反映されているか確認します。
注意点
サーバーによっては、php.iniの編集が許可されていない場合があります。
その場合は、次に紹介する「.htaccess」や「wp-config.php」を利用する方法を試してください。
方法② .htaccessを編集して制限を変更する
.htaccessファイルは、Apacheサーバーの設定をディレクトリ単位で変更するためのファイルです。
WordPressのルートディレクトリにあるこのファイルを編集して、アップロード上限を上げることができます。
手順
- FTPソフトでサーバーにアクセス。
- WordPressのインストールフォルダにある「.htaccess」を開きます。
- 下記のコードを追加します。
php_value upload_max_filesize 32M
php_value post_max_size 32M
php_value memory_limit 64M
保存後、再度WordPressにログインして、メディアアップロード画面で上限が変わっているか確認しましょう。
注意点
- .htaccessは、Apacheサーバーのみで有効です。
- Nginxを使っている場合はこの方法は使えません。
方法③ wp-config.phpを編集して制限を変更する
WordPressの設定ファイル「wp-config.php」にも記述を追加して、PHPのメモリ制限を変更できます。
手順
- WordPressのルートディレクトリにある「wp-config.php」を開きます。
- 以下のように追記します(
/* That's all, stop editing! Happy publishing. */
の前あたり)。
この方法は、WordPress内でPHP設定を上書きできる簡単な手段です。
@ini_set( 'upload_max_size' , '32M' );
@ini_set( 'post_max_size', '32M');
@ini_set( 'memory_limit', '64M' );
方法④ プラグインを使って変更する
もしサーバー設定を触るのが不安な場合は、プラグインを利用する方法が簡単です。
代表的なプラグインは以下の2つです。
- Increase Maximum Upload File Size
→ 管理画面から設定値を選ぶだけで変更可能。 - WP Maximum Upload File Size
→ 現在の制限値を確認し、希望のサイズを入力して保存。
手順(WP Maximum Upload File Size の例)
- 管理画面の「プラグイン」→「新規追加」で「WP Maximum Upload File Size」を検索。
- インストールして有効化。
- 「設定」→「メディア」から希望の上限を入力し、「保存」。
これだけで制限を引き上げることができます。
初心者の方や、サーバー構成を知らない方には最もおすすめの方法です。
方法⑤ サーバーの管理画面から設定する
ConoHa WING、Xserver、さくらインターネットなどの多くのレンタルサーバーでは、管理画面からPHP設定を変更できる機能があります。
例:Xserverの場合
- サーバーパネルにログイン。
- 「PHP設定」→「php.ini設定変更」をクリック。
- 「upload_max_filesize」や「post_max_size」を希望の値に変更して保存。
例:ConoHa WINGの場合
この方法なら、サーバー側の設定をGUIで変更できるため、最も安全で確実です。
- 管理画面で「サイト管理」→「応用設定」→「PHP設定」を開く。
- 該当ドメインを選択。
- 「upload_max_filesize」を32Mなどに変更。
変更しても反映されない場合の対処法
設定を変更しても反映されない場合は、以下を確認してください。
- キャッシュが残っていないか(ブラウザやサーバーキャッシュをクリア)
- WordPressやサーバーを再起動してみる。サーバー再起動で私は反映できました。
- .htaccessに他の設定が競合していないか
- サーバーがNginxの場合、別の設定ファイルで上書きされていないか
どうしても反映されない場合は、レンタルサーバーのサポートに問い合わせるのが確実です。
大容量ファイルをアップロードする際の注意点
ファイル上限を上げすぎると、以下のようなリスクがあります。
- ページの読み込みが遅くなる
- バックアップや移行に時間がかかる
- サーバーの容量を圧迫する
特に画像や動画を多く扱う場合は、圧縮ツールや**外部ストレージ(Google Drive、YouTubeなど)**を併用するのがおすすめです。
まとめ
WordPressのアップロード上限(2MBなど)は、PHP設定によって制限されていることが多く、
以下のいずれかの方法で簡単に引き上げられます。
- php.iniを編集する
- .htaccessを編集する
- wp-config.phpで設定する
- プラグインを使う
- サーバー管理画面で設定する
初心者の方は、まずプラグインかサーバー管理画面で試してみるのがおすすめです。
大きなファイルを扱うときも、最適なサイズ調整とサーバー負荷のバランスを意識して設定してみてください。