大学でのレポート課題の中でも、「調査レポート」は特に多くの学生が苦手意識を持つテーマの一つです。何から始めていいか分からない、構成の仕方が分からない、どこまで調べれば十分なのか……と悩んでいませんか?
この記事では、調査レポートの基本的な構成から、実際の例文、評価されるポイント、そして書くときのコツまでを分かりやすく解説します。
ぜひ、この記事を参考に、読まれる・伝わるレポートを完成させてください。
調査レポートとは?目的と他のレポートとの違い
調査レポートとは、あるテーマについて資料を調べたり、アンケートやインタビューなどの調査を行い、その結果をもとに分析・考察するレポートです。
一般的な感想文や意見文と違い、客観的な情報に基づいて結論を導き出すことが求められます。したがって「私はこう思う」という主観だけでは不十分で、第三者にも納得してもらえるように情報の裏付けが必要です。
調査レポートの目的は主に以下の3つです:
- 情報収集と整理能力を身につける
- 客観的な分析力を養う
- 論理的な文章構成力を育てる
調査レポートの基本構成を理解しよう
調査レポートは、以下のような構成で書くのが一般的です。大学の指導方針によって順番が多少異なることもありますが、大きな流れは共通しています。
1. 表紙(タイトル・提出者名など)
- レポートタイトル
- 学部・学科名
- 学籍番号
- 氏名
- 提出日
※WordでA4縦、タイトルは中央揃え、他の情報は右下に揃えるのが一般的です。
2. はじめに(序論)
- テーマを選んだ背景・目的
- 調査方法(文献調査、アンケート、観察など)
- レポート全体の構成
「なぜこのテーマを調べようと思ったのか?」という問いから入ると読者の関心を引きやすくなります。
3. 本文(調査内容と考察)
- 実際に調べたデータや資料を紹介
- 表やグラフの活用
- データをもとにした分析と自分なりの考察
「事実」と「意見」を混同しないように注意しながら、根拠に基づいた考察を書くことが大切です。
4. おわりに(結論)
- 調査を通じて分かったこと
- 課題や今後の展望
- 調査の限界など
短くても構いませんが、しっかりと締めくくることで印象が良くなります。
5. 参考文献
- 書籍、論文、Webサイトなどの出典を明記(APAやMLAスタイルに沿うとベスト)
- 「著者名」「出版年」「タイトル」「出版社」などを記載
実際の調査レポートの例(大学生向け)
テーマ:大学生の睡眠習慣と学業成績の関係
はじめに
本レポートでは、大学生の睡眠時間と成績の関係に注目する。近年、スマートフォンやSNSの普及により、睡眠の質や時間が低下しているとの指摘がある。果たして、それが実際に学業にどのような影響を与えているのかを明らかにすることを目的とする。調査方法としては、文献調査とWebアンケートを併用し、合計100名の大学生からデータを収集した。
本文
アンケート結果によると、1日の平均睡眠時間が6時間未満の学生は全体の35%で、そのうちGPAが2.5未満の割合は57%にのぼった。一方で、7時間以上睡眠をとっている学生では、GPAが3.0以上の割合が64%だった。
また、過去の研究(佐藤, 2020)によれば、記憶の定着と深い睡眠には強い関係があるとされており、本調査結果とも一致する傾向が見られる。睡眠不足の原因として最も多かったのは「夜更かしでスマホを見ている」で、これは日常習慣の改善が必要であることを示唆している。
おわりに
調査の結果、睡眠時間が長い学生ほど成績が高い傾向にあることが分かった。ただし、因果関係を明確にするにはさらなる調査が必要であり、今後は脳波データなど生理的指標も含めた研究が望まれる。大学生活において、時間の使い方や健康管理の重要性が改めて認識された。
調査レポートを書くときの注意点
- 引用と剽窃の違いを理解する:他人の文章やデータを使うときは、必ず出典を明記しましょう。
- 主観的表現は控えめに:「私は〜思う」は根拠の後に補足的に述べるようにすると良い印象です。
- データは正確に引用する:自分の解釈を交える際は、事実と分けて明記しましょう。
評価されるレポートの特徴とは?
大学の教員が調査レポートで重視するポイントは以下の通りです。
- 目的が明確であること
- 論理的な構成になっていること
- 資料の出典がきちんと記されていること
- 図表やデータが根拠として有効に使われていること
- 独自の考察があること
「とりあえずまとめた」だけのレポートではなく、自分なりの問いと発見があるレポートが高評価につながります。
まとめ:型を覚えて、練習あるのみ!
調査レポートは慣れればスムーズに書けるようになります。大事なのは、構成という「型」を守ること、そして「事実」と「意見」を区別することです。今回紹介した例文やポイントを参考に、自信を持って取り組んでみてください。
あなたのレポートが読み手に伝わり、評価される一助となれば幸いです。