初心者でもすぐできる!Excelピボットテーブルで集計を自動化する完全ガイド

Excelで大量のデータを扱うと、「どこから手をつければいいのか分からない」「素早く集計したいのに時間がかかる」と感じる場面は多いものです。そんな悩みを解決してくれるのが ピボットテーブル です。ピボットテーブルを使えば、数千行のデータであっても、数秒で合計・平均・件数・前年比など、複雑な集計を自動で作成できます。本記事では、ピボットテーブルの基本的な作り方から、集計方法の種類、さらに仕事でよく使う場面まで、初心者でもスムーズに理解できるように豊富な例と共に分かりやすく解説します。


目次
  1. ピボットテーブルとは?特徴とできること
    1. ■ ピボットテーブルでできること
  2. ピボットテーブルの作成方法(基本の手順)
    1. ■ Step1:元データを準備する
    2. ■ Step2:データ範囲を選択する
    3. ■ Step3:挿入 → ピボットテーブル
    4. ■ Step4:新しいシート or 既存シートを選択
    5. ■ Step5:行・列・値にフィールドを設定
  3. ピボットテーブルで使える主な「集計方法」
    1. ■ ① 合計(もっともよく使う集計)
    2. ■ ② 平均
    3. ■ ③ 数値の個数(COUNT)
    4. ■ ④ 最大値・最小値
    5. ■ ⑤ データの件数(COUNT)と空白のカウント
    6. ■ ⑥ 集計の種類を変更する方法
  4. よく使うピボットテーブルの実用例
    1. ■ ① 担当者別×月別の売上分析
    2. ■ ② 商品カテゴリ別の売上トップ10
    3. ■ ③ 地域別の販売件数
    4. ■ ④ 日付ごとの売上推移を分析
  5. ピボットテーブルの「グループ化」で集計の幅を広げる
    1. ■ ① 日付のグループ化
    2. ■ ② 数値のグループ化
    3. ■ ③ テキスト項目のグループ化
  6. ピボットテーブルのフィルターで「条件別」に集計する
    1. ■ ① レポートフィルター
    2. ■ ② 行ラベルのフィルター
    3. ■ ③ 列ラベルのフィルター
  7. ピボットグラフで視覚的に集計結果を伝える
  8. ピボットテーブルを使う際の注意点とコツ
    1. ■ ① 元データを変えるとピボットを更新する必要がある
    2. ■ ② 列名を変更するとエラーになることがある
    3. ■ ③ 空白セルは集計の妨げになる
    4. ■ ④ データの「テーブル化」が便利
  9. まとめ:ピボットテーブルで仕事の生産性は大幅アップ

ピボットテーブルとは?特徴とできること

ピボットテーブルとは、Excelに搭載されているデータ分析機能の一つで、表形式のデータを瞬時に集計・分類・分析できるツールです。
「ピボット(Pivot)」とは“回転させる軸”という意味で、データの角度を変えながらまとめ直すことができる点が特徴です。

■ ピボットテーブルでできること

  • 売上の集計(合計・平均・最大値・最小値など)
  • 担当者別の件数集計
  • 月ごと、商品カテゴリごとの分析
  • クロス集計表の作成(行×列)
  • フィルタで条件別に集計を切り替え
  • グラフ化して視覚的に比較

これらが数秒で作れるため、Excelでのデータ分析の効率が劇的に向上します。


ピボットテーブルの作成方法(基本の手順)

まずは最も基本的なピボットテーブルの作り方から確認しておきましょう。

■ Step1:元データを準備する

ピボットテーブルで分析する元データは、以下のルールを満たしている必要があります。

  • 1行目に「項目名(列名)」がある
  • 空白列がない
  • 表形式でデータが並んでいる

例)売上データ
| 日付 | 商品名 | 担当者 | 数量 | 売上 | 地域 |

■ Step2:データ範囲を選択する

データのどこか一つをクリックするだけでOK。Excelが自動で範囲を認識します。

■ Step3:挿入 → ピボットテーブル

Excel上部の
[挿入]→[ピボットテーブル] を選択します。

■ Step4:新しいシート or 既存シートを選択

通常は新しいシートを選ぶほうが管理しやすくおすすめです。

■ Step5:行・列・値にフィールドを設定

右側に表示される「フィールドリスト」から以下の枠に項目をドラッグします。

  • 行:分類したい項目(例:商品名、担当者)
  • 列:横方向に比較したい項目(例:月、地域)
  • 値:集計したい数値(例:売上、数量)
  • フィルター:条件に応じて絞り込みたい項目(例:年、地域)

この配置を変えるだけで、集計の角度を自由に変えられます。


ピボットテーブルで使える主な「集計方法」

ピボットテーブルの最大の魅力は「集計方法を簡単に切り替えられる」ことです。
ここでは代表的な集計方法を紹介します。

■ ① 合計(もっともよく使う集計)

