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ExcelのROW関数の使い方を徹底解説|行番号取得から応用技まで

Excelを使っていると、セルの位置や行番号を自動的に取得したい場面があります。そんな時に役立つのが「ROW関数」です。
この関数を使えば、行番号の自動取得はもちろん、関数と組み合わせて柔軟な表の作成や番号振り、条件付き処理も行えます。
本記事では、ROW関数の基本的な使い方から応用的な活用方法まで、わかりやすく解説します。関数に不慣れな方でも実際に使いながら理解できるよう、例も豊富に取り上げていますので、ぜひ参考にしてください。


ROW関数とは?基本の書き方を確認

ROW関数は、指定したセルや範囲の「行番号」を返す関数です。構文は非常にシンプルです。

=ROW([参照])

引数の説明:

  • 参照(省略可):行番号を知りたいセルや範囲。省略した場合は、関数を入力しているセルの行番号を返します。

使用例:

  1. =ROW(A3) → 結果は「3」
  2. =ROW() → 関数が入力されているセルが例えばB10なら「10」を返します

このように、ROW関数はセルの位置を取得するための非常に基本的な関数です。


ROW関数のよくある使い方|自動連番に便利!

ROW関数は、表や一覧に自動で連番を振りたいときに大活躍します。

例:1行目から順に1,2,3,…と連番を振る

セルA2に以下の式を入力します:

=ROW()-1

この数式は、「現在の行番号 – 1」を意味します。たとえば、A2は2行目なので「2 – 1 = 1」となります。
この式を下にオートフィルすれば、自動的に「2, 3, 4…」と連番が生成されます。

ポイント:

  • 見出し行がある場合に-1など調整が必要
  • ROW()を使うと、入力セルの位置に応じて動的に値が変わる

ROW関数とIF関数の組み合わせ例

ROW関数は、IF関数やMOD関数と組み合わせることで、条件付きの処理にも使えます。

例:奇数行だけに「〇」と表示する

=IF(MOD(ROW(),2)=1,"〇","")

この数式は、行番号を2で割った余りを使って「奇数行なら〇、偶数行なら空欄」にする仕組みです。

応用:

  • 色を塗り分けたい場合の条件付き書式の条件にも使用可能
  • データの偶数/奇数処理、交互処理に便利

ROW関数とINDIRECT関数で柔軟な参照が可能に

ROW関数をINDIRECT関数と組み合わせることで、動的なセル参照を実現できます。

例:1行ずつA列の値を取得する

=INDIRECT("A"&ROW())

この式は、「A列の自分の行のセル」を参照しています。B列にこの式を入れれば、A列の同じ行の値を表示できます。

応用シーン:

  • 他の表の値を1行ずつ取り込みたいとき
  • 別シートのデータを行単位で参照したいとき

ROW関数とARRAYFORMULA(配列関数)の組み合わせ例

少し上級になりますが、ROW関数は配列処理にも利用されます。

例:10行分の連番を配列で取得

=ROW(1:10)

これは、配列として1~10までの行番号を一度に返します。

配列関数での使い道:

  • VBAやスクリプトで行うような処理を関数だけで自動化できる
  • UNIQUE関数やFILTER関数などと組み合わせた高度な処理も可能

ROW関数を使うときの注意点

ROW関数は便利ですが、いくつか注意点もあります。

1. 行番号のズレに注意

  • セルの挿入・削除で行番号が変わると、結果がずれることがあります
  • 固定値にしたい場合は、ROW()の代わりに数値を入力する方がよい

2. 行のずれを補正する式を入れる

  • 先頭行が見出しの場合、ROW()-1など調整が必要です

3. フィルター使用時に注意

  • ROW関数は実際の行番号を返すので、フィルター後の「見た目の順番」ではありません

ROW関数の活用アイデア集

最後に、ROW関数の実用的な使い方をいくつか紹介します。

1. 重複なしのIDを自動作成

="ID"&TEXT(ROW()-1,"000")

→ 結果:ID001, ID002,…

2. INDEX関数と組み合わせて動的に値を取得

=INDEX(A:A,ROW())

→ A列の自分の行の値を取得。入力行が変わっても対応可。

3. エラーを防ぐ行数制限付き連番

=IF(ROW()-1<=COUNTA(B:B),ROW()-1,"")

→ B列にデータがある分だけ連番を振る。空行があっても安全。


まとめ

ROW関数は、シンプルでありながら非常に応用範囲の広い関数です。
行番号を取得するだけでなく、他の関数と組み合わせることで、表の自動化・動的処理・条件分岐など様々な場面で使えます。

実務では、連番の自動付与、条件付き表示、データ参照など多くの業務で活用されており、習得しておくと非常に便利です。
ROW関数をマスターして、Excelの作業効率をぐっと高めましょう!

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