Excelでデータを検索して対応する値を取り出すとき、多くの方が使ってきたのが「VLOOKUP関数」や「HLOOKUP関数」でしょう。ですが、これらには制約や不便さがあり、思ったように使えなかった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。そこで登場したのが「XLOOKUP関数」です。XLOOKUPはVLOOKUPやHLOOKUPの後継として、よりシンプルで柔軟、かつ直感的に使えるよう設計されています。本記事では、XLOOKUPの基本的な書き方から、よくある活用方法、VLOOKUPとの違い、そして実務で役立つ具体的な事例までを丁寧に解説します。これを読めば、XLOOKUPを自在に使いこなせるようになるでしょう。
XLOOKUPは、指定した範囲の中から検索値を探し、その位置に対応する別の範囲の値を返す関数です。
従来のVLOOKUPが「縦方向のみ」、HLOOKUPが「横方向のみ」だったのに対し、XLOOKUPは縦横を問わず利用でき、より汎用的です。
構文は以下の通りです。
=XLOOKUP(検索値, 検索範囲, 戻り範囲, [見つからない場合], [検索モード], [一致モード])
各引数の意味は以下の通りです。
XLOOKUPが優れている点を整理すると、以下のようになります。
VLOOKUPとXLOOKUPは似ていますが、以下のような違いがあります。
=XLOOKUP("A101", A2:A10, B2:B10)
=XLOOKUP("Z999", A2:A10, B2:B10, "該当なし")
検索値が見つからないときには「該当なし」と表示されます。
=XLOOKUP("A101", A2:A10, B2:B10, "なし", -1)
後ろから検索する指定をすることで、同じ値が複数ある場合に最後の値を取得できます。
顧客コードを入力すると、自動的に顧客名や住所を表示するシートが作れます。
社員番号を入力すれば、名前や所属部署をすぐに引き出せます。
在庫管理表で商品コードを入力すると、仕入価格や単価が自動で出てくるように設定可能です。
XLOOKUPは単体では複数条件に弱いですが、&(アンパサンド)で条件を結合した列を作ることで対応可能です。
XLOOKUPは単独でも便利ですが、他の関数と組み合わせるとさらに強力になります。
XLOOKUPは従来のVLOOKUPやHLOOKUPの欠点を克服した、非常に強力で柔軟な関数です。検索方向の制約がなく、範囲を直接指定でき、見つからない場合のエラー処理まで組み込まれているため、実務において使いやすさは抜群です。特にデータ量が多い業務シートでは効率が大幅に向上します。
Excelを日常的に使う方は、XLOOKUPを早めにマスターしておくと、作業効率が飛躍的に高まるでしょう。