Excel VBAを使っていると、「セルの色を変えたい」「特定の色を条件で判別したい」といったニーズが出てきます。そんなときに便利なのが「ColorIndex」プロパティです。ColorIndexはExcelで使える色をインデックス番号で指定できるため、視覚的にわかりやすく、コードの読み書きがスムーズになります。本記事では、VBA初心者にもわかりやすく、ColorIndexの基本から応用、具体的なコード例まで丁寧に解説します。
ColorIndexは、Excelのカラーパレットに登録されている色に対して、インデックス番号（1〜56など）でアクセスできる仕組みです。通常のRGB形式と違い、数値ひとつで簡単に色を指定できるため、VBAではよく利用されます。
Range("A1").Interior.ColorIndex = 3 ' 赤色に設定
このコードでは、セルA1の背景色をColorIndexで「3（赤）」に設定しています。
VBAには「Color」プロパティもあり、RGB値で色を指定できます。たとえば、赤は RGB(255, 0, 0) です。ColorIndexはこれに対し、インデックス番号を用いるという違いがあります。
| プロパティ | 指定方法 | 柔軟性 | 色の数 |
|---|---|---|---|
| ColorIndex | 数値（1〜56） | △ | 限定的（パレット色） |
| Color | RGB関数 | ○ | 1670万色以上 |
用途によって使い分けるのがポイントです。
以下は、ColorIndexで使える代表的な色の一覧です。環境によって多少異なることがありますが、おおむね共通です。
| ColorIndex | 色の名前 | 色のイメージ |
|---|---|---|
| 1 | 黒 | ●黒 |
| 2 | 白 | ○白 |
| 3 | 赤 | ●赤 |
| 4 | 緑 | ●緑 |
| 5 | 青 | ●青 |
| 6 | 黄 | ●黄色 |
| 7 | ピンク | ●ピンク |
| 15 | 灰色 | ●グレー |
| -4142 | なし（塗りつぶし無し） | – |
補足：ColorIndex = -4142 を使うと、背景色を「塗りつぶしなし」に設定できます。
Sub 背景色を赤にする()
Range("B2").Interior.ColorIndex = 3
End Sub
このマクロは、セルB2の背景色を赤に設定します。
Sub 文字色を青にする()
Range("C3").Font.ColorIndex = 5
End Sub
文字の色もColorIndexで簡単に指定できます。
ColorIndexは条件分岐と組み合わせて使うことで、応用範囲が広がります。
Sub 値で色分け()
Dim cell As Range
For Each cell In Range("A1:A10")
If cell.Value >= 80 Then
cell.Interior.ColorIndex = 4 ' 緑
ElseIf cell.Value >= 50 Then
cell.Interior.ColorIndex = 6 ' 黄
Else
cell.Interior.ColorIndex = 3 ' 赤
End If
Next cell
End Sub
このコードは、テストの点数などに応じて背景色を変更するシナリオで活躍します。
色を設定するだけでなく、色を取得することも可能です。
Sub 色を取得する()
Dim colorCode As Variant
colorCode = Range("A1").Interior.ColorIndex
MsgBox "セルの色コードは: " & colorCode
End Sub
このようにして、ユーザーが設定した色を確認できます。
-4142 を使う必要がある条件によって柔軟に使い分けることもできます。たとえば、標準色はColorIndexで、細かい色指定が必要な場合はColorで対応するなど。
Sub 色を柔軟に設定する()
With Range("A1")
.Interior.ColorIndex = 6 ' 黄色（目立たせたい）
.Font.Color = RGB(0, 0, 255) ' 青（RGB指定）
End With
End Sub
ColorIndexは、VBAで色の制御を簡単に行うための便利なプロパティです。シンプルな番号指定で色を変えられるため、条件付き書式のような処理も容易に自動化できます。ただし、使用できる色が限られている点には注意が必要です。
実務で活用するには、ColorIndexとColorを併用し、適材適所で使い分けることが、VBAを使いこなすコツになります。