Excelでデータ処理を行う際、特定の文字を別の文字に置き換えたい場面はよくあります。そんな時に便利なのが「SUBSTITUTE関数」です。似た関数に「REPLACE」や「TEXT関数」などもありますが、「SUBSTITUTE」は文字列の中の特定の文字を一括または指定回数だけ置換できるという特徴があります。本記事では、初心者にもわかりやすくSUBSTITUTE関数の基本的な使い方から、よくある使用例、注意点まで詳しく解説していきます。
SUBSTITUTE関数は、文字列内の特定の文字や文字列を別の文字や文字列に置き換えるための関数です。以下が構文です。
=SUBSTITUTE(文字列, 検索文字列, 置換文字列, [置換対象回数])
=SUBSTITUTE("りんご、りんご、バナナ", "りんご", "みかん")
→ 結果:「みかん、みかん、バナナ」
すべての「りんご」が「みかん」に置き換えられます。
=SUBSTITUTE("りんご、りんご、バナナ", "りんご", "みかん", 2)
→ 結果:「りんご、みかん、バナナ」
このように、第4引数を使うことで特定の回数目だけを置換できます。
Excelでは改行コードがCHAR(10)で表されることがあります。
=SUBSTITUTE(A1, CHAR(10), "")
→ 改行をすべて削除。
=SUBSTITUTE("090-1234-5678", "-", "")
→ 結果:「09012345678」
データの一括整形時によく使われるテクニックです。
特徴 | SUBSTITUTE | REPLACE |
---|---|---|
指定方法 | 文字列を指定 | 文字の位置と文字数を指定 |
柔軟性 | 部分一致を複数回も可能 | 位置ベースで正確に置換可能 |
用途例 | 文字列処理やパターン置換 | 固定桁の編集(例:日付など) |
SUBSTITUTEは「何を→何に変える」処理に強く、REPLACEは「どこから何文字→何に変える」という位置重視の処理に向いています。
SUBSTITUTEは1つの置換にしか対応していないため、複数置換したいときは関数を入れ子にします。
=SUBSTITUTE(SUBSTITUTE(A1, "株式会社", ""), "有限会社", "")
→ 「株式会社」「有限会社」を削除
=SUBSTITUTE("カタカナ", "カ", "サ")
→ これは変換されない。「カ」は半角カタカナ、「カ」は全角。
=SUBSTITUTE("Excel", "e", "E")
→ 結果:「Excel」そのまま
SUBSTITUTEは大文字小文字を区別します。
Excelのセルでは直接強調表示はできませんが、置き換え後の文字を別セルに表示し、条件付き書式などと組み合わせて視覚的にわかりやすくすることができます。
SUBSTITUTE関数は、Excelで文字列を扱う際に非常に役立つ関数です。検索文字列を柔軟に指定できるため、データの整形や表記統一、不要な文字の削除など、さまざまな場面で活躍します。REPLACEやTEXT関数と組み合わせることで、より強力な文字列処理も可能になります。日々の業務で頻出する処理を効率化するためにも、SUBSTITUTE関数をしっかりと理解して活用していきましょう。