Excelで複数のシートを扱っていると、「このシートを開いた瞬間に表示したい」「特定のシートに自動的に切り替えたい」といった場面がよくあります。
そんなときに便利なのが、VBA（Visual Basic for Applications）を使ってシートをアクティブにする方法です。
この記事では、VBAの基本的な構文から、実用的な応用例までをわかりやすく解説します。
初心者でもコピー＆ペーストでそのまま使えるコード付きで紹介しますので、Excel操作をもっと便利にしたい方はぜひ参考にしてください。
VBAで特定のシートをアクティブにするには、以下のようなシンプルなコードを使用します。
Sheets("Sheet1").Activate
これは、「Sheet1」という名前のシートをアクティブ（表示状態）にする命令です。
もしシート名が異なる場合は、対象のシート名に書き換えて使います。
また、インデックス番号を使うこともできます。
Sheets(1).Activate
このようにすると、ブック内の1番目のシートがアクティブになります。
インデックスは1から始まるので、2番目のシートならSheets(2).Activateと記述します。
Excel VBAには、SheetsとWorksheetsの2つのオブジェクトがあります。
Sheetsは、ワークシート以外にもグラフシートなども含まれます。Worksheetsは、ワークシートのみを対象にします。そのため、通常のワークシートのみを操作したい場合は、以下のように書くと安全です。
Worksheets("Sheet1").Activate
どちらでも機能しますが、明確に使い分けることがコードの可読性を高めるポイントです。
似たような命令にSelectがあります。
Sheets("Sheet1").Select
これは、基本的にはActivateと同じように見えますが、厳密には次の違いがあります。
Activate：シートをアクティブにする（画面上でそのシートに切り替える）Select：シートを選択する（Activateも含まれるが、セル選択などに連動）結論としては、**「画面をそのシートに切り替えたい」だけならActivate、
セルや範囲選択も行いたい場合はSelect**という使い分けが推奨されます。
アクティブにしたシート上で、特定のセルを選択したい場合は、以下のように記述します。
Worksheets("Sheet1").Activate
Range("A1").Select
もしくは、1行で書くことも可能です。
vbaコピーする編集するWorksheets("Sheet1").Range("A1").Select
ただし、この方法は対象のシートがすでにアクティブでないとエラーになる場合があるので注意しましょう。
安全な書き方としては、アクティブ化→セル選択の順に明示的に書くのがおすすめです。
ループ処理を使って、ブック内のすべてのシートを順番にアクティブにするコードも紹介します。
Sub ActivateAllSheets()
Dim ws As Worksheet
For Each ws In Worksheets
ws.Activate
MsgBox "現在のシートは：" & ws.Name
Next ws
End Sub
このコードでは、1つずつシートをアクティブにし、その都度メッセージボックスでシート名を表示します。
処理の流れを確認するのに便利なコードです。
存在しないシートを指定してActivateすると、エラーになります。
そのため、以下のように事前にシートの存在を確認してから処理を行うと安全です。
Sub SafeActivate()
Dim wsName As String
Dim ws As Worksheet
Dim found As Boolean
wsName = "Sheet2"
found = False
For Each ws In Worksheets
If ws.Name = wsName Then
ws.Activate
found = True
Exit For
End If
Next ws
If Not found Then
MsgBox "指定したシートは存在しません。"
End If
End Sub
別のブックのシートをアクティブにするには、まずブックを開いて、その後にシートを指定します。
Workbooks.Open "C:\Users\YourName\Desktop\Sample.xlsx"
Workbooks("Sample.xlsx").Sheets("Sheet1").Activate
ここで注意するのは、ファイルパスとブック名が正しいこと。
ファイルが見つからないとエラーになりますので、事前にファイルの存在確認も行いましょう。
シート上に設置したボタンをクリックすると、特定のシートに移動するマクロは以下のように記述します。
Sub GoToSheet3()
Sheets("Sheet3").Activate
End Sub
これを「挿入」→「フォームコントロール」→「ボタン」でボタンに割り当てれば、
誰でも簡単に特定のシートにジャンプできる便利機能になります。
VBAでシートをアクティブにする方法は非常にシンプルですが、
安全に使うには「存在チェック」や「用途に応じたActivateとSelectの使い分け」などのポイントがあります。
今回紹介した内容を参考に、業務効率化や操作性向上に役立ててみてください。
マクロボタンと組み合わせることで、誰でも扱いやすいExcelブックが実現できます。