Flat lay of business concept
Excelは、ただの表計算ソフトではありません。データを視覚的に理解するためのグラフ機能も非常に充実しており、その中でも「散布図」は、2つの変数の関係性や傾向、相関関係を把握するのにとても便利なツールです。この記事では、Excelで散布図を作成する基本的な方法から、分析に役立つ応用的な使い方まで、初心者でもわかりやすく解説します。これを読めば、ビジネスや学術、プレゼンなどで説得力のあるデータ分析ができるようになります。
Excelの散布図は、2つの数値データの関係を視覚化するグラフです。縦軸と横軸に数値を設定し、それぞれの点をプロットすることで、相関関係や分布の傾向を直感的に把握できます。
散布図は以下のような場面で活用されます。
「線グラフ」や「棒グラフ」とは異なり、数値同士の関係性を見るのが目的です。
まずは、散布図に使用する2列の数値データを用意します。例えば以下のような表です。
広告費(万円) | 売上(万円) |
---|---|
10 | 120 |
20 | 150 |
30 | 180 |
40 | 210 |
横軸(X軸)に「広告費」、縦軸(Y軸)に「売上」を設定する形になります。
作成した表の範囲(見出しを含む)をドラッグして選択します。
これで、基本的な散布図が完成します。
Excelではいくつかの散布図スタイルが選べます。用途に応じて使い分けましょう。
基本的には「マーカーのみ」の散布図が汎用性が高く、初心者にもおすすめです。
散布図は「相関関係の有無」を判断するのに非常に便利です。
「データが右上がりに並んでいるな」と感じたら、広告費と売上に正の相関があると判断できます。
散布図に「回帰直線(近似曲線)」を追加することで、より説得力のあるグラフになります。
この数式は、「y = ax + b」の形で表され、aが傾き、bが切片を示します。R²値が1に近いほど、データの相関が強いことを示しています。
例えば「2024年のデータ」と「2025年のデータ」を同じグラフで比較したい場合は、次のようにデータを並べます。
広告費 | 売上2024 | 売上2025 |
---|---|---|
10 | 100 | 110 |
20 | 130 | 140 |
30 | 160 | 170 |
グラフ作成時に「広告費+売上2024+売上2025」の列をすべて選び、散布図を作成。データ系列が2つ表示され、色分けされます。
グラフの完成度を高めるために、以下の設定もおすすめです。
視覚的にわかりやすくなり、プレゼンや資料作成でも好印象です。
散布図は便利ですが、いくつか注意点もあります。
信頼できるデータを集めてから使うことがポイントです。
散布図の考え方は、統計学やビジネス分析にも応用されます。
Excelで練習しておくと、他のBIツールや統計ソフトにも応用できます。
Excelの散布図は、一見すると地味なグラフかもしれませんが、「データの関係性」を可視化するうえで非常に重要な役割を果たします。正しく使えば、数字だけでは見えなかった相関や傾向がひと目で分かり、意思決定にも大きな力を与えてくれます。
ぜひこの記事を参考に、あなたのExcelスキルに散布図という武器を加えてください。