HPE ProLiant DL360サーバーは、高性能で安定した運用が可能なサーバーですが、運用中にインジケータランプが点灯することがあります。インジケータランプは、ハードウェアの状態を示す重要なサインであり、適切に対応することでシステムの安定性を保つことができます。
本記事では、DL360のインジケータランプの種類と意味、そしてHPE Integrated Lights-Out(iLO)を活用したトラブルシューティングのポイントについて詳しく解説します。
インジケータランプの種類と意味
HPE ProLiant DL360には、複数のインジケータランプが搭載されており、それぞれ異なる状態を示します。代表的なランプとその意味を解説します。
1. システムヘルス LED(フロントパネル)
- 緑点灯:正常
- オレンジ点灯:警告(温度上昇やファン異常など)
- 赤点灯:重大な障害(CPU、メモリ、ストレージなどの異常)
2. 電源 LED
- 緑点灯:正常に動作中
- オレンジ点灯:スタンバイモード
- 消灯:電源がオフ、または電源障害の可能性
3. ネットワーク LED(LANポート)
- 緑点滅:データ通信中
- オレンジ点滅:接続エラーまたは帯域幅の制限
4. ドライブステータス LED
- 緑点灯:正常
- オレンジ点灯:障害の可能性あり
- 赤点灯:ドライブ障害
iLOを活用したトラブルシューティングのポイント
HPE ProLiant DL360には、HPE Integrated Lights-Out(iLO) という管理ツールが搭載されています。iLOを使用すると、サーバーのリモート監視や詳細なログ解析が可能になります。
1. iLOにアクセスする方法
- サーバーの管理用IPアドレスを確認
- Webブラウザを開き、iLOのIPアドレスを入力
- iLOの管理者アカウントでログイン
2. システムログの確認(Integrated Management Log)
- iLOの「Integrated Management Log(IML)」で、障害発生の時刻と原因を特定
- ハードウェア障害がある場合、具体的なエラーコードを確認
3. センサーデータの確認
- iLOの「System Information」→「Sensors」から温度、電圧、ファンの状態を確認
- 過去のデータと比較して異常がないかチェック
4. リモートコンソールでの確認
- iLOの「Remote Console」機能を使い、サーバーのBIOSやOSの起動状況を確認
- OSのログ(例:Linuxなら
dmesg
、Windowsならイベントビューア)もチェック
主なトラブル事例と対策
1. システムヘルス LEDが赤点灯している
考えられる原因:
対処法:
- iLOのIMLログを確認し、エラーコードを特定
- メモリの抜き差しや交換を試す
- RAIDコントローラーのステータスを確認し、ストレージの異常をチェック
2. 電源 LEDがオレンジ点灯または消灯
考えられる原因:
- 電源ユニットの故障
- 電源ケーブルの接続不良
- マザーボードの異常
対処法:
- 電源ユニットの抜き差しを試す
- 別のコンセントや電源ケーブルを試す
- 再起動しても改善しない場合は電源ユニットの交換を検討
3. ドライブ LEDが赤点灯している
考えられる原因:
対処法:
- iLOのストレージ管理画面で該当ディスクの状態を確認
- RAIDのリビルドが可能かチェック
- 交換用のディスクがある場合はホットスワップで交換
4. ネットワーク LEDがオレンジ点滅
考えられる原因:
- ネットワーク接続の不具合
- ケーブルやスイッチの問題
対処法:
- 物理ケーブルの抜き差しを試す
- iLOのネットワーク診断ツールを使用し、接続ステータスを確認
- ネットワーク設定を変更し、異常がないかチェック
予防策と定期的なメンテナンス
サーバーのトラブルを未然に防ぐために、定期的なメンテナンスを行うことが重要です。
1. 定期的なログの確認
- iLOのIMLログを週1回チェックし、警告が出ていないか確認
- サーバーOSのログ(例:Linuxなら
/var/log/messages
、Windowsならイベントビューア)も定期的に確認
2. ファームウェア・ドライバの更新
- iLO、BIOS、RAIDコントローラーのファームウェアを最新に保つ
- ネットワークドライバやストレージ関連のドライバも最新のものを使用
3. ハードウェアの物理点検
- 冷却ファンやヒートシンクの掃除を行い、ホコリの蓄積を防ぐ
- ケーブルの接続を定期的に確認し、緩んでいないかチェック
まとめ
HPE ProLiant DL360のインジケータランプが点灯した場合、すぐにiLOを活用して詳細な状態を確認することが重要です。
本記事で紹介したLEDの意味やiLOでのチェック方法、具体的な対策を参考にして、トラブル発生時に適切な対応を行いましょう。
また、定期的なメンテナンスを行うことで、障害の発生を未然に防ぐことができます。