業務の効率化や情報の一元管理を目指して、多くの企業で導入が進んでいる「Kintone(キントーン)」。
プログラミングの知識がなくても業務アプリを作成できる手軽さが人気ですが、「何ができて、何ができないのか」をしっかり把握しておかないと、導入後に「思っていたのと違う…」と後悔することも。
本記事では、Kintoneでできること・できないことを具体的に整理し、導入検討中の方に向けて実践的な判断材料をご紹介します。
Kintoneは、サイボウズが提供するクラウド型の業務改善プラットフォームです。
ノーコード/ローコードで業務アプリを作成でき、業務ごとのデータを一元管理・可視化することができます。
たとえば、顧客管理、案件管理、日報、申請フローなど、Excelや紙で行っていた業務をKintoneのアプリに移行することで、作業の抜け漏れ防止や共有の効率化が図れます。
また、Kintoneは「アプリ」「スペース」「ユーザー管理」など複数の機能から構成されており、社内の情報をまとめて見える化・自動化できる点が大きな強みです。
Kintoneでは、ドラッグ&ドロップで直感的にアプリを作ることができます。
たとえば、以下のようなフィールドを自由に組み合わせて設計できます。
開発スキルがなくても、必要な入力項目を揃えるだけで業務アプリが完成するのはKintoneの魅力の一つです。
アプリに蓄積されたデータは、一覧表やカレンダー、グラフなどで可視化できます。
たとえば、営業の案件管理アプリでは「今月の案件数」や「成約率」をグラフ化して、メンバー全体で進捗を把握することができます。
また、フィルター機能やソート機能を使って、必要なデータだけを抽出・閲覧できるのも便利です。
Kintoneはデータベースでありながら、SNSのようなコミュニケーション機能も備えています。
レコードごとにコメントを付けたり、特定ユーザーにメンション(@ユーザー名)して通知を飛ばしたりすることで、情報共有をスムーズに行えます。
たとえば、経費精算アプリで「この領収書、内容に不備があります」とコメントすれば、その場でやりとりが完了します。
Kintoneは他のクラウドサービスとの連携がしやすいのも特徴です。
たとえば以下のような連携が可能です。
さらに、Kintoneにはプラグインが多数用意されており、必要に応じて機能を拡張できます。
Kintone単体では、複雑な帳票出力(たとえば請求書や契約書のような整ったレイアウト)は不得意です。
帳票出力を実現するには、「Repotone」や「krewData」などの外部サービスを利用する必要があります。
簡単な一覧表ならExcelにエクスポートして加工できますが、レイアウト指定が必要な場合は注意が必要です。
Kintoneでも簡易的な計算式は使えますが、Excelほど自由度の高い関数やマクロ処理はできません。
たとえば「条件付き書式」や「複数セルの合計」など、細かい表計算を頻繁に使う場合は、Kintoneだけでは物足りない可能性があります。
この場合、Kintoneで入力されたデータをExcelで加工するという運用も一案です。
Kintoneは基本的に「1レコードずつ編集」する設計です。
Excelのように複数セルを選択して一括編集することはできません。
また、同時に複数人が同じレコードを開くと、編集の競合が発生しやすく、最終的に上書きされる可能性があります。
複数データをまとめて修正したい場合は、CSVエクスポート→編集→インポートという流れになります。
Kintoneでも「ステータス」や「プロセス管理」を使って簡単なワークフローは実装可能です。
しかし、「A部門承認後にB部門またはC部門に自動分岐」のような複雑な処理をしたい場合は、標準機能だけでは対応できません。
この場合は、JavaScriptカスタマイズや外部連携サービスの導入が必要になります。
Kintoneは「紙やExcelで管理していた定型業務をWebアプリ化したい」というニーズに非常に向いています。
たとえば以下のような業務はKintoneとの相性が良いです。
一方で、複雑なシステム連携や大量データの高速処理にはやや不向きです。
そのため、「できること・できないこと」を理解したうえで、活用範囲を明確にすることがポイントです。
Kintoneは、ノーコードで業務アプリが作れる柔軟性と、データの可視化・共有機能に優れたプラットフォームです。
一方で、帳票出力や表計算のような細かな作業、高度な分岐処理などには向いていません。
導入前には「自社が解決したい課題に対してKintoneがフィットするかどうか」をしっかりと見極めることが大切です。
必要に応じて、プラグインや外部ツールの併用も視野に入れると、さらに活用の幅が広がります。
「Kintoneで何ができて、何ができないのか」を正しく理解し、業務改善の第一歩を踏み出してみましょう。