顧問依頼メールの正しい書き方と文例集|依頼の流れとマナー解説

企業や団体が成長していく過程で、専門的な知識や経験を持つ外部の専門家に「顧問」を依頼する場面は少なくありません。法律顧問、税務顧問、経営顧問など、顧問の形はさまざまですが、いずれの場合も最初の依頼文の書き方が、その後の信頼関係に大きな影響を与えます。
本記事では、顧問依頼の基本的なマナーや流れを解説したうえで、実際に使える依頼文例をいくつか紹介します。ビジネスメールや書面として利用できるよう、丁寧かつ分かりやすい表現を中心にまとめています。これから顧問依頼を検討されている方の参考になれば幸いです。


顧問依頼とは何か?基本的な意味と目的

顧問とは、企業や団体が外部の専門家を迎え入れ、必要に応じて助言や支援を受ける契約形態です。
例えば、法律顧問は契約書のチェックやトラブル回避の相談を担当し、税務顧問は会計処理や税務申告のアドバイスを行います。経営顧問であれば、会社の方向性や人材育成、営業戦略について助言をすることが一般的です。

顧問依頼の目的は、内部だけでは解決が難しい問題を専門家の知見でサポートしてもらうことにあります。依頼の際は、 依頼の背景・期待する役割・契約条件 を明確に伝えることが大切です。


顧問依頼を行う際の基本的なマナー

顧問依頼を行う際には、単に「お願いしたい」と伝えるだけでは不十分です。相手にとっても重要な決断となるため、以下の点を押さえて依頼文を作成しましょう。

  1. 依頼の背景を明確に伝える
    なぜ顧問を必要としているのかを具体的に説明することで、相手も安心して判断できます。
  2. 相手の実績や専門性を評価する
    「ぜひ先生のお力を借りたい」といった言葉を添えると誠意が伝わります。
  3. 契約内容や条件の概要を記載する
    顧問料の有無、契約期間、想定する役割などを簡潔に伝えることが望ましいです。
  4. 依頼の姿勢を丁寧に表現する
    「ご検討いただけますと幸いです」「ご高配賜りますようお願い申し上げます」といった敬語を用いましょう。

顧問依頼文例①:法律顧問をお願いする場合

○○法律事務所
弁護士 ○○ ○○ 先生

平素より大変お世話になっております。株式会社△△の□□と申します。

弊社では今後の事業拡大に伴い、契約書の精査や法的リスクへの対応を強化していく必要性を感じております。
つきましては、長年にわたり豊富なご経験を積まれている○○先生に、弊社の法律顧問をお願いできればと考えております。

契約内容や顧問料につきましては、先生のご都合に合わせて詳細をご相談させていただければ幸いです。

まずはご検討いただけますようお願い申し上げます。

このように、依頼の背景と期待する役割を簡潔にまとめることが大切です。


顧問依頼文例②:税務顧問をお願いする場合

○○税理士事務所
税理士 ○○ ○○ 先生

平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。株式会社△△の□□でございます。

弊社では、今後の事業拡大に伴い、会計処理や税務申告をより適正に行う必要性が高まっております。
特に資金繰りや節税対策について専門的なご助言をいただきたく、税務顧問としてご支援いただければと存じます。

ご多忙のところ恐れ入りますが、一度お打ち合わせの機会をいただけますと幸いです。

税務顧問の依頼では「経理体制の強化」「節税対策」がキーワードになります。


顧問依頼文例③:経営顧問をお願いする場合

○○コンサルティング株式会社
代表取締役 ○○ ○○ 様

いつもお世話になっております。株式会社△△の□□でございます。

弊社では新規事業の立ち上げを進めておりますが、経営戦略や人材育成に関して経験豊富な方からのご助言が必要と感じております。
そこで、豊富な実績をお持ちの○○様に経営顧問をお願いしたく、こうしてご連絡差し上げました。

契約条件につきましては柔軟にご相談させていただければと存じます。ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。

経営顧問の場合は、事業戦略や組織強化といった点を中心に依頼するのが効果的です。


顧問依頼文例④:社労士顧問をお願いする場合

○○社会保険労務士事務所
社会保険労務士 ○○ ○○ 先生

平素より格別のお引き立てをいただき、誠にありがとうございます。株式会社△△の□□と申します。

弊社では人事労務管理の重要性が増しており、就業規則の整備や労務トラブルの予防について専門的なご指導をいただきたいと考えております。
つきましては、○○先生に弊社の社会保険労務士顧問をお願いできれば幸いです。

ぜひ一度お打ち合わせの機会を頂戴できればと存じます。何卒よろしくお願い申し上げます。

人事や労務に関する依頼では「予防的な対応」を強調すると相手に伝わりやすいです。


顧問依頼文例⑤:メール依頼の簡易版

電話や面談の前に、メールで簡潔に依頼を伝える場合もあります。

件名:顧問依頼のご相談

○○先生

お世話になっております。株式会社△△の□□でございます。
弊社では○○に関する課題を抱えており、先生のご専門の知見をぜひお借りしたく存じます。
一度、顧問契約についてご相談の機会を頂戴できますでしょうか。

ご多用のところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

この場合はシンプルに「まずは相談したい」というニュアンスで送るのがよいでしょう。


顧問依頼文のポイントまとめ

  1. 依頼理由を明確に伝えること。
  2. 相手の専門性を尊重し、お願いする姿勢を示すこと。
  3. 契約条件については詳細に書きすぎず、まずは相談の場を設けること。
  4. 丁寧な敬語表現を心がけること。

まとめ

顧問依頼は、企業や団体にとって重要なパートナーシップの始まりです。その第一歩となる依頼文には、誠意と明確さが求められます。今回紹介した文例を参考にしながら、自社の状況に合わせて調整することで、相手に安心感と信頼感を与えることができます。
専門家との良好な関係を築くためにも、依頼の際は細やかな配慮を忘れずに進めていきましょう。

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