挫折を力に変える!『七転び八起き』に秘められた日本人の強さとは?

誰しも失敗や挫折を経験するものですが、その先にある「成長」や「学び」を見つけることこそ、人生を豊かにするカギではないでしょうか。日本には、そんな考え方を象徴する言葉として「七転び八起き」があります。本記事では、七転び八起きの正しい意味や由来、使い方の例文をはじめ、関連する類語や反対語について詳しく解説します。この記事を通じて、困難に立ち向かうための心構えや、人生で役立つ言葉の力を再認識していただけたら幸いです。

1. 七転び八起きの意味

「七転び八起き(ななころびやおき)」とは、何度失敗してもくじけずに立ち上がり、再び挑戦し続けることを意味します。文字どおり「七回転んでも八回起き上がる」という表現が示すように、転んでも転んでもあきらめずに前に進む強さや粘り強さを表す慣用句です。多くの場合、困難や挫折を繰り返したとしても、それを乗り越えて成功や成長へとつなげる姿勢を称える文脈で用いられます。

また、「七転び八起き」は単なる根性論だけではなく、心を折らずに挑戦を続ける「柔軟性」や「学び」の重要性を示しているともいえます。転ぶたびに得られる気づきや経験を糧に再び立ち上がることで、一段と大きな成長を遂げられるという意味合いを持つのです。日本人の精神性や、苦難に耐え抜く粘り強さを表す代表的な言葉でもあるため、海外の人にも興味深い慣用句として紹介されることがあります。


2. 七転び八起きの由来

「七転び八起き」の由来については、いくつかの説が語られていますが、よく言われるのが下記の説です。

  1. 仏教の教え
    仏教において、人間は“七回”悪の心を起こして堕ちるような行いをしても、“八回”目には善へと至る行いをする、という解釈があったとされます。悪へと堕ちてはまた善に向かう。この繰り返しの中で人は成長し、やがて悟りへ近づくという教えが「七転び八起き」に通ずるという説です。
  2. 縁起の良い数の組み合わせ
    日本では古来より「八」は末広がりとされる縁起の良い数字でした。そのため、「七回転んでも八回目には必ず立ち上がる」というめでたい意味づけと結びつき、困難を乗り越える姿勢として「七転び八起き」という言葉が形作られていったと伝えられています。

どちらの説にせよ、共通しているのは「失敗しても、さらにもう一歩進んで復活しよう」というポジティブな精神が根底にあるという点です。現代においても、受験勉強、仕事上の失敗、スポーツでの敗北など、様々な場面で「七転び八起き」という言葉が用いられ、人々に励ましや前向きな姿勢を促しているのです。


3. 七転び八起きの例文

実際に「七転び八起き」を使う場面をイメージできるよう、いくつか例文を挙げてみます。

  1. 受験に失敗しても前を向く
    • 「第一志望の大学には落ちてしまったけれど、七転び八起きで次の試験に向けて勉強を続けるよ。」
    • 「七転び八起きの精神で、浪人生活も無駄にしないように頑張りたい。」
  2. ビジネスでの挑戦
    • 「新規事業の立ち上げで何度も失敗を繰り返したが、七転び八起きで学びを活かし、最終的には大成功を収めた。」
    • 「大事なのは、七転び八起きのつもりでトライ&エラーを恐れずに続けることだ。」
  3. スポーツでの苦境
    • 「試合で何度も負けていたけれど、七転び八起きの精神を忘れず練習を重ねて、ついに優勝を掴んだ。」
    • 「七転び八起きの心構えで、最後まで諦めずに全力を尽くした。」
  4. 日常生活の中での励まし
    • 「転職活動が思うようにいかなくても、七転び八起きだよ。次こそはきっと良い出会いがあるはずさ。」
    • 「子どもに何かに失敗して落ち込んでいるときは、七転び八起きの精神を教えてあげたい。」

これらの例文からもわかるように、「七転び八起き」は単なる激励の言葉だけでなく、事実として何度も失敗を経験している人が使う場合にも非常に力強い意味を持ちます。同時に、人から「頑張れ」「諦めないで」といった気持ちを込めて使われることも多く、相手を励ます表現として重宝されています。


4. 七転び八起きの類語

「七転び八起き」に近い意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。いずれもポジティブな姿勢や挫折を克服する強さを示唆するため、状況やニュアンスに応じて使い分けることができます。

  1. 不撓不屈(ふとうふくつ)
    • どんな困難に直面しても、意志を強く持ち、くじけずに頑張ることを示します。主に文章語として使われるため、改まった場や書き言葉で用いられることが多いです。
  2. 失敗は成功のもと
    • 「失敗することこそが成長の源になる」という意味のことわざです。砕けた表現としてもよく使われ、子どもから大人まで幅広くなじみ深い言葉でもあります。
  3. 雨降って地固まる
    • トラブルが起こっても、かえってその後が良好な状態になるという意味のことわざです。失敗やトラブルを経験したからこそ、かえって強くなるというニュアンスで使われます。
  4. 立ち上がる力
    • 慣用句ではありませんが、「もう一度立ち上がる力を持とう」というように、困難を乗り越える力にフォーカスした言い回しです。ビジネス書や自己啓発の場面でしばしば出てきます。

いずれも「七転び八起き」が持つ「何度でも挑戦する」という精神と近しい部分があるため、言い換えたり、組み合わせたりして効果的に使うことが可能です。


5. 七転び八起きの反対語

「七転び八起き」の反対語として一般的にこれだと確立されている言葉はありませんが、意味合いとして対極的になる表現や状況を示す言葉を挙げることは可能です。

  1. 一敗地に塗れる(いっぱいちにまみれる)
    • 敗北して、立ち上がれないほどの大失敗をすることを指します。「七転び八起き」とは違い、「失敗したまま再起を果たせない」という状態を強調します。
  2. 諦める / 投げ出す
    • 具体的な慣用句ではありませんが、「途中で投げ出してしまう」「諦めの境地に達して努力を放棄する」などは、精神的に「七転び八起き」とは真逆といえる行為です。
  3. 座して待つ
    • 自分から動かず、ただ成り行きに任せて何もしない、という意味の言葉です。「転んだら立ち上がる」という能動的な姿勢とは逆で、受動的・消極的な態度を示します。

これらは「七転び八起き」のようにポジティブな精神を否定するものというよりも、状況として「再起を図る気力がない」「挫折後に動き出せない」ことを示す言葉だと言えます。あえて言うならば「七転び八起き」と対比して使うことで、積極的に挑戦する姿勢の大切さを再認識できるでしょう。


6. まとめ

「七転び八起き」は、日本人が古来から大切にしてきた強い意志と挑戦する勇気を端的に表す言葉です。何度も失敗や挫折を重ねながらも、それを学びの機会ととらえ、前進する力を失わない。その背後には、ただ闇雲に根性を振りかざすのではなく、転ぶたびに学びを得ることで人は成長できるという思想が垣間見えます。

受験、仕事、スポーツ、人間関係など、人生は常に予測不可能な壁が立ちはだかるもの。そんなときこそ「七転び八起き」を胸に刻み、転んでも再び立ち上がる自分を信じることが、成功や充実した人生へとつながるのではないでしょうか。

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