ビジネスの場では、取引先や同僚からさまざまな提案を受けることがあります。
すべてを受け入れられれば良いのですが、現実的には「断らなければならない場面」も多く存在します。
しかし断り方を誤ると、相手との関係を悪化させたり、信頼を損なったりするリスクがあります。
そこで本記事では、相手を不快にさせずに「提案を断る」ためのコツと、実際に使える例文を紹介します。
メールや口頭での対応にそのまま活用できるよう、わかりやすくまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
提案を断るときに大切な考え方
提案を断る際に一番大切なのは「相手の努力や気持ちを尊重する姿勢」です。
提案は相手が時間をかけて考えてくれたものであり、その善意を無視してしまうと関係性に悪影響を及ぼします。
そのため、断る際には以下の3つのポイントを意識すると良いでしょう。
- 感謝を伝える
「ご提案ありがとうございます」と必ず冒頭で伝えましょう。 - 理由を明確にする
断る理由が分からないと、相手は納得できません。曖昧にせず、可能な範囲で伝えることが大切です。 - 代替案や今後につなげる表現を加える
「今回は難しいですが、別の機会にぜひ」など前向きな言葉を添えることで印象がやわらぎます。
提案を断るメールの例文
例文1：取引先からの提案を丁寧に断る場合
〇〇株式会社
△△様
平素より大変お世話になっております。
この度は、貴重なご提案をいただき誠にありがとうございます。
せっかくご提示いただいた内容ではございますが、
弊社の現状の方針とは一致しないため、今回は見送らせていただくこととなりました。
また別の機会にご一緒できればと存じます。
引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
株式会社□□
営業部 □□
この例文では、まず「感謝」を伝えたうえで「方針と合わない」という理由を明示しています。最後に「別の機会」を添えることで、関係性を保ちやすくしています。
例文2：同僚からの社内提案を断る場合
○○さん、提案ありがとう。
とても参考になる意見で、検討の価値があると思ったよ。
ただ、現状のスケジュールや予算の関係で、すぐに導入するのは難しい状況だ。
今後の計画を見直す際に、改めて検討させてもらいたい。
引き続き、良いアイデアがあればぜひ教えてください。
社内の提案を断る場合は、相手のやる気を損なわないよう「評価する言葉」を先に入れるのがポイントです。
例文3：メールで簡潔に断る場合
この度はご提案いただき誠にありがとうございます。
せっかくのお申し出ではございますが、
社内検討の結果、今回は見送らせていただくこととなりました。
何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
ビジネスメールでは「簡潔に伝えたい」ケースも多くあります。その場合でも、感謝と丁寧な表現を欠かさないようにしましょう。
提案を断るときのフレーズ集
- 「大変魅力的なお話ですが、現在の方針とは異なるため…」
- 「ご提案はありがたいのですが、現状では導入が難しい状況です」
- 「今回は見送らせていただきますが、将来的には検討したいと考えております」
- 「貴重なお時間をいただいたにもかかわらず恐縮ですが…」
- 「ぜひまた別の機会にご相談できれば幸いです」
これらのフレーズを組み合わせることで、柔らかい断り方ができます。
提案を断るときに避けたいNG表現
断る際に避けたいのは、相手の気持ちを否定する言葉や、曖昧で誤解を招く表現です。
- 「全く必要ありません」 → 相手を否定するように聞こえる
- 「上からの命令なので仕方ありません」 → 責任転嫁に見える
- 「また今度お願いします」 → 社交辞令に聞こえ、誠実さが伝わらない
ビジネスでは「誠実さ」と「配慮」が信頼を築く鍵です。
まとめ
提案を断る場面は、社会人であれば誰もが経験するものです。
そのときに大切なのは「感謝・理由・今後につなげる表現」の3点です。
適切な言葉を選ぶことで、相手に不快感を与えず、むしろ信頼関係を強めることもできます。
今回紹介した例文やフレーズを参考に、自分の状況に合った形で活用してみてください。
「断る」という行為は必ずしもネガティブなものではなく、むしろ丁寧な対応をすることで、相手との関係を長く続けるきっかけにもなります。