近年、ペーパーレス化や業務効率化を目的として、請求書の郵送を廃止し、電子化へと移行する企業が増えています。しかし、郵送廃止を顧客や取引先に伝える際には、丁寧で誤解のない案内文を作成することが大切です。本記事では、「請求書郵送の廃止」に関する案内文のポイントや書き方、そして具体的な例文を5つ紹介します。業種を問わず使える形式にまとめていますので、そのまま活用したり、アレンジしたりしてお使いください。
目次
請求書郵送廃止の背景と目的
請求書を郵送で送るスタイルは長年続いてきましたが、現代ではその方法に見直しの動きが出ています。背景には以下のような要因があります。
- ペーパーレス化推進:環境への配慮や紙代・印刷代の削減
- 業務効率化:郵送作業や封入作業の省略
- コスト削減:郵送費・人件費の軽減
- デジタル化対応:テレワークやクラウド会計への対応
これらの理由から、電子請求書(PDFやクラウドサービス)の導入が加速しており、多くの企業が移行を進めています。
案内文に含めるべき基本要素
請求書の郵送を廃止する案内文には、以下のポイントを押さえると丁寧で分かりやすい内容になります。
- 導入の挨拶・平素のお礼
- 郵送廃止の背景や目的
- 廃止の実施時期
- 新しい送付方法(PDF・システムなど)
- 問い合わせ先
- 丁寧な締めの挨拶
これらを過不足なく盛り込むことで、相手に配慮した誠実な案内になります。
案内文作成の注意点
郵送廃止の案内文を作成する際、以下の点に注意しましょう。
- 相手の立場に配慮する
突然の変更が負担にならないよう、事前に丁寧な案内を出すことが重要です。 - 具体的な日付を明記する
「いつから廃止になるのか」が不明確だと混乱を招くので、開始日・移行期などを明確にします。 - 代替手段の説明をわかりやすくする
「どのように請求書が届くのか」「必要な設定や対応はあるのか」を具体的に説明しましょう。
請求書郵送廃止の案内文例文5選
例文1:シンプルな法人宛て案内文
拝啓 平素は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
このたび弊社では、環境保全および業務効率化の観点から、紙の請求書の郵送を廃止し、2025年8月よりPDF形式での請求書送付へと切り替える運びとなりました。
新たな送付方法につきましては、毎月の締日にメール添付にて送信させていただきます。ご不明な点がございましたら、下記窓口までご連絡ください。
何卒ご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
敬具
例文2:クラウド請求書サービスに切り替える場合
拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび弊社では、業務のDX化推進の一環として、2025年9月末日をもって請求書の郵送を廃止し、クラウド請求書サービス「●●(サービス名)」による電子発行へ移行させていただきます。
請求書は、毎月●日にクラウド上でご確認いただけるようになります。ご登録方法等は別紙にてご案内いたします。
皆様にはお手数をおかけしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
敬具
例文3:個人事業主向けの柔らかい案内文
いつもお世話になっております。●●です。
このたび、紙の節約と業務の効率化を目的に、2025年8月分の請求書より、郵送を廃止しメールにてPDF請求書をお送りさせていただくこととなりました。
ご希望の送付先メールアドレスがございましたら、事前にご連絡いただけますと幸いです。
ご不明な点がありましたらお気軽にご相談ください。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
例文4:丁寧なビジネス書式の正式通知文
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
弊社では、ペーパーレス化の推進および郵送費の削減を目的として、2025年10月より請求書の郵送を廃止することといたしました。
今後はPDFファイルを添付した電子メールにて送付いたします。お手数ですが、受信可能なメールアドレスのご確認・ご連絡をお願いいたします。
ご理解とご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
例文5:既存取引先に対する丁寧な説明付き通知
拝啓 日頃より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、昨今の社会的なペーパーレス推進および業務効率化を受け、弊社では2025年9月30日をもちまして、紙の請求書郵送を廃止し、電子データでの提供に切り替えることといたしました。
つきましては、翌月10月以降の請求書は、PDF形式でメールにてお送りいたします。ご不便をおかけする点もあるかと存じますが、何卒ご理解とご協力のほどお願い申し上げます。
今後とも変わらぬお引き立てを賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
敬具
まとめ:案内文は信頼関係を大切に
請求書の郵送廃止という変更は、取引先にとっても影響がある重要な案内です。そのため、ただ事務的に伝えるのではなく、相手の立場に立って、丁寧に、かつ分かりやすく書くことが大切です。
本記事で紹介した例文は、業種や取引先に応じて文面の調整がしやすい汎用型です。ペーパーレス化の第一歩として、信頼を損なわない案内文作成の参考にしていただければ幸いです。