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Windows環境でIPアドレスを設定する方法として、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を使うのが一般的ですが、PowerShellを活用すれば、より高速かつ効率的に設定変更が可能です。特にサーバー管理やスクリプト化された運用では、PowerShellの活用が大きな力となります。この記事では、New-NetIPAddress
コマンドを使って新しいIPアドレスを設定する方法をわかりやすく解説します。
PowerShellによるIP設定には、以下のようなメリットがあります。
管理者やネットワークエンジニアにとって、PowerShellによるIPアドレス管理は知っておきたいテクニックです。
New-NetIPAddress
は、Windows PowerShellのコマンドレットの一つで、新しいIPアドレスをインターフェースに設定するために使用されます。このコマンドは、netsh
に代わる最新のIP構成方法として推奨されています。
New-NetIPAddress
コマンドの基本構文は以下の通りです。
New-NetIPAddress -InterfaceAlias "<インターフェース名>" -IPAddress "<IPアドレス>" -PrefixLength <プレフィックス長> -DefaultGateway "<ゲートウェイ>"
New-NetIPAddress -InterfaceAlias "Ethernet" -IPAddress "192.168.1.100" -PrefixLength 24 -DefaultGateway "192.168.1.1"
この例では、「Ethernet」という名前のインターフェースに、IPアドレス「192.168.1.100」、サブネットマスク「255.255.255.0(=/24)」、ゲートウェイ「192.168.1.1」を設定しています。
パラメーター | 意味 |
---|---|
-InterfaceAlias | 設定を行うネットワークインターフェースの名前(例:”Ethernet”) |
-IPAddress | 設定するIPアドレス |
-PrefixLength | サブネットマスクをCIDR表記で指定(例:24は255.255.255.0) |
-DefaultGateway | デフォルトゲートウェイのIPアドレス |
-AddressFamily | IPv4またはIPv6の指定(省略可) |
InterfaceAlias
は正確に指定する必要があります。以下のコマンドでインターフェース名を確認できます。
Get-NetAdapter
出力されるName
列に表示されている値が、InterfaceAlias
として使用可能です。
1つのインターフェースに複数のIPアドレスを設定したい場合も、New-NetIPAddress
を複数回使えば対応できます。
New-NetIPAddress -InterfaceAlias "Ethernet" -IPAddress "192.168.1.101" -PrefixLength 24
New-NetIPAddress -InterfaceAlias "Ethernet" -IPAddress "192.168.1.102" -PrefixLength 24
ただし、デフォルトゲートウェイは1つだけ設定するのが基本です。
IPアドレスを新しく設定する前に、既存のIP設定を削除したい場合は、Remove-NetIPAddress
コマンドを使います。
Get-NetIPAddress -InterfaceAlias "Ethernet" | Remove-NetIPAddress
※削除の際は-Confirm:$false
を追加すると確認なしで実行されますが、慎重に扱いましょう。
PowerShellが管理者モードで実行されていない可能性があります。右クリックで「管理者として実行」しましょう。
このエラーは、指定されたIPアドレスがすでに設定されている場合に発生します。Remove-NetIPAddress
で事前に削除してください。
New-NetIPAddress
コマンドを使えば、手動でのIP設定がより効率的に行えます。管理者やネットワーク担当者にとっては、必須レベルの知識とも言えるでしょう。GUIでは難しい一括設定やスクリプト化も可能になるため、ぜひPowerShellでのIPアドレス操作にチャレンジしてみてください。