Linuxを使っていると、USBメモリやマウス、プリンタなどのUSBデバイスが正しく認識されているかを確認したい場面があります。特にサーバーやターミナル操作がメインの環境では、GUIがないためコマンドでの確認が必要になります。
本記事では、Linuxで接続中のUSBデバイスを確認するための代表的なコマンドをわかりやすく解説します。それぞれのコマンドの用途や具体的な出力例、実用的な使い方も紹介しているので、日常のトラブルシューティングや管理作業に役立ててください。
lsusb
はUSBバスに接続されているすべてのUSBデバイスを一覧表示する定番コマンドです。
lsusb
Bus 002 Device 003: ID 046d:c077 Logitech, Inc. M105 Optical Mouse
Bus 001 Device 005: ID 0781:5567 SanDisk Corp. Cruzer Blade
このように、接続されたUSBデバイスのベンダーID(例:046d)やプロダクトID(例:c077)、メーカー名と製品名が表示されます。
lsusb
は接続されているすべてのUSBデバイスを表示します。-v
オプションを付けると詳細情報も確認できます(ただし情報量が多くなるため注意)。USBを接続したときのカーネルログを見るにはdmesg
コマンドが役立ちます。
dmesg | grep -i usb
[12345.678901] usb 1-1: new high-speed USB device number 5 using xhci_hcd
[12345.789012] usb 1-1: New USB device found, idVendor=0781, idProduct=5567
このログでは、USBがいつ接続されたか、どのようなデバイスが認識されたかを時系列で確認できます。
tail -f /var/log/kern.log
やjournalctl -k -f
も併用することで、リアルタイムでログを確認することもできます。USBメモリや外付けHDDなど、ストレージ系のUSBデバイスを確認したいときはlsblk
コマンドを使います。
lsblk
NAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINT
sda 8:0 0 100G 0 disk
├─sda1 8:1 0 96G 0 part /
├─sda2 8:2 0 4G 0 part [SWAP]
sdb 8:16 1 16G 0 disk
└─sdb1 8:17 1 16G 0 part /media/usb
この出力から、sdb
がUSBメモリで、/media/usb
にマウントされていることがわかります。
lsblk -f
を使うとファイルシステムの種類やラベルも表示されるため、さらに便利です。usb-devices
コマンドは、接続されているUSBデバイスの詳細な情報をフォーマット付きで表示します。
usb-devices
T: Bus=01 Lev=01 Prnt=01 Port=01 Cnt=01 Dev#= 5 Spd=480 MxCh= 0
D: Ver= 2.10 Cls=00(>ifc ) Sub=00 Prot=00 MxPS=64 #Cfgs= 1
P: Vendor=0781 ProdID=5567 Rev=01.00
S: Manufacturer=SanDisk
S: Product=Cruzer Blade
lsusb
よりもさらに詳しい情報が得られます。コマンド以外にも、システムの仮想ファイルシステムである/sys
や/dev
配下でデバイス情報を確認できます。
たとえば、以下のようなディレクトリを確認することで、USB機器の状態が把握できます。
ls /sys/bus/usb/devices/
また、デバイスファイルとして以下のようなファイルが作成されることもあります。
ls /dev/sd*
この方法はスクリプトなどでUSB機器を監視したいときに使えます。
さらに詳細な情報を取得したいときにはudevadm
コマンドを使用します。
udevadm info -q all -n /dev/sdb
このように入力すると、指定したデバイスに紐づくすべての属性情報が表示されます。
udevadm info -a -n /dev/sdb | grep '{idVendor}' -A10
このようにベンダーIDなどでフィルタをかけることも可能です。
USBデバイスが認識されない場合は、以下の点をチェックするとよいでしょう:
dmesg
で接続イベントが出ているか確認するlsusb
でデバイスが表示されているか確認する/dev/sdX
としてマウントされているか確認するmount
またはlsblk
でマウント状態を確認するLinuxでUSBデバイスを確認するには、状況に応じてさまざまなコマンドを使い分けるのがポイントです。
lsusb
dmesg
lsblk
usb-devices
やudevadm
それぞれの特性を理解しておけば、USB接続に関するトラブルも冷静に対処できます。特にサーバー運用や組み込み系のLinux環境では、これらのコマンドは必須の知識と言えるでしょう。ぜひ日常的に使いながら、使いこなせるようになってください。