ビジネスの場面では、相手に「手続きを依頼する」シーンが頻繁にあります。例えば、契約書の確認や書類の提出、社内稟議の申請、各種申込の代行などです。
このとき、言葉遣いを誤ると「横柄」「無礼」と受け取られてしまうこともあります。逆に、適切なフレーズを使えば、相手に好印象を与え、依頼がスムーズに進みます。
本記事では「手続き依頼」の基本マナーと、実際に使える文例を多数紹介します。メールや書面にすぐ使える形でまとめていますので、ビジネス初心者の方から管理職の方まで参考にしていただける内容です。
手続き依頼の基本マナー
手続き依頼を行う際には、単に「お願いします」と伝えるだけでは不十分です。以下の3点を意識しましょう。
- 依頼の目的を明確にする
何を、いつまでに、どのように依頼したいのかを簡潔に記載することが重要です。 - 相手への配慮を示す
「お手数ですが」「ご多忙のところ恐縮ですが」といったクッション言葉を添えると、依頼の印象が柔らかくなります。 - 期限を伝える
「〇月〇日までに」「本日中に」など、期限を明示すると相手も対応しやすくなります。
手続き依頼でよく使うフレーズ
- 「お手数をおかけいたしますが」
- 「ご対応いただけますと幸いです」
- 「お手続きをお願い申し上げます」
- 「何卒よろしくお願いいたします」
これらを組み合わせることで、相手に丁寧かつ誠実な依頼文を作成できます。
文例1:契約書の確認依頼
件名:契約書確認のお願い
○○株式会社 △△様
平素よりお世話になっております。□□株式会社の△△でございます。
先日お送りいたしました契約書につきまして、ご確認をお願い申し上げます。
恐れ入りますが、内容に問題がなければご署名・ご捺印のうえ、〇月〇日までにご返送いただけますでしょうか。
ご多忙のところ大変恐縮ではございますが、よろしくお願い申し上げます。
文例2:申請手続きの依頼(社内向け)
件名:交通費精算の申請手続き依頼
経理課 ご担当者様
お疲れさまです。営業部の△△です。
先日の出張に伴う交通費精算について、申請書を提出いたしました。
恐れ入りますが、処理をお願いいたします。支払いは来週末の給与振込とあわせて反映いただけますと助かります。
お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
文例3:顧客への手続き依頼
件名:ご契約更新手続きのお願い
○○株式会社 △△様
平素より格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。□□株式会社の△△でございます。
このたび、御社との契約更新の時期となりました。
お手数をおかけいたしますが、添付の書類に必要事項をご記入の上、〇月〇日までにご返送いただけますようお願い申し上げます。
ご不明点がございましたら、どうぞお気軽にご連絡くださいませ。
文例4:入社手続き依頼(人事担当者から新入社員へ)
件名:入社手続きに関するお願い
△△様
このたびは弊社へのご入社、誠にありがとうございます。人事部の□□です。
入社にあたり、必要な手続きをお願い申し上げます。添付の書類をご確認のうえ、〇月〇日までにご提出ください。
ご不明な点がございましたら、メールまたはお電話にてご連絡いただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
文例5:役所への手続き依頼(社外向け)
件名:各種申請手続きについて
□□市役所 △△課 ご担当者様
平素より大変お世話になっております。□□株式会社の△△でございます。
このたび、○○に関する申請手続きをお願い申し上げたく、ご連絡いたしました。
必要書類を添付しておりますので、ご確認のうえ、手続きを進めていただけますと幸いです。
お忙しいところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願いいたします。
文例6:取引先への支払い関連手続き依頼
件名:請求書送付のお願い
○○株式会社 経理ご担当者様
いつも大変お世話になっております。□□株式会社の△△です。
〇月分の業務に関するご請求書の送付をお願い申し上げます。
恐れ入りますが、〇月〇日までにお送りいただけますでしょうか。
引き続きよろしくお願いいたします。
文例7:承認手続き依頼(社内上司へ)
件名:稟議承認のお願い
部長 △△様
お疲れさまです。□□です。
添付の稟議書について、承認の手続きをお願い申し上げます。
恐れ入りますが、明日〇月〇日中にご確認いただけますと助かります。
よろしくお願いいたします。
文例8:学校・教育機関への手続き依頼
件名:証明書発行手続きのお願い
○○大学 教務課 ご担当者様
平素よりお世話になっております。□□と申します。
卒業証明書の発行手続きをお願い申し上げたく、ご連絡いたしました。
必要書類を同封しておりますので、ご確認のうえ、発行をお願いいたします。
何卒よろしくお願い申し上げます。
手続き依頼文を作成するポイント
- 相手の立場に配慮した言葉を使う
→「お手数ですが」「恐縮ですが」など。 - 簡潔かつ丁寧に
→長すぎる文章は読みづらく、要点を見失う可能性があるため注意。 - 期限を必ず明記
→依頼がスムーズに進むための必須要素。
まとめ
「手続き依頼」は日常的に発生する業務ですが、依頼の仕方ひとつで相手の受け止め方は大きく変わります。
本記事で紹介した文例を参考にすれば、相手に失礼なく、かつスムーズに依頼ができるはずです。
ビジネスの現場では、依頼する側の誠実さが信頼につながります。
ぜひ日常業務に活かし、円滑なコミュニケーションを築いてみてください。