日本列島は南北に長く、海・山・平野・島嶼など実に多様な地形から成り立っています。
そのため、都道府県ごとに「広さ」には大きな差があります。あなたが住んでいる県がどれくらいの面積なのか、他県と比べたら広いのか狭いのか、意外と知られていないことも多いものです。
今回の記事では、最新の統計に基づき 都道府県の面積ランキングTOP10 を紹介し、それぞれの県が「なぜ広いのか」「広さが暮らし・文化・産業にどう関わるのか」をわかりやすく解説します。
単なる数字としてではなく、広さの背景にあるストーリーを知ることで、日本の姿がより立体的に見えてきます。
都道府県面積ランキングTOP10(km²)
まずは、面積が大きい都道府県のトップ10を一覧で紹介します。
1位:北海道 約83,422 km²
2位:岩手県 約15,275 km²
3位:福島県 約13,784 km²
4位:長野県 約13,562 km²
5位:新潟県 約12,584 km²
6位:秋田県 約11,638 km²
7位:岐阜県 約10,621 km²
8位:青森県 約9,645 km²
9位:山形県 約9,323 km²
10位:鹿児島県 約9,186 km²
1位の北海道は別格で、2位岩手県の約5.5倍という圧倒的な広さです。
次項から、それぞれの県を詳しく見ていきましょう。
1位 北海道 — 日本最大の“圧倒的スケール”
北海道の面積は約83,422 km²で、全都道府県の中でダントツの1位です。
本州4県分以上に匹敵する広さを持ち、平野・山地・湿原・湖・原野・離島など地形のバリエーションが豊富です。
なぜ北海道は圧倒的に広いのか?
・北海道本島に加え、利尻島・礼文島・奥尻島などの離島も含む
・歴史的に「道」という広域単位が行政区域として設定された
・開拓の歴史により、県境を設けず大きな一つの地域として扱われてきた
広さがもたらす特徴
・酪農や畑作など、大規模農業が成立しやすい
・観光資源(山・湖・雪原・花畑)が非常に多い
・移動距離が長く、都市間のアクセスには時間がかかる
・人口密度は全国最下位レベル
広大だからこそ、自然が豊かで暮らし方にも独自性がある地域です。
2位 岩手県 — 東北地方最大のゆったりとした広さ
岩手県は約15,275 km²で、北海道を除くと全国で最も面積の大きい県です。
岩手が広い理由
・奥羽山脈や北上高地の山林が面積を大きく占める
・沿岸部から内陸部まで縦長の地形で構成
・川・盆地・海岸平野など多様な地形を含む
広さが生む特徴
・自然公園や森林が多く、景観のバリエーションが豊富
・海産物と山の恵みの両方に支えられる
・内陸部は広大な田園地帯が広がる
ただし、山地が多いため鉄道や道路整備の負担が大きく、人口密度は低めです。
3位 福島県 — 海から山間部まで3つの地域に分かれる広域県
福島県の面積は約13,784 km²で全国3位。
特徴的なのは「浜通り・中通り・会津」の3つに明確に分かれる点です。
広さの背景
・太平洋に面した海岸部
・盆地が広がる内陸中通り
・背の高い山脈に囲まれた会津地方
この3地域は気候も文化も全く異なるため、一つの県でありながら“別の県のような多様性”を持ちます。
広さが生む特色
・農業・観光・工業といった多様な産業構成
・地域ごとの特産・方言・文化が異なる
・山地が多いため交通網の整備に課題もある
面積の大きさが、多彩で奥深い県の魅力につながっています。
4位 長野県 — 日本の真ん中に広がる山岳県
長野県の面積は約13,562 km²で全国4位。
日本アルプスを中心に、山に囲まれた県として広い面積を持っています。
長野が広い理由
・北アルプス・中央アルプス・南アルプスという巨大山脈を含む
・高原や盆地が多く、山地が県域の多くを占める
広さが生む特徴
・登山・スキー・避暑地などアウトドアの宝庫
・盆地ごとに文化や生活圏が異なる(松本・諏訪・長野など)
・山地が多いため交通網が複雑で、冬期は雪対策が重要
日本の中心部に位置し、地形の壮大さが県の個性になっています。
5位 新潟県 — 日本海に長く伸びる“縦長”県
新潟県は面積約12,584 km²で全国5位。
南北に細長く、日本海沿岸部から山間部まで多様な地域を含みます。
広さの理由
・越後平野という国内有数の広い平野を持つ
・信濃川・阿賀野川など大河川の流域が広い
・山間部や豪雪地域も多く県域が広がる
特徴
・日本有数の米どころで農地が広大
・豪雪地域が多く、冬の自然環境が厳しい
・海・山・平野が揃うため、産業が多様
広い県域の中に四季の表情がはっきり現れるのも新潟県の魅力です。
6位〜10位の県の特徴まとめ
秋田県(6位)約11,638 km²
・広い森林地帯を持つ
・日本海側の気候と豪雪の両方を受ける
・農業・林業が盛ん
岐阜県(7位)約10,621 km²
・内陸県であり、山地が多く占める
・飛騨地方の山岳地形が広さを形成
・清流や高原など自然環境が豊か
青森県(8位)約9,645 km²
・下北・津軽の2半島を持つ特殊な地形
・山地と海岸が共存
・気候の寒暖差が大きく、農水産品が豊富
山形県(9位)約9,323 km²
・出羽山地と庄内平野という対照的な地形
・日本海に開けた地域と内陸の盆地文化が共存
鹿児島県(10位)約9,186 km²
・九州南端に加え、多くの離島を抱える
・火山地形(桜島)が県域に大きく影響
・海と山の変化に富む
都道府県面積ランキングから見える“広さ”の意味
面積という指標だけでも、その県の歴史・地形・暮らし方が見えてきます。
1. 広さ=地形の多様性
面積が大きい県は、
・海岸
・平野
・山地
・高原
・離島
など複数の地形を持つことが多く、産業や文化の幅が広がります。
2. 広い県ほど交通・行政に課題
・山間部が多い
・豪雪地帯が多い
・離島を抱える
こうした県では、交通や行政サービスの負担も増え、人口分布にも差が出やすくなります。
3. 広さが観光資源になる
広いからこそ、景観の多彩さ・自然スポットの多さが魅力になり、
観光や移住の促進にもつながります。
まとめ — 面積の違いは、日本の姿の違い
都道府県の面積ランキングTOP10を見ていくと、広さの裏にある“地域の物語”が浮かび上がってきます。
北海道の圧倒的な自然、東北の雄大な山地、信越の高原、九州南端の離島圏など、どの県も地形と歴史が密接に結びついています。
普段は意識することの少ない「面積」という視点ですが、
それを知るだけで日本の姿がより奥深く理解できます。
自分の住む県の広さを調べたり、旅行先の景観を面積から想像してみたり、
地図を見る楽しみが増えるはずです。
