Web開発やアプリケーション開発において、データをやり取りするための形式として「JSON(JavaScript Object Notation)」は広く利用されています。特に「JSON配列」は、複数のデータを一つのまとまりとして表現できるため、API通信やデータ保存に欠かせない要素です。しかし、プログラミング初心者の方にとっては「JSON配列って何?」「オブジェクトとの違いは?」と疑問に思うことも多いのではないでしょうか。
この記事では、JSON配列の基本から具体的な書き方、よく使うシーンや注意点まで、サンプルコードを交えて徹底的に解説していきます。これを読むことで、JSON配列を自信を持って扱えるようになるでしょう。
JSONとは何か
JSON(JavaScript Object Notation)は、テキスト形式でデータを表現する軽量なデータ交換フォーマットです。人間にとっても読みやすく、機械にとっても解析しやすいのが特徴です。
たとえば、以下のようにキーと値の組み合わせで表現されます。
{
"name": "Taro",
"age": 25,
"city": "Tokyo"
}
このように、JSONは「オブジェクト」として情報を格納できます。そして、このオブジェクトを複数まとめて格納するために「配列」が使われます。
JSON配列の基本構造
JSON配列は角括弧 []
を使って表現します。その中に複数の値をカンマで区切って並べる形です。
例えば、単純な文字列の配列は以下のように書けます。
["apple", "banana", "orange"]
数値を並べた配列も同じ書き方です。
[10, 20, 30, 40]
さらに、オブジェクトを配列の要素にすることで、より複雑なデータを表現できます。
[
{ "name": "Taro", "age": 25 },
{ "name": "Hanako", "age": 22 },
{ "name": "Ken", "age": 30 }
]
このように、JSON配列は「リスト形式のデータ」を表すのに最適です。
JSON配列とオブジェクトの違い
「配列」と「オブジェクト」は混同しやすいですが、使い分けを理解することが重要です。
- オブジェクト:キーと値のペアで情報を整理
{ "name": "Taro", "age": 25 }
- 配列:順番を持つ複数のデータをリスト形式で表現
["Taro", "Hanako", "Ken"]
- 組み合わせ:オブジェクトを配列に入れることで「複数の人の情報」をまとめられる
[
{ "name": "Taro", "age": 25 },
{ "name": "Hanako", "age": 22 }
]
つまり、オブジェクトは「辞書」、配列は「リスト」と考えると理解しやすいでしょう。
JSON配列のよくある利用例
1. APIのレスポンス
WebサービスのAPIでは、ユーザー一覧や商品一覧を返すときにJSON配列が使われます。
例:ユーザー一覧APIのレスポンス
[
{ "id": 1, "name": "Taro" },
{ "id": 2, "name": "Hanako" },
{ "id": 3, "name": "Ken" }
]
2. 設定ファイル
アプリケーションの設定情報を配列として管理する場合もあります。
{
"languages": ["Japanese", "English", "Chinese"]
}
3. データの保存
例えば買い物カートの中身を配列で保存できます。
[
{ "item": "Book", "price": 1200 },
{ "item": "Pen", "price": 200 }
]
プログラミング言語での扱い方
JSON配列はさまざまな言語で簡単に扱えます。
JavaScriptの場合
const data = [
{ "name": "Taro", "age": 25 },
{ "name": "Hanako", "age": 22 }
];
console.log(data[0].name); // Taro
Pythonの場合
import json
data = '[{"name": "Taro", "age": 25}, {"name": "Hanako", "age": 22}]'
parsed = json.loads(data)
print(parsed[0]["name"]) # Taro
PHPの場合
<?php
$json = '[{"name": "Taro", "age": 25}, {"name": "Hanako", "age": 22}]';
$data = json_decode($json, true);
echo $data[0]["name"]; // Taro
?>
JSON配列を扱うときの注意点
- 最後にカンマを付けない
JSONでは最後の要素の後にカンマを置くとエラーになります。["apple", "banana", "orange"] ✅ ["apple", "banana", "orange",] ❌
- ダブルクォーテーションを使う
JSONでは文字列は必ずダブルクォーテーション"
で囲みます。
シングルクォーテーション' '
は使えません。 - データ型を守る
- 文字列 →
"テキスト"
- 数値 →
123
- 真偽値 →
true
/false
- null →
null
- 文字列 →
JSON配列を使いこなすコツ
- 配列を「リスト形式のデータ格納庫」として考える。
- APIやデータ保存では「オブジェクトの配列」がよく使われる。
- プログラミング言語ごとに専用のパーサーやライブラリを活用する。
まとめ
JSON配列は、複数のデータを扱う際に非常に便利なデータ形式です。単純な文字列や数値のリストから、オブジェクトをまとめた複雑なデータまで柔軟に表現できます。
特にWeb APIとのやり取りやアプリ開発では欠かせない要素となっており、正しい構文と使い方を理解することが大切です。今回紹介した基本構造、利用例、プログラミング言語での扱い方を押さえておけば、実際の開発でもスムーズに使えるようになるでしょう。