Salesforceで業務自動化!ワークフロールールとプロセスビルダーの違いと使い方を徹底解説

Salesforceは世界中の企業で活用されているCRM(顧客関係管理)システムです。
このSalesforceには、日常業務を効率化・自動化するための強力なツールとして「ワークフロールール」と「プロセスビルダー」が用意されています。

見積書の承認、タスクの割り当て、メール通知の送信など、本来手作業で行っていたことを自動で処理できるようになると、ミスの削減やスピードアップが期待できます。

この記事では、ワークフロールールとプロセスビルダーそれぞれの機能や特徴、設定手順、使い分けのポイントまでをわかりやすく解説します。Salesforce初心者の方でもすぐに業務に取り入れられるようになるはずです。


ワークフロールールとは?

ワークフロールール(Workflow Rule)は、Salesforce内のレコードに特定の条件が満たされたときに、定義された自動処理を実行するための仕組みです。

主な機能

  • 項目の自動更新
  • タスクの自動作成
  • メールアラートの送信
  • 外部システムへのアウトバウンドメッセージ送信

使用例

たとえば「商談が成立したら担当営業にお礼メールを自動送信」や「リードが一定の条件を満たしたら営業マネージャーに通知」といった使い方が可能です。

ワークフロールールの特徴

  • 設定がシンプルで初心者向け
  • 実行できるアクションが限られている(条件分岐やレコード作成は不可)
  • 一つのルールに複数のアクションを設定できる

プロセスビルダーとは?

プロセスビルダー(Process Builder)は、ワークフロールールよりも複雑で柔軟な条件分岐や処理が行える自動化ツールです。Salesforceの画面上でビジュアルにフローを作成することができ、直感的に設定できます。

主な機能

  • レコードの自動作成・更新・削除
  • 関連オブジェクトの処理
  • 条件分岐と複数パスの定義
  • 承認プロセスの開始
  • Apexコードの呼び出し(より高度な処理)

使用例

「顧客のステータスが“解約”になったら、アカウントマネージャーに引き継ぎ通知を送り、退会処理タスクを作成する」など、業務フロー全体を自動化できます。

プロセスビルダーの特徴

  • ワークフロールールよりも高度な処理が可能
  • 視覚的にフローを確認できる
  • 処理を条件によって分岐できる
  • 過剰な設定をするとパフォーマンスが低下する場合あり

ワークフロールールの設定方法

ステップ1:設定メニューからアクセス

Salesforceの画面右上の「設定」から「ワークフロールール」と検索してアクセスします。

ステップ2:新規ルールの作成

対象オブジェクト(例:商談、リードなど)を選び、「新規ルール」をクリックします。

ステップ3:条件を設定

「条件式に一致する場合のみ実行」を選び、必要な条件を入力します。

ステップ4:アクションを設定

アクションの種類を選び(例:メールアラート)、詳細を入力します。

ステップ5:ルールを有効化

保存後、「ルールを有効化」することで自動化が開始されます。


プロセスビルダーの設定方法

ステップ1:プロセスビルダーへアクセス

設定画面で「プロセスビルダー」と検索してアクセスします。

ステップ2:新規プロセスの作成

プロセスに名前をつけ、どのオブジェクトに対する処理かを選びます。

ステップ3:条件とアクションの設定

処理を開始する条件を設定し、それに応じて実行するアクションを追加します。複雑な条件分岐もここで定義できます。

ステップ4:有効化

すべての設定が完了したら、プロセスを有効化して運用を開始します。


ワークフロールールとプロセスビルダーの使い分け

項目ワークフロールールプロセスビルダー
設定の簡単さ◎(簡単)△(やや複雑)
条件分岐×(不可)◎(可能)
レコード作成×(不可)◎(可能)
処理の可視化×◎(ビジュアル表示)
将来の利用推奨度△(廃止予定)△(将来的にフローへ移行)

現在、Salesforceは「フロー(Flow)」への移行を推奨していますが、既存環境で運用しているワークフロールールやプロセスビルダーは多く、段階的な移行が必要です。


よくあるトラブルとその対策

アクションが実行されない

→ 条件式が正しくない場合があります。フィールド値の確認や数式の検証をしましょう。

プロセスが重複して実行される

→ 同じレコード更新で複数のプロセスが動くと二重実行が起きます。「条件一致のときのみ実行」を明示しましょう。

テスト時はサンドボックス環境で

→ 本番環境でのテストは慎重に。まずはサンドボックスで確認しましょう。


今後の方向性:Flowへの移行

Salesforceは、ワークフロールールとプロセスビルダーの両方を今後非推奨とし、すべての自動化を「フロー(Flow)」に一本化する方針を示しています。

したがって、これから新しく自動化を検討する場合は「Flow」の利用を優先し、既存のルールやビルダーも順次移行していくことが推奨されます。


まとめ

Salesforceで業務を自動化することで、人的ミスの削減、業務効率の向上、顧客対応のスピードアップが実現できます。

ワークフロールールはシンプルな処理に、プロセスビルダーは柔軟で複雑な処理に適していますが、将来的には「Flow」への移行を前提に設計するのがベストです。

まずは身近な業務から小さく自動化を始めて、Salesforceの自動化パワーを最大限活用していきましょう!

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