Excelで数値を掛け合わせたいとき、どのような方法を使っていますか?「=A1B1C1…」と1つ1つ手入力するのは手間がかかりますし、数が多くなるほどミスも増えがちです。そんなときに便利なのが「PRODUCT関数」です。PRODUCT関数を使えば、複数のセルを一気に掛け合わせることができ、計算ミスを防ぎ、作業効率も大きくアップします。この記事では、PRODUCT関数の基本的な使い方から実用的な応用例、さらに注意点まで丁寧に解説します。Excel初心者から中級者まで、知っておいて損はない関数のひとつです。
PRODUCT関数は、指定した数値やセルの値をすべて掛け合わせた積を求める関数です。加算にはSUM関数、平均にはAVERAGE関数があるように、掛け算にはこのPRODUCT関数が最適です。
=PRODUCT(数値1, [数値2], …)
=PRODUCT(2, 3, 4) → 結果:24
=PRODUCT(A1:A3) → A1~A3の値をすべて掛け合わせた結果
このように、単体の数値もセルの範囲も、どちらも指定することができます。
実際にExcelでPRODUCT関数を使ってみましょう。
A列 |
---|
2 |
3 |
4 |
この場合、「=PRODUCT(A1:A3)」と入力すると、「2×3×4=24」が返されます。
=PRODUCT(A1, B1, C1)
複数の離れたセルを掛け合わせたいときには、このようにカンマ区切りで個別に指定します。
=PRODUCT(5, 10, 0.2)
計算機代わりに使うこともできます。掛け算のミスを減らせるので便利です。
商品 | 単価 | 数量 | 売上金額 |
---|---|---|---|
A | 100 | 3 | =PRODUCT(B2,C2) |
B | 200 | 2 | =PRODUCT(B3,C3) |
このように、単価と数量の積として売上金額を求める際に、PRODUCT関数は簡潔でミスのない表現が可能です。
たとえば、複利や成長率など、複数の要素が掛け合わせで計算されるような場面では、PRODUCT関数が特に効果を発揮します。
年度 | 成長率 |
---|---|
2021 | 1.05 |
2022 | 1.03 |
2023 | 1.02 |
=PRODUCT(B2:B4) → 合計成長率
PRODUCT関数では、空白セルを「1」として計算します。つまり結果には影響しません。
A列 | 結果 |
---|---|
2 | |
(空白) | =PRODUCT(A1:A2) → 2 |
これはSUM関数とは違う動作なので注意しましょう。
PRODUCT関数に文字列を含めてもエラーにはならず、自動的に無視されます。ただし、「0」と表示される文字列(たとえば「”0″」)は計算結果に影響を与えないため、意図しない結果になる場合もあります。
SUMPRODUCT関数は「配列の対応する要素を掛けた後、合計する」関数であり、PRODUCT関数とは目的が異なります。
例:
A列 | B列 |
---|---|
2 | 3 |
4 | 5 |
=SUMPRODUCT(A1:A2, B1:B2) → (2×3)+(4×5)=6+20=26
一方で、PRODUCTではこのような対応計算はできません。
特に、列単位で大量のデータを扱う業務では、PRODUCT関数を使うことで作業効率が大きく変わります。
業務や家計管理、学習記録など、さまざまな場面で使える関数です。
PRODUCT関数は、Excelにおける「掛け算専用の関数」として非常に便利です。複数のセルや数値をまとめて掛けたいときには、従来の「*」演算子よりもシンプルでミスの少ない方法として活躍します。特に数が増えてくると手入力では非効率になるため、PRODUCT関数を使いこなすことで作業の正確さとスピードが格段に向上します。まだ使ったことがない方は、ぜひ一度試してみてください。Excel作業の質がひとつ上のレベルに進むこと間違いなしです。