契約を結んだ後に、やむを得ない事情から内容を変更しなければならない場面は少なくありません。納期の調整、支払い条件の変更、契約期間の延長など、相手に負担をかける可能性がある依頼だからこそ、丁寧で誠実な文面が求められます。
本記事では、ビジネスで使える「契約変更依頼」の文例を紹介しながら、依頼時に押さえておくべきポイントも解説します。中学生にもわかる表現でまとめていますので、これから契約変更をお願いする方や、文章作成に不安を抱えている方の参考になれば幸いです。
目次
契約変更依頼とは?
契約変更依頼とは、すでに合意した契約条件について、事情の変化や業務上の必要性から修正をお願いすることです。たとえば以下のようなケースがあります。
- 契約期間の延長をお願いしたい場合
- 支払い条件(支払い日や分割方法)を変更したい場合
- 納品スケジュールを後ろ倒しにしたい場合
- 提供内容や数量を増減したい場合
契約は双方の合意に基づくため、依頼する際は「こちらの都合で一方的にお願いしている」という認識を持ち、相手への配慮を忘れないことが重要です。
契約変更依頼の基本構成
契約変更依頼の文章には、以下の要素を含めると分かりやすく、誠実な印象を与えられます。
- 挨拶と前置き
日頃の感謝や、契約に至った経緯へのお礼を述べます。 - 変更をお願いする理由
自社都合の場合でも、理由を明確に伝えることで理解を得やすくなります。 - 変更をお願いしたい具体的内容
「期間を○月末まで延長」「支払日を翌月末払いに」など、はっきりと記載します。 - 相手への配慮の言葉
「ご迷惑をおかけして恐縮ですが」「ご理解いただけますと幸いです」といったフレーズを添えます。 - 結びの言葉
「ご検討のほどお願い申し上げます」とし、柔らかく締めます。
契約変更依頼の文例①:契約期間延長をお願いする場合
○○株式会社
営業部 △△様
平素より大変お世話になっております。株式会社□□の徳永でございます。
先般ご締結いただきました業務委託契約につきまして、誠に勝手ながらお願いがございます。
当初の契約期間は3月末日までとなっておりますが、業務の継続に伴い、契約期間を6月末日まで延長させていただきたく存じます。
ご多忙の折、ご調整をお願いすることになり大変心苦しく存じますが、ご検討賜れますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
株式会社□□
営業部 徳永
契約変更依頼の文例②:支払い条件を変更したい場合
○○株式会社
経理部 ご担当者様
いつも格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。株式会社□□の徳永です。
現在の契約において、毎月20日締め・翌月10日支払いとさせていただいておりますが、弊社の決算処理の都合上、翌月末払いに変更をお願いできればと存じます。
急なお願いとなり誠に恐縮ですが、貴社の業務に支障が生じない範囲でご検討いただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
株式会社□□
徳永
契約変更依頼の文例③:納期を延ばしてもらう場合
○○株式会社
製造部 ご担当者様
いつも大変お世話になっております。株式会社□□の徳永でございます。
先日ご依頼いただいた部品の納品につきまして、当初は5月15日を予定しておりましたが、原材料調達の遅れにより、やむを得ず納期を6月5日まで延長させていただきたく存じます。
ご迷惑をおかけして誠に申し訳ございません。品質を維持するための対応でございますので、何卒ご理解賜れますようお願い申し上げます。
引き続きよろしくお願いいたします。
株式会社□□
徳永
契約変更依頼の文例④:数量や内容を変更したい場合
○○株式会社
営業部 △△様
平素より格別のご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
先般締結いたしました商品取引契約について、当初予定していた数量1000個を、1500個に増加させていただきたくご連絡いたしました。
需要の急増による変更でございますが、急な依頼となりご調整をお願いする形となり誠に心苦しく存じます。
ご対応いただけますと大変ありがたく存じます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
株式会社□□
徳永
契約変更依頼の文例⑤:契約解除を回避するための変更依頼
○○株式会社
取引管理部 ご担当者様
いつもお世話になっております。株式会社□□の徳永でございます。
現在ご契約いただいております業務委託契約について、当初の条件での継続が難しい状況となっております。
そこで、契約の解除を回避するため、条件を一部変更させていただけないかと考えております。
具体的には、作業範囲を縮小し、報酬額もそれに応じて減額する形をご提案申し上げます。
ご迷惑をおかけいたしますが、今後もお取引を続けていきたいと考えておりますため、ぜひご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
株式会社□□
徳永
契約変更依頼を行う際の注意点
契約変更依頼は、相手に負担をかける可能性が高いため、以下の点に注意しましょう。
- 理由を曖昧にしないこと
「事情により」ではなく、可能な範囲で具体的に説明することが信頼につながります。 - 相手に選択肢を与えること
一方的に依頼するのではなく、「ご検討いただけますでしょうか」と柔らかく伝えると受け入れられやすくなります。 - お詫びの言葉を添えること
相手の手間を増やすことへの配慮を示すことが大切です。 - 早めに相談すること
契約変更は直前ではなく、できるだけ余裕を持って依頼しましょう。
まとめ
契約変更依頼は、ビジネスの中で避けて通れないシーンです。大切なのは「誠実さ」と「具体性」。相手に不信感を抱かせないよう、丁寧な言葉遣いと理由の明確化を心がけましょう。
今回ご紹介した文例を参考に、自社の事情に合わせてアレンジすれば、相手に好印象を持たれながら依頼を進めることができます。