電気の勉強をしているとよく出てくる「オームの法則(Ohmの法則)」。
「電圧」「電流」「抵抗」という言葉が出てきて、なんだかむずかしそうに感じるかもしれません。
でも、オームの法則は電気の世界でとても大切なルールで、基本をしっかり理解すれば、家庭で使う電気製品の仕組みもぐっと分かりやすくなります。
オームの法則って何?
オームの法則は、電流の強さ・電圧・抵抗の3つの関係を表した法則です。
ドイツの物理学者「ゲオルク・オーム」が発見したことから、この名前がつけられました。
では、その関係とは?
オームの法則は、次のように表されます。
電圧(V)=電流(A)× 抵抗(Ω)
この式の意味は、「電圧は、電流と抵抗をかけたものになる」ということです。
- 電圧(でんあつ)V(ボルト):電気を流そうとする力。水で言えば、水道の水圧のようなもの。
- 電流(でんりゅう)A(アンペア):電気の流れそのもの。水で言えば、水の量。
- 抵抗(ていこう)Ω(オーム):電気の流れにくさ。細いホースだと水が出にくいのと同じです。
実際に数字で考えてみよう
たとえば、電圧が6V、抵抗が2Ωの回路があったとします。
このときの電流はどうなるでしょうか?
オームの法則に当てはめると…
電圧 = 電流 × 抵抗
6 = 電流 × 2
この式を解くと、電流は3Aになります。
つまり、6ボルトの力で、2オームの抵抗があるとき、3アンペアの電流が流れるということです。
オームの法則の式は3通りある!
オームの法則は、実は1つの式から3つの形に変えることができます。
- V = I × R(電圧を求めたいとき)
- I = V ÷ R(電流を求めたいとき)
- R = V ÷ I(抵抗を求めたいとき)
ここでの記号はこうです:
- V:電圧(ボルト)
- I:電流(アンペア)
- R:抵抗(オーム)
これらを覚えておくと、どんな問題にも対応できます。
オームの法則をピザで例えてみよう
電気の話はむずかしく感じることもありますが、身近なものに例えると理解しやすくなります。
たとえば、ピザの配達を思い浮かべてください。
- ピザを運ぶバイクの数=電流(I)
- 配達先までの距離や道の悪さ=抵抗(R)
- お店からの「早く届けて!」という指示の強さ=電圧(V)
配達先が遠くて道がボコボコ(抵抗が大きい)なら、同じ数のバイクでも届くピザの数は少なくなってしまいます。
反対に、近くて道がスムーズ(抵抗が小さい)なら、多くのピザが届けられる=電流が大きくなります。
オームの法則も、そんなイメージで考えると理解しやすくなります。
抵抗が大きいと電流は小さくなる
電気が流れる道(電線や装置)には、それぞれ抵抗があります。
この抵抗が大きいと、電流は流れにくくなります。
たとえば、同じ6Vの電圧でも
- 抵抗が2Ωなら、電流は3A
- 抵抗が6Ωなら、電流は1A
というように、抵抗が大きくなると流れる電流が小さくなるのです。
これもオームの法則の大切なポイントです。
電気製品にもオームの法則が関係している
家の中にある電気製品(テレビ、冷蔵庫、電球など)も、このオームの法則のルールのもとで動いています。
たとえば、電球が明るく光るのは、必要なだけの電流が流れているからです。
そのためには、適切な電圧と、ちょうどよい抵抗が必要になります。
電気製品が故障するとき、「電流が流れすぎた」「抵抗が壊れた」など、オームの法則に関わるトラブルが原因になることもあります。
オームの法則の覚え方「三角図」
オームの法則は、よく「三角の図」で覚えられています。これがとっても便利!
V
─────
I × R
- 電圧(V)を知りたいときは、下の I × R をかける
- 電流(I)を知りたいときは、V ÷ R
- 抵抗(R)を知りたいときは、V ÷ I
三角形の中にこの式をイメージすれば、テストのときにも思い出しやすいですよ!
テストにも出やすいから、しっかり覚えよう!
中学校の理科では、オームの法則はとてもよく出てきます。
公式をしっかり覚えて、どんなときにどの式を使えばよいかが分かるようになると、問題もスイスイ解けるようになります。
また、これから高校やその先で「電気の仕事」をする人にとっても、オームの法則は一生使う基本のルールです。
まとめ:オームの法則は電気のルールブック
オームの法則は、電気の流れを考えるうえでとても大事なルールです。
- 電圧(V)= 電流(I) × 抵抗(R)
- 公式は形を変えて使うことができる
- 電気製品や生活にも関係している
- 三角図で覚えると便利!
中学生のうちにオームの法則をしっかり理解しておくと、理科の授業がぐっと楽しくなります。
身のまわりの「電気ってこうなってるんだ!」という発見もあるかもしれません。
電気のしくみを少しでも身近に感じてもらえたらうれしいです!