転職活動をしていると、複数の企業から内定をいただいたり、エージェントや知人から新しい仕事を紹介されることがあります。ありがたいお話である一方で、自分の希望や状況に合わない場合は、断らなければなりません。しかし「せっかくいただいたお話をどう断ればいいのか」「失礼にあたらない表現はあるのか」と悩む方も多いでしょう。
この記事では、転職オファーや内定、紹介を断るときに役立つ例文をシーン別に紹介します。丁寧で誠実な断り方を身につけることで、今後のご縁を大切にしながら、自分の意思をしっかり伝えることができます。
転職を断るときの基本マナー
転職の話を断るときに大切なのは「誠実さ」と「感謝の気持ち」です。相手は時間と労力をかけて選考を進めたり、紹介してくれているため、まずは「お声がけいただいたことへの感謝」をしっかり伝えましょう。その上で、自分の意思を明確に伝えることが重要です。
また、返答はできるだけ早めに行うこともマナーの一つです。先延ばしにすると相手の採用活動に影響が出てしまうため、気持ちが固まったらすぐに伝えるようにしましょう。
内定を辞退するときの例文
転職活動の末に内定をいただいても、他社との比較や家庭の事情で辞退を選ぶ場合があります。以下はメールでの例文です。
例文1：一般的な内定辞退のメール
○○株式会社
人事部 ○○様
この度は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
大変光栄なお話ではございますが、熟考の結果、今回は辞退させていただきたく存じます。
貴重なお時間を割いていただきながら、このような結果となり心苦しい限りですが、
今後の貴社のご発展を心よりお祈り申し上げます。
○○（氏名）
このように「感謝」「辞退の意思」「今後の応援」をセットで伝えると、角が立ちません。
エージェントからの紹介を断るときの例文
転職エージェントから紹介された求人が自分の希望と合わない場合も丁寧に断る必要があります。
例文2：エージェントへの返信
○○エージェント ○○様
いつもお世話になっております。
この度は求人のご紹介をいただき、誠にありがとうございます。
大変ありがたいお話ではございますが、今回の案件については
私の希望条件とは異なるため、辞退させていただきたく存じます。
今後ともご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
エージェントとは長い付き合いになることも多いため、関係を良好に保つ意識が大切です。
知人からの紹介を断るときの例文
知人や友人から「うちの会社に来ないか」と声をかけられる場合もあります。断りにくいシーンですが、正直に自分の考えを伝えることが重要です。
例文3：友人・知人への断り方
お声をかけてくれてありがとう。
とてもありがたい話で嬉しいんだけど、今のところは現職で頑張ろうと思っているんだ。
せっかく紹介してくれたのに申し訳ないけれど、今回は見送らせてもらいたい。
カジュアルな関係ではかしこまりすぎる必要はありませんが、誠意を込めた表現を意識すると良いでしょう。
電話で断るときの伝え方
メールよりも直接電話で伝える場合は、まず感謝を述べ、その後に辞退の意思を伝える流れがスムーズです。
例文4：電話での断り方
この度は内定をいただき、誠にありがとうございます。
大変光栄なお話でしたが、熟考の末、今回は辞退させていただくことにいたしました。
貴重なお時間をいただいたにもかかわらず申し訳ございません。
今後の貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
短くても誠実に伝えれば、悪印象を与えることはありません。
断り方でやってはいけないこと
転職オファーを断るときに避けるべきNG行動もあります。
- 返事を先延ばしにする → 相手の採用活動を妨げる。
- 無視する → 最も失礼な対応。必ず返信をする。
- 理由を濁しすぎる → 誠実さを欠く印象を与える。
- 感謝を伝えない → 自分本位に見える。
誠意を持って行動することが、今後のキャリアにもプラスになります。
状況別・転職断りの例文集
最後に、シーン別にすぐ使えるフレーズをまとめます。
- 内定辞退（メール）
「この度は内定をいただき、誠にありがとうございます。誠に恐縮ですが、熟考の末、辞退させていただきたく存じます。」 - エージェントへの断り
「ご紹介いただきありがとうございます。大変ありがたいお話ではございますが、今回は希望条件と合致しないため見送らせていただきます。」 - 知人への断り
「せっかく声をかけてもらったのに申し訳ないけど、今回は現職を続けることにしたんだ。」 - 電話での断り
「大変ありがたいお話でしたが、今回は辞退させていただきたく存じます。」
まとめ
転職のオファーや内定を断るのは勇気が必要ですが、誠実さと感謝を忘れずに伝えれば相手も納得してくれます。大切なのは「早めに」「丁寧に」「誠意を持って」行動することです。断ること自体は珍しいことではなく、むしろキャリアを前向きに選択するための一歩です。今回紹介した例文を参考に、失礼のないコミュニケーションで、今後のご縁を大切にしていきましょう。