Excelで表を作成していると、「行と列を入れ替えたい」と思う場面は意外と多くあります。
縦に並んだデータを横にしたい、集計しやすい形に変更したい、グラフを見やすくしたいなど、理由はさまざまです。
しかし、やり方を知らないと、手作業でコピーし直してしまい、時間を無駄にしてしまうこともあります。
この記事では、Excelで行と列を入れ替える方法を、初心者にもわかりやすく丁寧に解説します。
貼り付けオプションを使う方法、関数を使う方法、応用テクニックまで網羅しています。
業務でよくExcelを使う方、効率化を目指したい方に役立つ内容です。
Excelで行と列を入れ替えるとはどういうことか
Excelで行と列を入れ替えることを「転置(てんち)」といいます。
例えば、次のような表があるとします。
| 商品 | 1月 | 2月 | 3月 |
|---|---|---|---|
| A | 100 | 120 | 130 |
| B | 80 | 90 | 95 |
この表を転置すると、次のようになります。
| A | B | |
|---|---|---|
| 1月 | 100 | 80 |
| 2月 | 120 | 90 |
| 3月 | 130 | 95 |
縦方向のデータが横方向になり、横方向のデータが縦方向になります。
この転置を使うことで、以下のようなメリットがあります。
・集計がしやすくなる
・ピボットテーブルが作りやすくなる
・グラフが見やすくなる
・他の資料形式に合わせられる
業務では非常によく使われる操作です。
最も簡単な方法「貼り付けオプション(転置)」を使う
一番簡単な方法は、「貼り付けオプション」を使う方法です。
手順
① 入れ替えたい範囲を選択する
② Ctrl + C でコピーする
③ 貼り付けたいセルを選択する
④ 右クリック → 貼り付けオプションの中から「行列を入れ替える(転置)」を選ぶ
これだけで、行と列が入れ替わります。
非常に簡単で、初心者でもすぐに使えます。
メリット
・操作が簡単
・一瞬で完了する
・関数不要
デメリット
・元データと連動しない
つまり、元の表を修正しても、転置後の表は自動で変わりません。
単発作業であれば問題ありませんが、データが更新される場合は別の方法が適しています。
TRANSPOSE関数を使って自動連動させる方法
元データが変更されたら、自動で反映させたい場合は、TRANSPOSE関数を使います。
基本構文
=TRANSPOSE(範囲)
手順(Microsoft 365 / Excel 2021以降)
① 転置後の範囲をあらかじめ選択する
② 数式バーに
=TRANSPOSE(A1:D4)
のように入力する
③ Enterキーを押す
自動で転置されます。
最近のExcelでは「動的配列」として扱われるため、EnterだけでOKです。
古いExcelでのTRANSPOSEの使い方(配列数式)
Excel 2019以前では、少し操作が異なります。
① 転置後の範囲を選択する
② =TRANSPOSE(A1:D4) と入力
③ Ctrl + Shift + Enter を押す
すると、数式が波かっこ { } で囲まれます。
これは「配列数式」と呼ばれるものです。
注意点として、配列数式は一部だけ削除できません。
削除する場合は、範囲全体を選択して削除する必要があります。
転置ができないときの原因と対処法
行列の入れ替えがうまくいかないこともあります。
1. 貼り付け先の範囲が足りない
転置後のサイズが合わないとエラーになります。
事前にサイズを確認しましょう。
2. 結合セルがある
結合セルがあると転置できない場合があります。
結合を解除してから実行してください。
3. テーブル形式になっている
Excelの「テーブル」機能を使っている場合、直接転置できないことがあります。
通常の範囲に戻してから操作しましょう。
値だけ転置する方法
数式ではなく「値だけ」転置したい場合もあります。
その場合は、
コピー → 形式を選択して貼り付け → 「値」と「行列を入れ替える」
を同時に選びます。
これにより、計算式ではなく結果だけが貼り付けられます。
実務ではこの方法が非常に多く使われます。
Power Queryを使った高度な入れ替え
大量データを扱う場合は、Power Queryが便利です。
手順概要
① データタブ → 「テーブルまたは範囲から」
② Power Queryエディターが開く
③ 「変換」タブ → 「転置」
これだけで入れ替えができます。
Power Queryの利点は、
・再実行できる
・データ更新に強い
・加工処理と組み合わせられる
大量データを扱う業務では非常に強力な機能です。
ピボットテーブルとの違い
転置とピボットテーブルは似ていますが、目的が違います。
転置は単純に縦横を入れ替えるだけです。
ピボットテーブルは、
・集計
・並び替え
・フィルター
が可能です。
単純な形式変更なら転置、
分析目的ならピボット、
という使い分けが重要です。
実務でよくある活用例
実際の業務では、次のような場面で使われます。
・月別データを担当者別に変更
・アンケート結果の形式変更
・商品別売上の見せ方変更
・報告書フォーマットへの変換
社内SEとして長年Excelを扱ってきましたが、「転置を知らないために手作業で直している」ケースを何度も見てきました。
この操作を知っているだけで、作業時間が半分以下になることもあります。
ショートカットを覚えて作業を高速化する
よく使う方は、ショートカットを覚えると効率が上がります。
コピー:Ctrl + C
貼り付け:Ctrl + V
形式を選択して貼り付け:Ctrl + Alt + V
その後に「E」を押すと転置になります。
マウス操作よりも圧倒的に速くなります。
まとめ
Excelで行と列を入れ替える方法には、
・貼り付けオプション(転置)
・TRANSPOSE関数
・配列数式
・Power Query
など、複数の方法があります。
単発作業なら貼り付けオプション。
データ連動が必要ならTRANSPOSE関数。
大量データならPower Query。
状況に応じて使い分けることが重要です。
行と列の入れ替えは、Excel操作の中でも基本でありながら、実務効率に大きく影響するテクニックです。
ぜひ、今日から活用してみてください。
