寄贈依頼の正しい書き方と文例集|相手に伝わる依頼文のコツ

学校や地域の活動、福祉団体やNPO法人などが活動を続けていくためには、多くの場合で地域の方々や企業からの寄贈や支援が必要となります。
その際に大切になるのが「寄贈依頼文」です。依頼の文章は、お願いの気持ちを伝えると同時に、活動の目的や背景を正しく説明しなければなりません。
しかし「どのようにお願いすれば失礼にならないか」「具体的にどんな言葉で依頼すればよいか」と悩む方も多いのではないでしょうか。

本記事では、寄贈依頼の基本的な考え方から、実際に使える文例までを詳しく解説します。学校や地域、法人、ボランティア活動など、さまざまな場面で役立つ内容を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。


寄贈依頼文の基本的な考え方

寄贈依頼は、単なる「お願い」ではなく「活動への共感をお願いする」ものです。相手に納得していただき、気持ちよく支援してもらうためには以下の3点が大切です。

  1. 目的を明確に伝える
    何のために寄贈をお願いしているのか、どのように活用されるのかを具体的に示す必要があります。
  2. 相手の立場に配慮する
    「いただいて当たり前」という姿勢ではなく、あくまで相手のご厚意に頼るという気持ちを持ち、丁寧な言葉遣いで依頼しましょう。
  3. 感謝を先に伝える
    依頼文には、すでにご協力いただいたことがある場合はそのお礼を、初めての場合は検討していただけることへの感謝を忘れずに盛り込みます。

寄贈依頼文に盛り込むべき内容

寄贈依頼文を作成する際は、次のような要素を含めると効果的です。

  • 宛名・冒頭の挨拶
    時候の挨拶や相手への敬意を込めた表現を入れます。
  • 依頼の目的や背景
    どのような活動のために必要なのかを簡潔に説明します。
  • お願いの具体的な内容
    現金なのか物品なのか、数量や条件を明確にします。
  • 寄贈後の使い道や報告方法
    どのように活用するか、報告書や写真などでお知らせする旨を記載すると信頼感につながります。
  • 結びの言葉と感謝
    「ご検討いただければ幸いです」「心よりお願い申し上げます」といった言葉で結びます。

寄贈依頼文例(学校向け)

以下は学校が地域の企業に図書や備品の寄贈をお願いする場合の文例です。

拝啓 盛夏の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
さて、○○小学校では児童の読書活動をより充実させるため、図書室の蔵書拡充を進めております。
しかしながら、限られた予算の中では十分な購入が難しく、児童の学習環境に十分応えることができていないのが現状です。
つきましては、誠に恐縮ではございますが、貴社におかれまして図書のご寄贈をご検討いただければ幸いに存じます。
ご協力いただいた場合は、図書室に寄贈者名を明記し、児童や保護者にも広くご紹介させていただきます。
ご多忙の折、誠に恐れ入りますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
敬具


寄贈依頼文例(地域活動向け)

地域の祭りやイベントで備品をお願いする場合の例です。

拝啓 新緑の候、地域の皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、私たち○○町内会では、毎年恒例の夏祭りを開催しております。地域の交流を深めるこの催しは、多くの子どもたちや高齢者にとって楽しみとなっております。
つきましては、会場運営に必要なテントや机・椅子等の備品をご寄贈いただけないかと存じます。
いただいた備品は今後の行事にも大切に活用させていただき、感謝の意を込めて町内会報などでご紹介させていただきます。
何卒ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。
敬具


寄贈依頼文例(NPO・福祉団体向け)

福祉団体が企業に寄贈をお願いする場合の例です。

拝啓 立春の候、貴社ますますのご発展をお喜び申し上げます。
私ども○○NPO法人は、高齢者や障がいを持つ方々への生活支援活動を行っております。
現在、活動の一環として使用する車椅子や介護用品が不足しており、利用者の安全な生活を守るために寄贈のお願いをさせていただく次第です。
ご寄贈いただいた物品は、必ず責任を持って管理・活用し、定期的にご報告させていただきます。
ご多用中、誠に恐縮に存じますが、ご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
敬具


寄贈依頼文例(企業間)

企業同士で寄贈や協賛を依頼する場合の文例です。

拝啓 時下ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
さて、弊社ではCSR活動の一環として、地域の青少年育成事業に取り組んでおります。
その活動をより広げるため、備品や教材のご寄贈を賜りたくお願い申し上げます。
ご協力いただけました際には、弊社ウェブサイトや広報誌にてご紹介させていただき、社会的貢献活動の一環として広く周知させていただく予定です。
ぜひご検討くださいますようお願い申し上げます。
敬具


文例を活用する際の注意点

文例をそのまま使うのではなく、以下の点を意識してアレンジすると効果的です。

  • 相手の名前や団体名を必ず明記する。
  • 活動の目的を具体的にする。
  • 金額や数量などを明確にする。
  • いただいた後の対応(報告・公表・感謝の方法)を伝える。
  • あくまでも「お願い」である姿勢を崩さない。

まとめ

寄贈依頼文は、単に「ください」とお願いするものではなく、活動への理解と共感を呼びかけるための大切な文書です。
目的を明確にし、相手に誠意を持って伝えることで、協力を得やすくなります。

本記事で紹介した文例は、学校、地域活動、NPO、企業間など幅広い場面で応用できます。依頼する立場にある方は、ぜひ自分の活動内容に合わせて言葉を調整し、真心を込めた依頼文を作成してみてください。

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