vSphere環境を運用していると、稀に「パープルパニック(Purple Screen of Death, PSOD)」という致命的なエラーに遭遇することがあります。これは、ESXiホストがカーネルレベルのクラッシュを起こし、紫色の画面にエラーメッセージを表示する状態を指します。パープルパニックは、ハードウェアの問題やドライバの不具合、メモリ破損などさまざまな要因によって引き起こされます。
本記事では、
について詳しく解説していきます。特に、ログを適切に取得・解析することが、迅速な復旧と再発防止に役立ちますので、ぜひ最後までご覧ください。
「パープルパニック(Purple Screen of Death, PSOD)」とは、VMware ESXiホストがカーネルレベルでクラッシュし、制御不能に陥る現象です。Windowsの「ブルースクリーン」に相当するもので、クラッシュした際に紫色の背景に白い文字でエラーメッセージが表示されます。
この状態になると、ESXiホストは応答不能になり、仮想マシン(VM)も停止します。管理者は手動でホストをリブートし、問題の原因を特定して再発防止策を講じる必要があります。
パープルパニックが発生する原因は多岐にわたりますが、代表的なものを以下に挙げます。
PSODが発生した際、原因を特定するために以下の方法でログを取得・解析します。
PSODが発生すると、画面上にエラーメッセージが表示されます。この情報は、VMwareサポートや社内でのトラブルシューティングに役立ちます。
ESXiホストはクラッシュ時にコアダンプを作成し、ログを保持します。
取得方法:
esxcli system coredump file list
上記コマンドでダンプファイルの保存場所を確認し、必要に応じてサポートに送信します。
ログファイル「vmkernel.log」には、クラッシュ直前のエラー情報が記録されています。
ログの場所:
/var/log/vmkernel.log
以下のコマンドでエラーログを確認:
cat /var/log/vmkernel.log | grep -i "error"
または、リアルタイムにログを監視する場合は:
tail -f /var/log/vmkernel.log
クラッシュ後にログが失われないよう、syslogサーバーに送信する設定を推奨します。
設定方法:
esxcli system syslog config set --loghost='tcp://syslogserver:514'
esxcli system syslog reload
クラッシュしたESXiホストは通常、手動で再起動が必要です。
vSphereのパープルパニック(PSOD)は、ESXiホストがクラッシュした際に発生する深刻なエラーです。発生した際には、
といった対応を迅速に行うことが重要です。事前にsyslogサーバーの設定や監視ツールを活用することで、障害発生時の対応をスムーズに進めることができます。
もしパープルパニックが頻発する場合は、VMwareサポートに問い合わせ、適切な対処方法を確認することをおすすめします。