Linuxでストレージデバイスを利用する際には、「ファイルシステムの作成」が必要になります。特に、Linuxで広く使われているファイルシステムの一つが「EXT4（Fourth Extended File System）」です。この記事では、EXT4ファイルシステムを作成するためのコマンド「mkfs.ext4」について、基本的な使い方から実践的なオプション、注意点までをわかりやすく解説します。これからLinuxのストレージ管理を学びたい方や、mkfs.ext4の使い方に不安がある方は、ぜひ参考にしてください。
「mkfs.ext4」とは、Linux上でEXT4ファイルシステムを新しく作成するためのコマンドです。
「mkfs」は「make file system」の略であり、「ext4」は作成するファイルシステムの種類を示しています。
このコマンドを実行することで、指定したパーティションまたはディスク全体にEXT4ファイルシステムの構造が書き込まれ、フォーマットされます。
つまり、この操作をすると、そのストレージに存在していたデータはすべて削除されるため、使用時には十分な注意が必要です。
もっともシンプルな形式のmkfs.ext4コマンドは以下のようになります。
sudo mkfs.ext4 /dev/sdXn
sudo：管理者権限で実行します。ファイルシステムの作成にはroot権限が必要です。mkfs.ext4：EXT4形式でファイルシステムを作成するコマンド。/dev/sdXn：ファイルシステムを作成する対象のデバイスやパーティション。例：/dev/sdb1。sudo mkfs.ext4 /dev/sdb1
このコマンドは、/dev/sdb1にEXT4ファイルシステムを作成します。既存のデータはすべて消去されるため、実行前に内容を確認しておくことが重要です。
フォーマットしようとしているデバイスがマウントされていないか確認してください。
マウントされている状態でmkfsを実行すると、システムに問題を引き起こす可能性があります。
以下のコマンドで確認できます：
mount | grep /dev/sdb1
表示がある場合は、アンマウントしてから実行します。
sudo umount /dev/sdb1
誤ってOSの入ったパーティションを指定してしまうと、システムが起動できなくなる恐れがあります。
以下のコマンドでパーティションの一覧を確認しましょう：
lsblk
表示されたディスクとマウント情報から、どのデバイスが対象かを慎重に確認してください。
mkfs.ext4 にはいくつか便利なオプションがあります。よく使うものをいくつか紹介します。
ファイルシステムにラベル（名前）を付けることができます。
sudo mkfs.ext4 -L DATA /dev/sdb1
このラベルは lsblk や blkid コマンドで確認でき、マウント時に便利です。
拡張オプションを設定できます。たとえば、stride や stripe-width を設定してRAID構成に最適化することも可能です。
sudo mkfs.ext4 -E stride=16,stripe-width=64 /dev/sdb1
ただし、これらは高度な設定なので、RAIDなどの特別な環境でなければ基本的には不要です。
ブロックサイズを明示的に指定することもできます（1024、2048、4096など）。
sudo mkfs.ext4 -b 4096 /dev/sdb1
通常は自動的に最適なブロックサイズが選ばれるため、指定しなくても問題ありません。
EXT4でフォーマットされたディスクは、mount コマンドでマウントすることができます。例：
sudo mount /dev/sdb1 /mnt/mydata
マウントされたかどうかを確認するには：
df -h
アンマウントするには：
sudo umount /mnt/mydata
フォーマット後の確認には blkid が便利です：
sudo blkid
また、EXT4の設定を細かく見るには tune2fs が使えます：
sudo tune2fs -l /dev/sdb1
これにより、ファイルシステムのUUID、マウント回数、チェック間隔などの詳細情報が確認できます。
/etc/fstabで自動マウントを設定する際はUUIDを使うのが推奨されます。Linuxでのディスク管理において、「mkfs.ext4」は非常に重要なコマンドです。基本的な使い方さえ理解していれば、安全にディスクの初期化やファイルシステムの構築が行えます。ただし、一歩間違えると大切なデータを失ってしまうリスクもあるため、確認を怠らないことが重要です。
特に、複数のストレージを扱う場合や、サーバー環境での運用では、「どのディスクに対して操作しているか」の把握が命取りになることもあります。
初心者の方はまず仮想環境などで練習しながら、自信を持って使えるようになっていきましょう。