初心者でもわかる！VBAの「For文」の基本と応用を徹底解説

VBA（Visual Basic for Applications）は、ExcelなどのMicrosoft製品で自動処理を実現するための便利なツールです。中でも「For文」は、繰り返し処理を行うために欠かせない基本構文のひとつです。この記事では、VBA初心者にもわかりやすく「For文」の使い方や書き方を解説し、実際の例を交えて応用的な使い方まで丁寧にご紹介します。これからVBAを学ぶ方、基礎を復習したい方にもおすすめの内容です。

VBAにおける「For文」とは？
For…Next文の基本構文と使い方
1. 基本構文
2. 実行例：セルに1から10を入力
Step句を使って増減値を変更する
1. 2ずつ増やす例
2. 減らしていく例
ループの中で処理を分岐させる（If文との併用）
1. 偶数だけを処理する例
For Each…Next文の基本と使い方
1. 基本構文
For文を途中で終了させる「Exit For」
1. 使用例
For文を使う際の注意点
実践！For文を使ったサンプルマクロ
1. 1列の空白セルを塗りつぶす
まとめ

VBAにおける「For文」とは？

VBAにおける「For文」は、ある処理を繰り返し実行するための制御構文です。繰り返しの回数を自分で指定する「For…Next文」と、条件を満たす限り繰り返す「For Each…Next文」の2種類が存在します。

まずは、最も基本的な「For…Next文」について見ていきましょう。

For…Next文の基本構文と使い方

基本構文

Dim i As Integer
For i = 1 To 10
    ' 繰り返したい処理
Next i

このコードは、「i」が1から10までの値をとりながら、ループ内の処理を繰り返します。10回処理が実行されることになります。

実行例：セルに1から10を入力

Sub LoopTest()
    Dim i As Integer
    For i = 1 To 10
        Cells(i, 1).Value = i
    Next i
End Sub

このマクロを実行すると、A列の1行目から10行目までに、1から10の数値が入力されます。

Step句を使って増減値を変更する

通常、「For i = 1 To 10」と書くと、iの値は1ずつ増加します。ですが、「Step」を使うことで、増加値を変更することができます。

2ずつ増やす例

Sub StepUp()
    Dim i As Integer
    For i = 1 To 10 Step 2
        Debug.Print i
    Next i
End Sub

この場合、iの値は「1, 3, 5, 7, 9」と出力されます。

減らしていく例

Sub StepDown()
    Dim i As Integer
    For i = 10 To 1 Step -1
        Debug.Print i
    Next i
End Sub

このコードは、iの値を10から1まで1ずつ減らして出力します。

ループの中で処理を分岐させる（If文との併用）

For文は、If文と組み合わせることで、より複雑な処理を実現できます。

偶数だけを処理する例

Sub EvenNumbers()
    Dim i As Integer
    For i = 1 To 10
        If i Mod 2 = 0 Then
            Debug.Print i & "は偶数です"
        End If
    Next i
End Sub

この例では、1から10までの数のうち、偶数だけを抽出して処理しています。

For Each…Next文の基本と使い方

「For Each…Next文」は、コレクションや配列などの要素を順番に処理するのに便利です。

基本構文

Dim セル As Range
For Each セル In Range("A1:A10")
    セル.Value = "OK"
Next セル

このマクロは、A1からA10の各セルに「OK」と入力します。

For文を途中で終了させる「Exit For」

ループ中に特定の条件を満たした場合、ループを途中で終了したいことがあります。その場合は「Exit For」を使います。

使用例

Sub ExitExample()
    Dim i As Integer
    For i = 1 To 10
        If i = 5 Then
            Exit For
        End If
        Debug.Print i
    Next i
End Sub

このコードは、iが5になった時点でループを抜けるので、出力は「1, 2, 3, 4」で止まります。

For文を使う際の注意点

無限ループに注意
For文はToの終点まで到達しないと終了しません。Stepの指定が不適切だとループが永遠に続く可能性があります。
ループの中で変数を書き換えない
ループ制御用の変数（例：i）をループの中で意図的に変更すると、予測できない動作になることがあります。
効率を意識する
何千件、何万件と処理する場合、ループの中で重い処理（たとえばファイル操作など）を行うと、パフォーマンスが著しく低下することがあります。

実践！For文を使ったサンプルマクロ

1列の空白セルを塗りつぶす

Sub FillBlanks()
    Dim i As Integer
    For i = 1 To 20
        If IsEmpty(Cells(i, 1)) Then
            Cells(i, 1).Interior.Color = RGB(255, 255, 0) ' 黄色
        End If
    Next i
End Sub

このマクロは、A列の1〜20行目の中で空白のセルを黄色に塗りつぶします。