国際化が進む現代のビジネス環境では、英語での電話対応を求められる場面が増えています。メールやチャットに比べ、電話は「声だけ」で意思疎通をするため、相手の表情やジェスチャーが見えません。そのため、聞き取りや言い回しに不安を感じる方も多いでしょう。
特に、相手から電話がかかってきたときは「第一声」が重要です。ここで慌ててしまうと、その後の会話がぎこちなくなることもあります。本記事では、英語で電話がかかってきたときの基本的な対応から、ビジネスの現場で役立つ便利フレーズ、よくあるシチュエーションごとの対応例までわかりやすく解説します。
電話がかかってきた時の第一声
英語で電話を受けるとき、最初の一言はとても大切です。日本語で「お電話ありがとうございます。○○会社の△△です」と言うように、英語でも丁寧かつわかりやすく名乗ることが求められます。
基本フレーズ
- “Hello, this is [名前] speaking.”(こんにちは、[名前]です。)
- “Good morning, this is [会社名], [名前] speaking.”(おはようございます。[会社名]の[名前]です。)
- “Thank you for calling [会社名]. How may I help you?”([会社名]にお電話いただきありがとうございます。どのようなご用件でしょうか。)
相手の名前がわからない場合でも、まずは落ち着いて自分を名乗ることが信頼感につながります。
相手の名前や要件を確認する
相手が名乗らなかったり、早口で名前を言った場合、聞き取れず焦ってしまうこともあります。そんな時に使える便利な表現があります。
名前を聞き返す
- “May I have your name, please?”(お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか。)
- “Could you spell your name, please?”(お名前のスペルをお願いできますか。)
- “I’m sorry, could you repeat that?”(すみません、もう一度言っていただけますか。)
用件を尋ねる
- “How can I help you today?”(本日はどのようなご用件でしょうか。)
- “May I ask the purpose of your call?”(お電話の目的をお伺いしてもよろしいですか。)
電話越しでは相手の声しか情報がありません。曖昧なまま進めず、丁寧に聞き返す習慣が大切です。
取り次ぎのフレーズ
ビジネスシーンでは「担当者に電話をつなぐ」場面が頻繁にあります。日本語では「少々お待ちください」「担当におつなぎします」と言いますが、英語でも同様に自然に対応できるようにしましょう。
担当者につなぐ場合
- “Please hold on. I’ll transfer your call.”(少々お待ちください。担当者におつなぎします。)
- “One moment, please. I’ll put you through to [担当者名].”(少々お待ちください。[担当者名]におつなぎいたします。)
不在の場合
- “I’m afraid [担当者名] is not available right now.”(申し訳ありませんが、[担当者名]は現在席を外しております。)
- “Would you like to leave a message?”(伝言をお預かりいたしましょうか。)
- “Could you call back later, please?”(後ほどお電話いただけますか。)
メッセージを受けるとき
担当者が不在の場合、相手からメッセージを預かることも多いです。聞き間違いを避けるため、要点を繰り返し確認することが重要です。
便利フレーズ
- “May I take a message?”(伝言をお預かりいたしましょうか。)
- “Could you tell me your phone number and name, please?”(お名前と電話番号をいただけますか。)
- “Let me repeat your message to confirm.”(確認のため、いただいた伝言を繰り返しますね。)
メモを取りながら聞くことを習慣化すれば、安心して対応できます。
よくあるシチュエーション別フレーズ
電話が切れてしまった場合
- “I’m sorry, the line was cut off.”(申し訳ありません、回線が切れてしまいました。)
- “Could you repeat what you just said?”(先ほどのお話を繰り返していただけますか。)
相手の声が聞き取りにくい場合
- “I’m sorry, the line is very bad.”(申し訳ありません、回線が悪いようです。)
- “Could you speak more slowly, please?”(もう少しゆっくり話していただけますか。)
間違い電話だった場合
- “I’m afraid you have the wrong number.”(恐れ入りますが、番号をお間違えです。)
ビジネス英語ならではの表現
電話対応の場面では、丁寧な言い回しが求められます。カジュアルすぎず、適度にフォーマルなフレーズを選びましょう。
- “May I ask who’s calling?”(どちら様でしょうか。)
- “I’ll let [担当者名] know you called.”([担当者名]にお電話があったことをお伝えします。)
- “Thank you for your patience.”(お待ちいただきありがとうございます。)
英語の電話対応を上達させるコツ
- リスニングの練習をする
英語の電話は声だけなので、普段から英語音声に慣れておくことが大切です。 - 定番フレーズを暗記する
頻出のフレーズを覚えておけば、咄嗟の対応でも落ち着いて話せます。 - メモを取りながら対応する
特に名前や電話番号は聞き間違いやすいため、必ずメモを取りましょう。 - ゆっくり落ち着いて話す
早口になると聞き取りづらくなります。相手に配慮して、はっきりと話しましょう。
まとめ
英語で電話がかかってきたときの対応は、最初は緊張するものです。しかし、よく使う定型フレーズを覚え、シチュエーションごとの対応を事前に練習しておけば、落ち着いて対応できます。
特にビジネスシーンでは、第一声の丁寧さ、聞き返す勇気、正確なメッセージの受け渡しが信頼につながります。ぜひこの記事を参考に、英語での電話対応スキルを少しずつ磨いてみてください。