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Excelの“What-If分析”で未来を予測!シナリオ・目標値・データテーブルの使い方を徹底解説

Excelには、データに基づいて将来の結果を予測したり、条件を変えて比較したりできる「What-If分析」という強力な機能があります。
この機能を使えば、売上予測、予算管理、損益分岐点の確認など、さまざまな業務シミュレーションが可能になります。

本記事では、What-If分析の3つの代表的な手法「シナリオ分析」「ゴールシーク(目標値の設定)」「データテーブル」について、それぞれの使い方を初心者にもわかりやすく解説します。
実務に役立つ具体例を交えて紹介しますので、Excelを使った意思決定の質を高めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。


What-If分析とは?

What-If分析とは、ある値を変更したときに結果がどう変わるかをシミュレーションするExcelの機能です。
「もし○○だったら?」という仮定(What-If)に基づいて、データを検証・予測するためのツールとして使われます。

たとえば、売上=単価×数量という計算式で、単価や数量を変えた場合に売上がどう変化するかを確認したいときに活用できます。
Excelでは、「シナリオ分析」「ゴールシーク」「データテーブル」の3つが主なWhat-If分析ツールとして用意されています。


シナリオ分析の使い方

シナリオ分析とは?

シナリオ分析は、複数の入力値の組み合わせを用意して、それぞれの結果を比較する機能です。
たとえば「楽観的シナリオ」「悲観的シナリオ」といったように、将来の見通しを複数用意し、それぞれの条件で結果を見比べることができます。

シナリオ分析の手順

  1. 分析対象のシートを準備する
    例:売上=単価×数量 のような計算式を設定。
  2. 「データ」タブ → 「What-If分析」 → 「シナリオ マネージャー」を選択
    ダイアログが表示されます。
  3. 「追加」をクリックしてシナリオを作成
    - シナリオ名を入力(例:楽観シナリオ)
    - 変更するセル(単価、数量など)を指定
    - 変更後の値を入力
  4. 複数のシナリオを作成して保存
    - 「悲観シナリオ」「標準シナリオ」など複数用意しておくと便利。
  5. シナリオの結果を比較
    「概要」をクリックすると、それぞれのシナリオに対する結果をまとめた一覧表が自動生成されます。

ゴールシーク(目標値の設定)の使い方

ゴールシークとは?

ゴールシークは、特定の結果を得るために、どの入力値を変更すれば良いかを自動で逆算してくれる機能です。
「売上を100万円にしたい。そのためには何個売ればいい?」といった問いに答えてくれます。

ゴールシークの手順

  1. 計算式を含んだシートを用意する
    例:=単価×数量で売上を算出。
  2. 「データ」タブ → 「What-If分析」 → 「ゴール シーク」を選択
  3. 各項目を入力する
    - 「数式を設定するセル」:売上のセル(計算式あり)
    - 「指定する値」:目標とする金額(例:1000000)
    - 「変化させるセル」:数量のセル(入力セル)
  4. 「OK」をクリックすると、Excelが自動で最適な数量を計算
  5. 結果を確認し、必要に応じて適用

ゴールシークの活用例

  • 目標利益を達成するための販売数
  • 損益分岐点の確認
  • 月間PV数から必要な広告単価の試算

データテーブルの使い方

データテーブルとは?

データテーブルは、1つまたは2つの変数を使って、結果がどう変化するかを表形式で一覧にできる機能です。
価格や数量などの変化に応じて、売上や利益の変動を一目で比較できます。

データテーブルの作成手順(1変数の例)

  1. 数式のセルを作成
    例:=単価×数量(この数式を使う)
  2. テーブル形式のレイアウトを作成
    - 左側の列に変化させたい値(例:数量)を並べる
  3. 数式セルをテーブルの左上(右上でも可)にコピー
  4. 全体を範囲選択 → 「データ」タブ → 「What-If分析」 → 「データテーブル」
  5. 「行の入力セル」または「列の入力セル」を指定
    - どちらに変化値を並べたかによって選ぶ
  6. 「OK」で自動的に表が完成

2変数のデータテーブルの手順

  1. 横列と縦列に変化させたい2つの変数を入力(例:単価と数量)
  2. 数式セルを左上角に配置(縦横の交差点)
  3. 全体を選択して「データテーブル」から両方のセルを指定

データテーブルの活用例

  • 数量と価格を変化させて売上の変動を一覧表示
  • 投資額と利回りによる収益の組み合わせパターン表示

3つのWhat-If分析の使い分け

機能名主な用途特徴
シナリオ分析複数の前提条件の組み合わせ比較変更対象が複数セルでもOK
ゴールシーク逆算で条件を求めたいとき1つの結果と1つの変数
データテーブル多数のパターンを一括表示したい時表形式で比較が簡単

それぞれの特徴を理解し、目的に応じて適切に使い分けることが、Excelでの分析力アップにつながります。


よくある失敗と注意点

  • 元の計算式を壊してしまう:コピーして別のシートで試すのが安心です。
  • セル参照の指定ミス:絶対参照($A$1形式)を使うと安定します。
  • データテーブルが更新されない:F9キーで再計算を実行できます。

まとめ:What-If分析で“未来に備える”Excel活用を

ExcelのWhat-If分析は、単なる表計算では終わらない「仮説検証」と「意思決定の支援」ができる非常に有効な機能です。

「もし○○だったら…」という問いにすぐに答えられることで、計画や戦略に説得力が増し、資料の質やプレゼンの説得力もアップします。

ぜひ、シナリオ分析・ゴールシーク・データテーブルの使い方をマスターし、あなたのExcelスキルを一段と高めてください。

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