Outlook ではビジネスメールに欠かせない「署名」。会社名や役職、連絡先を含む重要な情報を毎回入力せずに自動で差し込める便利な機能です。ところが、パソコンの買い替えや異動による端末変更、新しいPCへの移行時に「署名をもう一度作り直すのは面倒…」というケースが非常に多くあります。
実は Outlook の署名は、フォルダ内のデータをコピーすることで簡単にエクスポートでき、別のPCへそのまま移行できます。本記事では Outlook 署名のエクスポート方法を、初心者でもわかる手順で詳しく解説します。Windows 版 Outlook を中心に、署名ファイルの保存場所、移行の注意点、新しい Outlook での対応までまとめています。署名のバックアップや複数PCでの共有を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
Outlook 署名をエクスポートする必要性とは?
Outlook の署名は一度設定すれば非常に便利ですが、PC を変更する際に自動で引き継がれるわけではありません。そのため多くのユーザーが「署名が消えた」「前の署名を入れたい」と困ってしまいます。
署名をエクスポートしておくと、次のようなメリットがあります。
● PCの買い替え・再セットアップ時に便利
再び署名を作り直す手間が省け、従来どおりのメール環境をすぐ復元できます。
● 複数の端末で同じ署名を利用できる
ノートPCとデスクトップPCなど複数環境で Outlook を使う場合に便利です。
● 署名のバックアップとして保存できる
誤って署名を削除した場合でも、コピーして復元できます。
Outlook の署名は実は「HTML・RTF・TXT形式のファイル」で保存されているため、特別なツールを使わずにコピー可能です。
Outlook 署名ファイルの保存場所はどこ?(Windows版)
Outlook の署名はユーザーフォルダ内に保存されています。以下が一般的な保存場所です。
C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\Microsoft\Signatures
このフォルダの中に、作成した署名ごとに以下のファイルが生成されています。
- 署名名.html
- 署名名.rtf
- 署名名.txt
- 署名名_files(画像などを格納するフォルダ)
この4つのセットが 1つの署名データ です。
署名を移行したい場合は、該当署名のフォルダ・ファイルをすべてコピーする必要があります。
● AppData が表示されない場合
AppData は隠しフォルダのため、表示されないときは次の設定を行います。
- エクスプローラーを開く
- 上部メニュー「表示」をクリック
- 「隠しファイル」にチェックを入れる
これで AppData フォルダが見えるようになります。
Outlook 署名をエクスポート(バックアップ)する手順
ここでは、既存の Outlook 署名を別PCに移したり、バックアップするための基本手順を解説します。
① 署名フォルダを開く
エクスポーラーのアドレスバーに次を入力すれば、すぐに署名フォルダを開けます。
%APPDATA%\Microsoft\Signatures
エンターキーを押すと署名フォルダが表示されます。
② フォルダ内の署名ファイルをコピーする
フォルダ内の署名データ一式を選択します。
- 署名名.html
- 署名名.rtf
- 署名名.txt
- 署名名_files フォルダ
複数の署名がある場合は、必要な署名だけを選んでコピーしてください。
③ USBメモリやクラウドストレージに保存
コピーした署名データを、以下のいずれかに一時保存します。
- USB メモリ
- OneDrive
- Google Drive
- メールで自分宛てに添付
安全な場所であればどこでも構いません。
Outlook 署名をインポート(別PCへ移行)する手順
続いて、新しいPCで署名を復元する方法です。
① Outlook を一度起動して終了する
新しいPCでは署名フォルダがまだ存在しない場合があります。
そのため、Outlook を一度起動して署名フォルダを生成する必要があります。
② 新しいPCの署名フォルダを開く
旧PCと同様、アドレスバーに以下を入力します。
%APPDATA%\Microsoft\Signatures
③ 旧PCで保存した署名データをコピーして貼り付ける
USBメモリやクラウドに保存していた署名データを、新PCの署名フォルダへそのままコピーします。
※上書き確認が出た場合は「はい」を選択してください。
④ Outlook を起動して署名が使えるか確認
Outlook のメニューから
ファイル → オプション → メール → 署名
を開き、署名一覧に追加されていればエクスポート成功です。
返信メールや新規メール作成画面で署名が自動挿入されるかも確認してください。
新しい Outlook(2024〜)では署名エクスポートはどうなる?
最近の Outlook では「新しい Outlook(プレビュー版)」が提供されています。
この新しい Outlook はクラウドベースの構造のため、署名の扱いも変わりつつあります。
● 新しい Outlook の署名は Microsoft アカウントに同期される
クラウド同期が行われるため、PC移行の際に署名をコピーする必要がありません。
● ただし旧Outlookとは署名が共有されないこともある
旧 Outlook(desktop の従来版)で作った署名は、新しい Outlook にそのまま引き継がれない場合があります。
● 旧Outlookを使用しているユーザーは「署名フォルダのコピー」が必須
クラウド同期できない環境では、従来どおり署名ファイルのコピーが必要です。
署名移行時の注意点とよくあるトラブル
Outlook の署名を移行する際には、いくつか注意点があります。
① 画像を含む署名は画像フォルダも必ずコピーする
署名名_files フォルダをコピーしないと、画像が表示されません。
② ファイル名は変更しない
署名のファイル名を変更すると Outlook で認識されなくなります。
③ Outlook が起動中だと署名が反映されないことがある
署名ファイルをコピーしたあとに Outlook を再起動してください。
④ HTML形式の署名が崩れる場合がある
古いOutlookと新しいOutlookでは表示が変わる可能性があります。
その場合は HTML コードを調整するか、新規作成を検討しましょう。
Outlook 署名を複数PCで共有するコツ(上級者向け)
複数PCで常に同じ署名を使いたい場合、次の方法があります。
● OneDrive の同期フォルダを署名フォルダとして利用する
署名フォルダを OneDrive 内に移動し、シンボリックリンクを使って Outlook に認識させます。
やや上級者向けですが、会社で PC を複数使用している場合に便利です。
● HTML署名を会社のテンプレートとして統一する
企業では複数社員が統一の署名を使用するケースが多く、
全員に配布できる署名テンプレートとして活用できます。
まとめ
Outlook の署名は、PC の買い替えや複数端末使用時に必要となる重要なデータです。
バックアップする方法は意外と簡単で、署名フォルダをコピーするだけでエクスポートできます。
