Excelで「ランダムな数値を作りたい」と思ったことはありませんか?例えば、ランダムなテストデータを作ったり、抽選機能を作ったりする場面で「乱数」はとても便利です。
そんなときに使えるのがRAND
関数です。この記事では、RAND
関数の基本的な使い方から、応用例、注意点までをわかりやすく解説していきます。Excel初心者の方でもすぐに使えるように、例を交えて説明していきます。
RAND
関数は、0以上1未満の実数(小数)をランダムに生成する関数です。
書式はとてもシンプルです。
=RAND()
引数は不要で、この数式を入力するだけで、たとえば「0.3658」などのランダムな値が表示されます。
これは毎回変更される動的な関数で、ワークシートが再計算されるたびに値が変化します。セルに何か入力したり、保存し直すだけでも値が更新されるため、注意が必要です。
RAND関数は、以下のような場面で活用できます。
テスト用のデータを大量に作りたいときに便利です。たとえば、10件のランダムな数値を作成するには以下のようにします。
セルA1からA10に =RAND() を入力
たとえば、参加者リストがA列にあり、B列に=RAND()
を入力すると、それぞれの参加者にランダムな数値が割り振られます。
次にB列で並び替えれば、シャッフルしたリストを簡単に作成できます。
RAND()
関数は0以上1未満の実数しか生成できません。整数が欲しい場合は、RANDBETWEEN
関数を使う方が簡単ですが、RAND
関数でも工夫すれば生成可能です。
=INT(RAND()*100)+1
この数式では、まずRAND()
で0以上1未満の値を作り、それに100を掛けて0〜99.999…の値に変換。INT
関数で小数点以下を切り捨て、最後に+1して1〜100の整数を得る仕組みです。
RAND関数の特性上、ファイルを開き直したり編集するたびに値が変わってしまいます。
「一度決まった値を固定したい」というときには、値のコピー&貼り付けを活用しましょう。
こうすることで、乱数の値が静的な数値として固定されます。
似た名前のRANDBETWEEN
関数も乱数を生成しますが、こちらは整数の乱数を生成する関数です。
=RANDBETWEEN(1, 100)
このように、開始値と終了値を指定することで、その範囲内の整数を生成できます。RAND()
関数は小数、RANDBETWEEN()
は整数と覚えておくとよいでしょう。
RAND関数には便利な反面、いくつか注意点があります。
前述のとおり、再計算で値が変わってしまうため、意図せず数値が変わってしまうことがあります。
データ分析や資料作成時には、必要に応じて固定化することが大切です。
RAND関数は一見ランダムに見えますが、完全な乱数ではありません。擬似乱数であるため、偏りが出ることもあります。
高度な統計処理や厳密なランダム性を求める場合には、専用ツールの使用を検討するのも一つの手です。
=RAND()
を入力=RAND()
を入力シンプルですが、Excel内だけで完結する便利な方法です。
ExcelのRAND
関数は非常にシンプルでありながら、活用次第でさまざまなシーンに応用できる便利な関数です。
0〜1未満の小数を生成するという特性を理解し、必要に応じてINT
関数やRANDBETWEEN
関数と組み合わせることで、さらに実用的な使い方ができます。
動的な値が毎回変わるという特性をうまく使いこなし、必要に応じて値の固定なども行いながら、日々の業務や学習に役立ててみてください。