日報は、業務内容や進捗状況を記録し、上司やチームと共有する大切なビジネスツールです。
しかし、紙や手書き、自由記述のメールで提出していると、記録のバラつきや集計の手間が発生しやすくなります。
そこでおすすめなのが、Excelを使った日報作成です。Excelなら、入力フォームを統一できるだけでなく、関数やグラフを活用して集計や分析まで自動化できます。
本記事では、Excelでの日報作成の基本から便利なテンプレートの作り方、さらには集計・分析の応用例まで、実践的な方法をわかりやすく解説します。
日報をExcelで作成するメリット
Excelで日報を作成する最大のメリットは「データの一元管理」と「自動化」です。
紙やメールの場合、情報が点在して探すのに時間がかかりますが、Excelなら同じフォーマットで保存でき、フィルターや検索ですぐに目的の情報を抽出できます。
また、数式や関数を使えば、作業時間の合計や進捗率を自動計算でき、手間を大幅に削減できます。さらに、グラフを使えば視覚的な報告資料としても活用でき、会議や上司への報告がスムーズになります。
Excel日報の基本構成
Excelで日報を作る際は、必要な情報をシンプルに整理し、入力しやすい形にすることが重要です。
一般的な日報の項目例は以下の通りです。
- 日付
- 氏名または担当者名
- 業務内容(複数行対応)
- 作業時間(開始時刻・終了時刻・所要時間)
- 達成状況や進捗度
- 課題や問題点
- 明日の予定
これらを表形式で整えることで、入力がしやすくなり、後からデータを分析する際にも役立ちます。
基本的なExcel日報テンプレートの作り方
- 表のレイアウトを作成
1行目に見出し(項目名)を入力し、2行目以降を記入欄にします。 - 入力規則の設定
日付や担当者名を入力ミスしないよう、データの入力規則を設定します。たとえば担当者名をリスト化すれば、選択式で簡単に入力できます。 - 書式設定
日付は「yyyy/mm/dd」形式、時間は「hh:mm」形式に設定し、統一感を持たせます。 - 関数を活用
作業時間は=終了時刻-開始時刻
の式で自動計算。進捗率は=完了件数/予定件数
で算出します。
関数を使った日報の自動化例
Excelの日報では、関数を組み合わせることで業務報告が効率化できます。
- 合計作業時間
=SUM(F2:F10)
で指定期間の合計作業時間を自動計算。 - 平均作業時間
=AVERAGE(F2:F10)
で業務ごとの平均時間を算出。 - 条件付き書式
進捗率が50%未満の場合にセルを赤くするなど、状況がひと目でわかるように設定可能。 - VLOOKUP関数
担当者コードを入力すると、氏名や部署名が自動表示される仕組みを作れます。
複数人分の日報を集計する方法
複数の社員が日報を提出する場合、1つのブックにまとめておくと集計が簡単です。
- 各担当者のシートに同じフォーマットの日報を作成
- 集計用シートで
SUMIF
やCOUNTIF
関数を使って自動集計 - ピボットテーブルで担当者別・日別・業務別の集計を作成
ピボットテーブルを使えば、業務量の傾向や繁忙期の把握が容易になり、マネジメントにも活用できます。
グラフで視覚化して報告資料に
日報のデータは、グラフ化することでさらに活用できます。
- 作業時間の推移 → 折れ線グラフ
- 業務別作業時間割合 → 円グラフ
- 担当者別進捗状況 → 棒グラフ
会議資料や週報に転用すれば、上司やチームが状況をひと目で理解できるようになります。
Excel日報の共有方法
日報をExcelで作成したら、共有方法も重要です。
- メール添付:毎日送信する方法。小規模チームに向いています。
- 共有サーバーやクラウドストレージ:OneDriveやGoogle Driveを使えば、常に最新のファイルを共有できます。
- Excel OnlineやGoogleスプレッドシート:リアルタイムで同時編集可能。テレワークにも最適。
テンプレートを作る際の注意点
- 入力項目を増やしすぎない(手間が増えて続かない)
- 必須項目を明確にする(抜け漏れ防止)
- 見やすい配色や罫線を使う(可読性向上)
- セルの幅や高さを固定して整える
日報Excel化で業務改善が進む
Excel日報を活用することで、単なる「報告」から「業務改善」の道具に変わります。
業務時間の偏りやムダな作業を発見でき、生産性向上にもつながります。
さらに、蓄積されたデータは人員配置や業務計画の精度向上にも役立ちます。
まとめ
Excelを使った日報作成は、入力しやすく、集計・分析が容易で、業務改善にもつながる有効な方法です。
最初にしっかりテンプレートを作っておけば、毎日の業務報告がスムーズになり、情報の共有や意思決定がスピードアップします。
ぜひ、自社やチームの状況に合わせたExcel日報を作成し、業務の効率化に活用してください。