売上や数量など、数値項目の合計を瞬時に出せます。
集計方法の中でも最も利用頻度が高い基本機能です。

例:商品ごとの売上合計
例:担当者別の受注数量合計


■ ② 平均

担当者の平均売上や、月別の平均客単価など、数値の平均を求めたいときに便利です。


■ ③ 数値の個数(COUNT)

値が入力されている行数をカウントします。
アンケートの回答件数、担当者の対応件数などでよく使います。


■ ④ 最大値・最小値

商品の最高売上、1日の最低客数などを調べるときに活躍します。
分析の初期段階で「データの傾向をつかむ」ために有効です。


■ ⑤ データの件数(COUNT)と空白のカウント

空白を含むデータ件数の確認にも使えます。


■ ⑥ 集計の種類を変更する方法

  1. ピボットテーブルの「値」欄の項目をクリック
  2. 「値フィールドの設定」を選択
  3. 「集計方法」から「合計・平均・件数」などを選ぶ

この操作だけで、集計結果を自由に切り替えできます。


よく使うピボットテーブルの実用例

ここでは、実務でよく使われるピボットテーブルの具体例を紹介します。

■ ① 担当者別×月別の売上分析

  • 行:担当者
  • 列:月
  • 値:売上(合計)

これにより、担当者ごとの月別売上を瞬時に把握できます。

■ ② 商品カテゴリ別の売上トップ10

  • 行:商品カテゴリ
  • 値:売上(合計)
  • フィルタ:売上トップ10

ランキング形式で表示でき、販売戦略の検討に役立ちます。

■ ③ 地域別の販売件数

  • 行:地域
  • 値:数量(件数)

地域別に販売状況を比較することで、重点エリアを判断できます。

■ ④ 日付ごとの売上推移を分析

  • 行:日付
  • 値:売上(合計)

「グループ化」を使えば、日別 → 月別 → 四半期別 など自由に集計できます。


ピボットテーブルの「グループ化」で集計の幅を広げる

グループ化は、ピボットテーブルの応用機能の中でも特に便利です。

■ ① 日付のグループ化

日付を右クリック →「グループ化」
→「月」「四半期」「年」を選択

これで、日付データを月ごと・年ごとにまとめて集計できます。


■ ② 数値のグループ化

価格帯ごとに商品を集計したいときなどに便利です。

例:0〜999円、1000〜1999円、2000〜2999円などに区切る


■ ③ テキスト項目のグループ化

カテゴリを手動でまとめることもできます。
例えば、複数の小分類を「食品」「日用品」などに一括まとめできます。


ピボットテーブルのフィルターで「条件別」に集計する

ピボットテーブルでは以下の3種類のフィルターが使えます。

■ ① レポートフィルター

全体のデータを絞り込みたいときに使用。
例:特定の年だけ表示、地域を「関東」に限定など。


■ ② 行ラベルのフィルター

行項目の中から条件に合うものだけを表示できます。
例:売上トップ10、数量が100個以上の商品だけ、など。


■ ③ 列ラベルのフィルター

列方向のデータを絞り込む際に使用します。


フィルター機能を活用することで、必要なデータだけを抜き出して分析できます。


ピボットグラフで視覚的に集計結果を伝える

数字だけでは分かりにくい情報も、グラフにすると一気に理解度が高まります。
ピボットテーブルからワンクリックで「ピボットグラフ」を作成でき、
棒グラフ・折れ線グラフ・円グラフを素早く作成できます。

特におすすめは、

  • 担当者別売上 → 棒グラフ
  • 月別売上推移 → 折れ線グラフ
  • カテゴリ割合 → 円グラフ

視覚化することで、会議資料やプレゼン資料として使いやすくなります。


ピボットテーブルを使う際の注意点とコツ

■ ① 元データを変えるとピボットを更新する必要がある

ピボットテーブルは「作成時のデータ」を参照します。
元データを追加した場合は、
「更新」ボタンを押すか、範囲をテーブル化しておく のがおすすめです。


■ ② 列名を変更するとエラーになることがある

元データの列名を変更した場合、ピボットテーブル側も再設定が必要な場合があります。


■ ③ 空白セルは集計の妨げになる

空白が多い場合、行ごとの集計が正しく行われないことがあります。
事前に「空白削除」や「0入力」をしておくと安心です。


■ ④ データの「テーブル化」が便利

ピボットテーブルを使う前に、
Ctrl + T でデータをテーブルにすると、データ追加時も自動で範囲が拡張されます。


まとめ:ピボットテーブルで仕事の生産性は大幅アップ

ピボットテーブルは、Excelを使うすべての人にとって必須ともいえるほど「時短」「分析効率化」に貢献する機能です。
本記事で紹介した内容を押さえておけば、

  • 合計・平均・件数などの集計
  • 日付や数値のグループ化
  • フィルターでの条件検索
  • ピボットグラフでの視覚化

といった集計作業が圧倒的にラクになります。

「Excelが苦手…」という方でも、ピボットテーブルを使いこなせば、
データ分析のスピードが劇的に変わり、業務効率が大幅にアップします。

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