MySQLは、世界中で広く使われているリレーショナルデータベース管理システムです。業務システムやWebアプリケーションなど、あらゆる場面で活用されています。その操作には「SQLコマンド」が必要であり、基本的なコマンドを覚えておくことで、作業の効率は格段に上がります。この記事では、MySQLでよく使う基本コマンドを50個厳選し、それぞれの使い方や役割についてわかりやすく解説します。これからMySQLを学びたい初心者の方はもちろん、すでに使っている方にとっても復習や再確認の材料になるでしょう。
データベースの基本操作コマンド
1. SHOW DATABASES;
サーバー上に存在するすべてのデータベース一覧を表示します。
2. CREATE DATABASE db_name;
新しいデータベースを作成します。
3. DROP DATABASE db_name;
指定したデータベースを削除します。
4. USE db_name;
指定したデータベースを使用対象に設定します。
5. SHOW TABLES;
現在使用中のデータベースにあるテーブルの一覧を表示します。
テーブルの作成と削除
6. CREATE TABLE table_name (...);
新しいテーブルを作成します。列名とデータ型を指定します。
7. DROP TABLE table_name;
テーブルを削除します。
8. RENAME TABLE old_name TO new_name;
テーブル名を変更します。
9. TRUNCATE TABLE table_name;
テーブルの全データを削除します(構造は残る)。
10. SHOW CREATE TABLE table_name;
テーブル作成時のSQL構文を確認できます。
カラムの操作コマンド
11. ALTER TABLE table_name ADD column_name datatype;
テーブルに新しいカラムを追加します。
12. ALTER TABLE table_name DROP COLUMN column_name;
テーブルからカラムを削除します。
13. ALTER TABLE table_name MODIFY column_name datatype;
カラムのデータ型を変更します。
14. ALTER TABLE table_name CHANGE old_name new_name datatype;
カラム名を変更します。
15. DESCRIBE table_name;
テーブルの構造(カラム、型、NULL許可など)を表示します。
データの挿入・更新・削除
16. INSERT INTO table_name (col1, col2) VALUES (val1, val2);
データを挿入します。
17. INSERT INTO table_name VALUES (val1, val2, ...);
すべてのカラムに対して値を挿入します。
18. UPDATE table_name SET col1 = val1 WHERE 条件;
既存のデータを更新します。
19. DELETE FROM table_name WHERE 条件;
条件に一致するデータを削除します。
20. REPLACE INTO table_name (col1, col2) VALUES (val1, val2);
既存データがあれば更新し、なければ新規挿入します。
データの検索・抽出
21. SELECT * FROM table_name;
テーブル内のすべてのデータを取得します。
22. SELECT col1, col2 FROM table_name;
特定のカラムだけを抽出します。
23. SELECT DISTINCT col1 FROM table_name;
重複を除いたデータを取得します。
24. SELECT * FROM table_name WHERE 条件;
条件を満たすデータのみを抽出します。
25. SELECT * FROM table_name ORDER BY col1 ASC;
指定カラムで昇順ソートして表示します。
26. SELECT * FROM table_name ORDER BY col1 DESC;
指定カラムで降順ソートして表示します。
27. SELECT * FROM table_name LIMIT 10;
先頭から指定数だけ表示します。
28. SELECT * FROM table_name LIMIT 5 OFFSET 10;
指定した位置からデータを取得します。
29. SELECT COUNT(*) FROM table_name;
レコード数をカウントします。
30. SELECT AVG(col1) FROM table_name;
指定カラムの平均値を算出します。
条件・論理演算の活用
31. WHERE col1 = 'value';
指定条件に一致するレコードを絞り込みます。
32. WHERE col1 LIKE '%value%';
部分一致検索を行います。
33. WHERE col1 IN ('A', 'B', 'C');
複数の値に一致するものを抽出します。
34. WHERE col1 BETWEEN val1 AND val2;
範囲検索を行います。
35. WHERE col1 IS NULL;
NULLの値を持つレコードを取得します。
36. AND / OR
複数の条件を組み合わせる際に使用します。
37. NOT
条件を否定します。
インデックスと主キー
38. CREATE INDEX idx_name ON table_name (col1);
インデックスを作成して検索を高速化します。
39. DROP INDEX idx_name ON table_name;
インデックスを削除します。
40. ALTER TABLE table_name ADD PRIMARY KEY (col1);
主キーを追加します。
41. SHOW INDEX FROM table_name;
インデックス情報を表示します。
ユーザーと権限の管理
42. CREATE USER 'user'@'host' IDENTIFIED BY 'password';
新しいユーザーを作成します。
43. GRANT ALL PRIVILEGES ON db_name.* TO 'user'@'host';
ユーザーに権限を付与します。
44. REVOKE ALL PRIVILEGES ON db_name.* FROM 'user'@'host';
ユーザーから権限を剥奪します。
45. DROP USER 'user'@'host';
ユーザーを削除します。
46. FLUSH PRIVILEGES;
権限の変更を即時反映させます。
バックアップと復元関連
47. mysqldump -u user -p db_name > backup.sql
データベースのバックアップを取得します(コマンドライン)。
48. mysql -u user -p db_name < backup.sql
バックアップからデータベースを復元します。
サーバーやセッション情報の確認
49. SHOW VARIABLES;
サーバーの設定値を表示します。
50. SHOW STATUS;
現在のセッションやサーバーの統計情報を確認できます。
まとめ
MySQLを扱ううえで、これらの基本コマンドを習得することは非常に重要です。単に覚えるだけでなく、「どんな場面で使うか」を意識することで、実務でも即活用できます。この記事の内容を何度も読み返し、実際に手を動かして練習してみてください。基本をおさえることで、より高度なSQLの世界にもスムーズに進めるようになります。データベース操作のスキルは、IT業界において大きな武器となるでしょう。