MicrosoftのPower Automateは、日々の業務を自動化するための非常に強力なツールです。中でも「繰り返し(ループ)」のアクションは、同じ作業を複数回実行したい場面で欠かせません。例えば、Excelの行ごとの処理、フォルダ内のファイルに対する操作、あるいはAPIからの複数データの取得など、繰り返し処理を活用することで業務を大幅に効率化できます。
本記事では、Power Automateにおける繰り返し処理の基本から応用的な活用法まで、実例を交えて詳しく解説します。初心者の方でも理解しやすいよう丁寧に解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
Power Automateの「繰り返し処理」は、あるアクションを複数回実行するための仕組みです。いわゆる「ループ」と呼ばれるもので、以下のような場面で活用されます。
繰り返し処理の代表的なアクションには、次の3つがあります。
それぞれの特徴と使い方を次のセクションで解説していきます。
「Apply to each」は、リストや配列など複数のデータを1件ずつ処理するためのアクションです。もっとも一般的に使用される繰り返し処理のひとつです。
たとえばExcel Onlineの「表内の行を一覧表示」アクションで得たデータは配列になっており、それを「Apply to each」で1行ずつ処理する形になります。
「Do until」は、ある条件が「真(true)」になるまで処理を繰り返すループです。
count
が10になったら終了)Do until → 変数 count が 10 以上
- HTTPでデータ取得
- 条件に合わなければ Delay(5分)
- count = count + 1
このように、外部の処理を待つようなケースに非常に便利です。
ここでは、実際にExcelに登録されたデータの各行を読み取り、それぞれに対して個別のメールを送るフローを構築する例を紹介します。
これで、一括で各人にパーソナライズされたメールを自動送信できます。
Power Automateで繰り返し処理を行う際、以下のようなエラーが発生することがあります。
対策:動的コンテンツが配列でなく単一オブジェクトになっているか確認。必要に応じて first()
や items()
を使って明示的に指定する。
対策:終了条件のロジックを慎重に設定。ループ回数上限
や 遅延時間
を必ず設定しておく。
対策:「Apply to each」の設定で「並列処理の制御」をオンにすることで高速化が可能。
Power Automateでの「繰り返し処理」は、業務の自動化をより強力にするための不可欠な要素です。特に、「Apply to each」や「Do until」は多くの業務で活用できます。繰り返し処理の使い方を理解することで、ExcelやSharePoint、API連携などあらゆるフローに応用が可能です。
初めは慣れが必要ですが、繰り返し処理を習得すれば、より柔軟で高機能なフローが作れるようになります。小さな処理から少しずつ試して、ぜひ業務効率化に役立ててください。