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Excelのリレーションシップとは?複数の表をつなげて効率的に分析する方法

Excelは多くの人が使う表計算ソフトですが、複数のデータを扱うとき、「表同士をどうやって結びつければよいか?」と悩む方も多いのではないでしょうか。そんなときに役立つのが「リレーションシップ(関係)」機能です。これは複数の表(テーブル)をキー項目で関連付けることで、より高度な分析やレポート作成を可能にします。この記事では、リレーションシップの基本的な考え方から、実際の設定手順、活用方法までをわかりやすく解説します。


H2:リレーションシップとは何か?

リレーションシップとは、複数のテーブル(表)間の「関連性」を定義することで、データを一元的に分析できるようにする仕組みです。
これはデータベースの「リレーショナルモデル」と同じ考え方をExcelに応用した機能です。

例えば、「売上データ」と「商品マスタ」を別々のテーブルとして管理している場合、商品IDをキーにして両者を結び付けることで、売上データに商品名やカテゴリを紐付けることができます。

リレーションシップを使うことで、VLOOKUP関数やXLOOKUP関数のような式を繰り返し使わずに済み、よりシンプルで動的な集計が可能になります。


H2:リレーションシップを使うための準備

リレーションシップ機能を使うためには、まずExcelで「テーブル形式」に変換されたデータを準備する必要があります。

テーブルへの変換手順:

  1. データのある範囲を選択
  2. 「挿入」タブ → 「テーブル」を選択
  3. 「先頭行をテーブルの見出しとして使用する」にチェックを入れて「OK」

この作業を、リレーションシップを作成したいすべての表に対して行います。テーブルには自動で名前が付きますが、「商品マスタ」「売上データ」など、わかりやすい名前に変更しておくと後で扱いやすくなります。


H2:リレーションシップの作成手順

テーブルを準備できたら、次はリレーションシップの作成です。

手順:

  1. 「データ」タブを選択
  2. 「データツール」グループ内の「リレーションシップ」をクリック
  3. 「新規作成」を選択
  4. 以下の項目を入力
    • テーブル:主テーブル(例:売上データ)
    • 列(外部キー):結び付けに使う列(例:商品ID)
    • 関連テーブル:参照元のテーブル(例:商品マスタ)
    • 列(主キー):一致する列(例:商品ID)
  5. 「OK」を押す

これで、2つのテーブルが関連付けられ、1つの大きなデータセットのように使うことができるようになります。


H2:ピボットテーブルでリレーションシップを活用する

リレーションシップはピボットテーブルと組み合わせることで真価を発揮します。

ピボットテーブルの作成:

  1. 「挿入」タブ → 「ピボットテーブル」
  2. 「このワークブックのデータモデルを使用する」を選択
  3. 複数のテーブルを一覧から選択可能になる
  4. 関連付けられた列があることで、別テーブルの情報も一緒に集計可能

たとえば、売上データの集計に対して、商品マスタの「カテゴリ」情報を使ってカテゴリ別売上を出すことができます。関数を書かずに項目をドラッグするだけで、簡単に複雑なレポートを作成できます。


H2:リレーションシップの活用例

以下のようなケースで特にリレーションシップが有効です:

  • 顧客マスタと売上データを結び付けて、顧客別の売上分析を行う
  • 商品マスタと在庫データを連携して、カテゴリごとの在庫量を可視化
  • 社員マスタと勤怠データをつなげて、部署別の勤務状況を分析

これまでであれば、VLOOKUPで都度データを結合していた作業が、リレーションシップを使うことで、より効率的に、しかもミスなく分析できます。


H2:リレーションシップ利用時の注意点

便利なリレーションシップですが、いくつかの制約もあります:

  • リレーションシップを使うには**一意のキー(主キー)**が必要
  • データに重複や空白のキーがあるとうまく動作しない
  • 同じテーブル同士で自己結合はできない
  • Excel 2013以降のバージョンで使用可能

また、変更や削除を行いたい場合は、「リレーションシップ」画面からいつでも編集できます。


H2:VLOOKUPとの違いは?どちらを使うべきか

リレーションシップとVLOOKUPの使い分けには以下のようなポイントがあります:

項目VLOOKUPリレーションシップ
関数が必要か必要不要
列の追加毎回関数を書く必要あり自動で更新される
分析ツール単純な表形式向けピボットテーブルと相性が良い
扱うデータ数数千行までが現実的数万行でも対応可能(データモデル使用)

日常的な小規模の業務ではVLOOKUPでも十分ですが、データ量が増えたり、複数の表をまとめて扱いたい場合は、リレーションシップを活用することで効率化が図れます。


H2:まとめ|Excelリレーションシップで分析力を高めよう

Excelのリレーションシップ機能は、複数のデータを一つの「データモデル」として扱うことで、より高度な集計や分析を簡単に実現できる強力な機能です。テーブルとしてデータを管理し、キー項目でつなぐことで、関数に頼らないスマートな分析環境を構築できます。

日々の業務でデータが複雑になってきたと感じたら、ぜひこのリレーションシップ機能を活用してみてください。VLOOKUPでは見えなかった新しい発見が、きっとあるはずです。

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