PowerShellを活用すると、コマンド1つでファイルやフォルダを簡単に移動することができます。その中でも、Move-Item
コマンドは、ファイルやフォルダを指定した場所に移動させる基本的なコマンドです。本記事では、Move-Item
の使い方、オプションの解説、具体的な使用例を紹介し、効率的なファイル管理をサポートします。
Move-Item
は、PowerShellでファイルやフォルダを別のディレクトリへ移動するためのコマンドです。Windowsのエクスプローラーを使うことなく、コマンドライン上で処理を完結できるため、業務の自動化やスクリプト作成に非常に便利です。
Move-Item -Path <移動するファイルまたはフォルダ> -Destination <移動先>
例えば、C:\temp\file.txt
を C:\backup\
フォルダに移動する場合、以下のように記述します。
Move-Item -Path "C:\temp\file.txt" -Destination "C:\backup\"
Move-Item
にはいくつかのオプションがあり、適切に活用することで柔軟な移動操作が可能になります。
-Path
は、移動するファイルやフォルダを指定します。ワイルドカード(*
)を使用することもできます。
Move-Item -Path "C:\temp\*.txt" -Destination "C:\backup\"
上記のコマンドは、C:\temp\
内の .txt
ファイルをすべて C:\backup\
に移動します。
移動先のパスを指定します。存在しないフォルダを指定するとエラーになります。
同じ名前のファイルが移動先にある場合、-Force
を使うと強制的に上書きできます。
Move-Item -Path "C:\temp\file.txt" -Destination "C:\backup\" -Force
-WhatIf
を使うと、実際にコマンドを実行することなく、どのような動作が行われるかを確認できます。
Move-Item -Path "C:\temp\file.txt" -Destination "C:\backup\" -WhatIf
デフォルトでは Move-Item
は何も出力しませんが、-PassThru
を使うと移動したファイルの情報を表示できます。
Move-Item -Path "C:\temp\file.txt" -Destination "C:\backup\" -PassThru
1つのファイルを指定のフォルダに移動する基本例。
Move-Item -Path "C:\temp\report.pdf" -Destination "C:\Documents\Reports\"
フォルダ全体を別の場所に移動する場合。
Move-Item -Path "C:\temp\myfolder" -Destination "D:\backup\"
複数の特定のファイルをまとめて移動するには、ワイルドカードを使用。
Move-Item -Path "C:\temp\*.log" -Destination "C:\logs\"
移動先のフォルダが存在しない場合、事前に New-Item
コマンドで作成するとスムーズです。
New-Item -ItemType Directory -Path "C:\backup\"
Move-Item -Path "C:\temp\file.txt" -Destination "C:\backup\"
PowerShellスクリプトを作成し、タスクスケジューラで定期実行すると、定期的なファイル移動を自動化できます。
$source = "C:\temp\*.log"
$destination = "C:\logs\"
Move-Item -Path $source -Destination $destination -Force
上記スクリプトを .ps1
ファイルとして保存し、Windowsタスクスケジューラで実行すれば、自動的にログファイルを移動できます。
-Force
を使用すれば上書き可能。New-Item
コマンドで作成しておく。PowerShellのMove-Item
を使えば、ファイルやフォルダの移動を効率的に行うことができます。基本的な使い方から、オプションを活用した柔軟な移動方法、自動化スクリプトの活用まで紹介しました。日常業務の効率化やスクリプト作成の参考にしてみてください。