Linuxでネットワーク設定や接続状況を確認する際に使われる「ifconfig」コマンド。
ネットワーク管理をするうえで一度は目にしたことがあるこのコマンドですが、「そもそも何を表示しているの?」「使い方がよくわからない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ifconfigコマンドの基本的な使い方から、表示される情報の意味、トラブルシューティングのヒントまで、初心者にもわかりやすく解説します。
「ifconfig(interface configuration)」は、LinuxやUnix系OSでネットワークインターフェースの状態を確認・設定するためのコマンドです。
かつてはネットワーク管理における標準的なツールでしたが、現在では後継コマンドとして「ip」が推奨される場面も増えています。
とはいえ、多くの環境では依然としてifconfigが使用可能であり、特に古いディストリビューションや組み込みLinux、最小構成のサーバーなどでは今も重宝されています。
主な役割は以下の通りです:
Linuxターミナルでifconfig
と入力するだけで、システムに存在するネットワークインターフェースの情報が表示されます。
$ ifconfig
標準的な出力内容は以下のようになります:
eth0: flags=4163<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST> mtu 1500
inet 192.168.1.100 netmask 255.255.255.0 broadcast 192.168.1.255
inet6 fe80::a00:27ff:fe1e:832 prefixlen 64 scopeid 0x20<link>
ether 08:00:27:1e:08:32 txqueuelen 1000 (Ethernet)
RX packets 123456 bytes 987654321 (987.6 MB)
TX packets 654321 bytes 123456789 (123.4 MB)
主な意味を簡単に解説すると:
ifconfig
コマンドには、ネットワーク管理を行う上で便利なオプションがいくつかあります。代表的なものを以下に紹介します。
$ ifconfig eth0
特定のインターフェースのみの情報を見たいときに使います。eth0以外にも、wlan0(Wi-Fi)やlo(ループバック)などがあります。
$ sudo ifconfig eth0 up
ネットワークインターフェースが無効になっている場合、up
を指定して再度有効化できます。
$ sudo ifconfig eth0 down
一時的にインターフェースを切断したいときに使います。トラブルシュートにも有効です。
$ sudo ifconfig eth0 192.168.1.123 netmask 255.255.255.0
静的IPアドレスを一時的に設定できます。ただし、再起動すると元に戻るため、永続化には別途設定ファイルの編集が必要です。
最近のLinuxディストリビューションでは、ifconfig
が初期状態でインストールされていない場合があります。
その場合、以下のようなエラーになります。
bash: ifconfig: command not found
この場合は、net-tools
というパッケージをインストールすることで利用可能になります。
$ sudo apt update
$ sudo apt install net-tools
$ sudo yum install net-tools
インストール後は、再びifconfig
コマンドが使えるようになります。
ネットワークに接続できない場合、ifconfigは原因を探るのに役立ちます。
flags
の中に「UP」がなければ、インターフェースが無効です。ifconfig eth0 up
で有効にできます。
inet
の情報が表示されていない場合、DHCPでIPが取得できていない可能性があります。dhclient
などのコマンドで再取得を試みましょう。
通信トラブルやセキュリティの設定により、特定のMACアドレスしか通信を許可していない場合、ifconfigで確認できます。
ifconfigは古いコマンドであり、現在はip
コマンドに置き換えられつつあります。
比較項目 | ifconfig | ipコマンド |
---|---|---|
対応状況 | 古い(レガシー) | 現行標準 |
インストール | net-toolsが必要 | 多くのディストリで標準搭載 |
表示内容 | 簡素で見やすい | 詳細で柔軟 |
とはいえ、ifconfigの方がシンプルで学びやすい面もあり、ネットワークの基礎を学ぶには適しています。
Linuxでネットワークを扱うなら、ifconfigは基本中の基本です。
古いながらも直感的でわかりやすく、ネットワークトラブルの第一発見にも有効なツールです。
今後はipコマンドへの移行も意識しつつ、まずはifconfigでネットワークの状態を把握できるようになることが、Linuxのネットワーク管理の第一歩となります。