Power BIを使いこなすために欠かせないのが「クエリ」の理解です。
クエリとは、データを読み込み、整形し、分析に使える形へ変換するための処理のこと。Power BIでは「Power Queryエディター」を使って、コードを書かなくてもデータを自由自在に整えることができます。
しかし、クエリの仕組みや編集方法がわかっていないと、「意図しないデータになる」「更新時にエラーが出る」「複雑な表に対応できない」といった問題が発生することもあります。
この記事では、Power BIのクエリについて、初心者でも理解しやすいように基礎から応用まで詳しく解説します。実際の業務で役立つ機能や、効率的なデータ整形のコツ、知っておくと便利なM言語も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
Power BIにおける「クエリ」とは、外部データを読み取り、必要な形に加工するための一連の処理を指します。
クエリはPower BI Desktopの「Power Queryエディター」で実行され、ExcelのPower Queryと同じ仕組みで動いています。
クエリは、次のようなデータ変換を行うために使われます。
これらを、GUI操作だけで順番に実行でき、クエリの設定内容は画面右側の「適用したステップ」に記録されます。
Power BIはビジュアル分析ツールですが、分析を成功させるには「データの品質」が欠かせません。
クエリはまさに「データ整形」「品質向上」を担う重要ステップであり、クエリの理解はPower BI習得のカギとなります。
まずは、Power BIでクエリ編集を行うための画面「Power Queryエディター」の特徴と基本操作について説明します。
Power BI Desktopのホームタブ →「データの変換」をクリックすると開くことができます。
Power Queryは「ステップごとに変換内容を積み重ねていく」方式で動作します。
例:
という処理がステップとして順番に記録され、更新時に同じ手順が自動実行されます。
ここでは、Power Queryでよく使う基本操作をまとめて紹介します。日常業務でも頻繁に登場する機能ばかりです。
データには不要な列や欠損行が含まれていることがよくあります。
右クリック →「削除」で簡単に除去できます。
Power BIはデータ型によって扱い方が変わるため、適切な型に変換することが重要です。
型が合っていないと、グラフ化や並び替えでエラーが発生します。
列の右上にあるフィルターボタンから簡単に絞り込みが可能。
例:
レポートでわかりやすい名前にしておくと後々便利です。
昇順・降順を選ぶだけで並べ替えできます。
これらはクエリ編集の基本ですが、データ整形の土台として非常に重要な操作です。
基本操作に慣れてきたら、次の応用操作を使うことで効率が大きく向上します。
「姓と名が同じ列に入っている」
「日付と時刻が1つの列」
といったケースに便利です。
例:
「2024/04/01 12:00」
→ 「日付」「時間」に分割
別テーブルと結合したいときに使います。
ExcelのVLOOKUPに近い機能です。
結合方法には次の種類があります。
キー列を選ぶだけで簡単にテーブルを統合できます。
Excelでいう「表を縦に並べる」操作です。
月ごとにファイルが分かれている場合などに便利。
IF文のような条件分岐で新しい列を作れます。
例:
売上が10万円以上 → 「優良顧客」
10万円未満 → 「一般」
カテゴリごとに
などを集計できます。
縦持ち ↔ 横持ちの変換に使います。
アンケート集計や人事データの整形に大変便利です。
Power Queryでは、裏側で「M言語」というコードが動いています。
GUI操作だけで多くの作業ができますが、M言語を理解すると次のことが可能になります。
列の削除ステップは次のように記録されます。
= Table.RemoveColumns(PreviousStep,{"列名1","列名2"})
データ型の設定は次のようになります。
= Table.TransformColumnTypes(PreviousStep,{{"日付列", type date}})
これらは自動生成されるため、基本的には覚える必要はありませんが、理解しておくとトラブル時の対応が非常に早くなります。
ここでは、Power BIでよく使われる「効率化テクニック」を紹介します。
デフォルトでは「変更された型」など抽象的な名前が付くため、後から見返すとわかりづらいことがあります。
例:
ステップが多すぎると処理が重くなります。
一度に同じ列操作をやる場合はまとめた方が効率的です。
ファイル名やフォルダ名をハードコードすると更新で失敗しやすいです。
フォルダ読み込み機能や相対パスの利用が推奨。
同じ元データを基に複数の加工テーブルを作る場合、クエリの「参照」を利用することで管理が楽になります。
計算列を多用しすぎるとモデルが重くなります。
必要なものだけを作るのがポイント。
Power BIを企業で活用する場合、次のようなケースでクエリが役立ちます。
月次業務がワンクリックで完了します。
販売管理・勤怠・基幹システムのデータをクエリでマージし、一元化できます。
クエリによって、レポートの正確性が大きく向上します。
Power BIのクエリは、データ分析の土台を作る非常に重要な機能です。
クエリ編集の基本操作から応用、M言語の仕組み、効率化のコツまで理解しておくことで、レポート作成のスピードと品質が大きく向上します。