10月31日を彩る記念日と知られざる豆知識5選

秋が深まり、夜の気配がひときわ濃くなる10月31日。あなたはこの日を「ハロウィン」としてしか意識していませんか?実は、この日にまつわる日本独自の記念日や歴史、意外な雑学がたくさんあります。本記事では、10月31日に制定されている記念日を5つピックアップし、その由来やエピソード、さらには豆知識も交えてご紹介します。ハロウィンの仮装を楽しむだけでなく、今日は少し深くこの日の意味を味わってみませんか?

1. 10月31日の主な記念日5選

以下は、10月31日に公式・非公式に制定されている記念日のうち、特に注目すべき5つです:

  • ハロウィン(Halloween)
  • ガスの記念日
  • 日本茶の日
  • 出雲ぜんざいの日
  • 陶彩の日


2. 各記念日の由来と意味

ハロウィン

最も広く知られている10月31日の行事がハロウィンです。語源は“All Hallows’ Eve”(全ての聖人の日の前夜)で、11月1日の「万聖節(All Saints’ Day)」の前夜にあたります。

起源は、古代ケルト人のサウィン(Samhain)という収穫祭・死者祭とされ、この夜は生者と死者の世界の境が曖昧になると信じられていました。
そこから、仮装や火、魔除けが取り入れられ、現代ではジャック・オー・ランタンやお菓子配り、仮装パレードなどの文化が発展しています。

日本でも近年、街をあげての仮装イベントやパレードなどが盛んになってきています。


ガスの記念日

10月31日は「ガスの記念日」として知られています。これは、1872年(明治5年)9月29日(旧暦。新暦換算では10月31日)に、横浜・馬車道で日本初のガス灯が点灯されたことを記念したものです。

この出来事は、日本におけるガス事業の幕開けと見なされ、100周年を迎えた1972年に日本ガス協会によって記念日として制定されました。
「ガスの安全な使い方」などを普及する契機として、さまざまなキャンペーンも実施されています。


日本茶の日

10月31日は「日本茶の日」でもあります。由来は鎌倉時代の建久2年(1191年)10月31日に、臨済宗の開祖・栄西(えいさい)が宋(中国)から帰国し、お茶の種子やお茶の飲み方を持ち帰ったとされる日であることにちなんでいます。

栄西は、中国での茶文化や製茶法を日本にもたらし、その後『喫茶養生記』という著作で茶の効能などを説き、日本茶文化の発展に大きく寄与した人物とされています。

興味深いことに、「日本茶の日」はもう1日、10月1日にも制定されています。こちらは豊臣秀吉による「北野大茶湯」にちなんだもので、異なる背景をもっている記念日です。


出雲ぜんざいの日

「出雲ぜんざいの日」は、語呂合わせから生まれた記念日です。「1031(千三十一)」を「ぜん(千)ざ(3)い(1)」と読むことから制定されています。

出雲地方には「神在(じんざい)餅」という餅料理の風習があり、旧暦10月に全国から神々が集まる「神在祭(かみありさい)」において振る舞われたものが、後にぜんざいのルーツの一端とされます。

この伝統を今に伝える「出雲ぜんざい学会」なども存在し、当地ではこの日にぜんざいを楽しむ取り組みが行われています。


陶彩の日

「陶彩の日」は、「とう(10)さい(31)」という語呂合わせから来ています。岐阜県土岐市に本社を置く日本陶彩株式会社が、器(うつわ)で食卓を彩ることを願って制定した記念日です。

陶器・陶磁器など「器」によって食卓を豊かに演出し、料理をさらに引き立てようという思いが込められています。


3. 今日の記念日にまつわる雑学・豆知識

雑学1:ハロウィンに使うカボチャは“果物”!

意外に思われるかもしれませんが、カボチャは実は“果物(果実)”です。植物学的に言うと、花から実ったものは果実とされるため、カボチャは果物に分類されます。

この“果物”をくり抜いて作るジャック・オー・ランタンは、かつてはルタバガ(カブの一種)で作られていたそうです。その後、アメリカでカボチャが使われるようになり、現在の形に定着しました。


雑学2:世界勤倹デー=世界貯蓄デー

10月31日は国際的には「世界勤倹デー(World Savings Day)」とされています。1924年にイタリアのミラノで開催された国際貯蓄会議で、この日を「貯蓄を考える日」と定めたのが起源です。

もともとは家計の節約・貯蓄意識を高める趣旨で、多くの国で金融啓発活動が行われます。銀行などが「貯蓄月間」を展開することもあります。

(注:日本の「世界勤倹デー」は「世界貯蓄デー」とほぼ同じ趣旨で紹介されることがあります)


雑学3:10月31日に起きた歴史的できごと

  • 1517年10月31日:マルティン・ルターが「95ヶ条の提題」をヴィッテンベルク教会の扉に貼り出し、宗教改革の運動を始めたとされます。これが「宗教改革記念日」として一部のプロテスタント教会で祝われています。
  • また、日本では、10月31日に初めてガス灯が灯されたことが「ガスの記念日」の由来となっています。
  • 1907年には、日本に初めて外国の野球チームが来日したという記録もあります。

こうした歴史的背景を知ると、10月31日はただの「月末日」ではなく、さまざまな文化・技術・信仰が交差する日でもあることがわかります。

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