簿記の精算表の書き方をやさしく解説|簡単な例題で理解しよう!

簿記の学習を進めていくと、「精算表(せいさんひょう)」という言葉に出会います。試算表までは理解できても、「精算表の作り方がわからない」「何をどこに書けばよいのか混乱する」と感じる方は多いのではないでしょうか。
この記事では、簿記初心者でも理解できるよう、精算表の基本から簡単な問題を用いて実際に作成するまでを丁寧に解説します。
この記事を読み終えるころには、精算表の全体像がつかめ、決算整理仕訳と試算表とのつながりもはっきりするでしょう。ぜひ最後まで読んでみてください。


精算表とは?目的と役割を理解しよう

精算表とは、決算整理仕訳を行い、最終的な財務諸表である損益計算書や貸借対照表の作成に必要な情報をまとめた一覧表です。

精算表でできること:

  • 試算表の残高を元に、決算整理仕訳を加える
  • 修正後残高を確認する
  • 損益計算書と貸借対照表の金額を確認する

つまり、決算前の準備表のようなものであり、数字の確認・転記ミスの防止にも役立ちます。


精算表の構成を理解しよう

一般的な精算表は次のような5つの欄で構成されています。

勘定科目試算表決算整理仕訳修正記入欄損益計算書欄貸借対照表欄

それぞれの欄にどのような情報が入るのかを理解することが、作成への第一歩です。


実際に問題を解いてみよう(簡単な例題)

<例題>

下記の試算表をもとに、決算整理仕訳を行い、精算表を作成してください。

(1)試算表(抜粋)

勘定科目借方(円)貸方(円)
現金500,000
売掛金300,000
商品200,000
備品400,000
減価償却累計額100,000
買掛金150,000
資本金1,150,000

(2)決算整理事項

  1. 備品の減価償却費:40,000円(定額法)
  2. 商品の棚卸高は150,000円であった(原価法による)

決算整理仕訳を記入してみよう

まずは決算整理仕訳を仕訳帳形式で記入してみます。

減価償却の仕訳:

減価償却費 40,000 / 減価償却累計額 40,000

商品棚卸の仕訳(原価法):

仕入 50,000 / 商品 50,000

※棚卸資産200,000円 → 実在150,000円 → 差額50,000円を仕入に計上


精算表の作成手順を解説(解答例付き)

ここでは、上記の試算表と決算整理仕訳をもとに、精算表を順に作成していきます。

Step1:試算表欄の記入

まずは、元々の残高を試算表欄に記入します。

勘定科目試算表(借方)試算表(貸方)
現金500,000
売掛金300,000
商品200,000
備品400,000
減価償却累計額100,000
買掛金150,000
資本金1,150,000

Step2:決算整理欄に仕訳を記入

先ほどの仕訳に基づき、決算整理欄に記入します。

勘定科目決算整理(借)決算整理(貸)
減価償却費40,000
減価償却累計額40,000
仕入50,000
商品50,000

Step3:修正記入欄を計算する

決算整理仕訳を反映して、試算表の金額を修正します。

勘定科目修正後(借)修正後(貸)
現金500,000
売掛金300,000
商品150,000
備品400,000
減価償却累計額140,000
仕入50,000
減価償却費40,000
買掛金150,000
資本金1,150,000

最後に損益計算書欄・貸借対照表欄を記入

次に、収益や費用は損益計算書欄へ、資産・負債・資本は貸借対照表欄へ記入します。

<損益計算書欄>

  • 仕入、減価償却費などの費用を記入

<貸借対照表欄>

  • 現金・商品・備品などの資産
  • 買掛金や資本金などの負債・資本を記入

このように精算表を完成させることで、正しい損益計算書と貸借対照表の作成が可能になります。


まとめ:精算表は簿記の要!

精算表は、簿記の試験や実務において非常に重要なステップです。

本記事のポイントをまとめます。

  • 精算表は「試算表+決算整理仕訳」で作る
  • 損益計算書と貸借対照表の橋渡し役
  • 簡単な仕訳を使って練習すると理解が深まる

初めは時間がかかっても、繰り返し問題を解いていくことで、精算表の作成スピードと正確さは確実に上がっていきます。
今後は、さまざまなパターンの決算整理仕訳も扱えるよう、実践的な問題にもチャレンジしてみてください!

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