パワハラを受けた時の報告方法と例文集|状況別に使える具体例

職場でのパワハラ(パワーハラスメント)は、誰にとっても大きなストレスになります。上司や同僚からの言動により、業務に支障が出たり、心身の健康を損なったりするケースも少なくありません。そんなとき、勇気を持って「報告」することが、自分を守る第一歩になります。しかし、実際に報告しようとすると「どのように伝えればいいのか」「感情的にならず事実をどう書けばいいのか」と悩む方も多いでしょう。

この記事では、パワハラの報告書やメールを書くときに役立つ例文を紹介しながら、伝え方のコツや注意点を解説します。状況に応じて使える具体的な文章を知ることで、落ち着いて対応できるようになります。


パワハラ報告の基本ポイント

パワハラを報告する際に大切なのは「感情」ではなく「事実」を伝えることです。怒りや不満を書き連ねると、読み手に誤解を与えることがあります。以下の3点を意識しましょう。

  1. 日時・場所・相手を明確に記録する。
  2. 具体的な発言や行為をそのまま残す。
  3. 自分や周囲への影響を伝える。

この3つを押さえることで、報告内容に客観性が生まれ、対応を依頼する際にも説得力が増します。


例文① 上司からの暴言を受けた場合

件名:職場での言動についてのご相談

総務部 ○○様

お疲れ様です。△△課の□□です。

本日(2025年8月20日)10時頃、会議室にて上司の××課長より「役立たず」「給料泥棒」といった発言を受けました。

発言を受けた際、他の社員3名も同席しており、その場の雰囲気も非常に悪化しました。私自身、業務への意欲を削がれ、精神的に強いストレスを感じております。

このような言動について、会社としてご対応を検討いただきたく、ご報告いたします。

以上、よろしくお願いいたします。

解説:日付・場所・発言を具体的に記録しているため、事実確認がしやすい文章です。


例文② 同僚からの嫌がらせを受けた場合

件名:職場での継続的な嫌がらせについて

人事部 ○○様

お世話になっております。□□課の△△です。

ここ数週間、同僚の××さんから以下のような行為を受けています。
・業務に必要な情報を共有してもらえない
・私の発言に対して「使えない」「邪魔」といった言葉を繰り返す
・他の社員の前で私の失敗を誇張して話す

このため、業務遂行に支障をきたし、精神的にも不安定な状態が続いております。

客観的に確認いただき、適切なご対応をお願いしたくご報告いたします。

解説:継続的な嫌がらせは「期間」や「頻度」を明示することが重要です。


例文③ パワハラにより体調不良が出ている場合

件名:業務上の言動による体調への影響について

安全衛生管理室 ○○様

お世話になっております。△△部の□□です。

上司の××より、日常的に「早く辞めろ」「やる気がないなら帰れ」といった発言を受けております。

その影響で、睡眠障害や頭痛が続き、現在医師の診断を受けております。診断書も提出可能です。

仕事を続けたい気持ちはありますが、現状では健康面に深刻な影響を受けておりますため、会社としてのご対応をお願い申し上げます。

解説:医師の診断がある場合は、それを報告書に記載することで信頼性が高まります。


例文④ 第三者に相談する場合(外部相談窓口)

件名:職場でのハラスメントについてのご相談

○○労働局 労働相談窓口 ご担当者様

突然のご連絡失礼いたします。私は△△株式会社に勤務している□□と申します。

現在、直属の上司から業務中に繰り返し「無能」「辞めろ」といった発言を受けております。社内の相談窓口にも報告しましたが、改善が見られず、第三者の立場からのご助言をいただきたくご連絡いたしました。

事実の記録や証拠(メールの内容や録音記録)も手元にございます。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

解説:社内で解決できない場合は、外部機関への相談も選択肢になります。その際は「社内で試みたこと」も伝えるとスムーズです。


例文⑤ 匿名での報告を希望する場合

件名:匿名でのパワハラに関する報告

人事部 ご担当者様

突然のご連絡失礼いたします。匿名での報告となりますが、社内でのパワハラに関してお伝えします。

△△課の××課長が、部下に対して繰り返し「辞めろ」「使えない」といった暴言を吐いております。これにより、対象となった社員が体調を崩し、休職に追い込まれています。

私自身は直接被害を受けておりませんが、職場環境の悪化を憂慮し、ご報告させていただきました。

以上、よろしくお願い申し上げます。

解説:匿名での報告も可能ですが、会社によっては調査に限界があるため、できるだけ事実の具体性を高めることが大切です。


パワハラ報告時の注意点

  • 感情的な言葉(「ひどい」「最悪」など)は避ける
  • 可能であれば 証拠(メール・録音・日記) を添える
  • 「相談」「確認」「依頼」という表現を用いることで、相手に受け入れられやすくなる
  • 報告後のフォローも忘れず、改善が見られない場合は外部機関に相談する

まとめ

パワハラを受けたときに報告するのは勇気がいりますが、自分を守り、職場環境を改善するために欠かせない行動です。大切なのは、感情ではなく「事実」を冷静に伝えること。例文を参考にしながら、状況に応じた報告を行いましょう。

会社が適切に対応できるように、できるだけ具体的な記録を残すことも忘れずに。もし社内で解決できない場合には、労働局や弁護士といった外部の相談先も活用してください。

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