SAP S/4HANAは、多くの企業で基幹業務システムとして活用されており、その安定稼働には「Basis管理者(システム管理者)」の存在が欠かせません。Basis管理者は、システムのインストールから日々のメンテナンス、パフォーマンスの監視、障害対応に至るまで幅広い領域でシステムを支えています。この記事では、SAP S/4HANAのBasis管理者が日常的に行う業務内容と、実際の操作方法について分かりやすく解説します。SAP導入を検討している企業の方、またはBasis担当者としてこれから業務に携わる方は、ぜひ参考にしてください。
Basis管理者は、SAPシステムの中でも「技術基盤」を担うプロフェッショナルです。SAP S/4HANAの運用においては、以下のような業務が中心となります。
このように、Basis管理者は「SAPが問題なく動作するための土台作りと維持」を担っており、業務停止を防ぐためにも重要なポジションです。
Basis業務の第一歩は「現在のシステム状態を把握すること」です。
SM51
を入力 → システムインスタンスの状態一覧を表示SM50
でワークプロセスの状態を確認この操作で、SAPアプリケーションサーバーが正常に起動しているか、ワークプロセスに異常がないかをチェックできます。
ユーザーアカウントの作成やロール割り当ては、Basis業務の基本です。
SU01
を入力PFCG
を入力カスタマイズや開発を本番環境に反映するために必要なのがトランスポート管理です。
STMS
を入力STMS_IMPORT
を入力障害やトラブルに備えて、定期的なバックアップは不可欠です。
HANAの場合、HANA CockpitやSQLコマンドラインでも同様の操作が可能です。
SAP S/4HANAの快適な操作環境を保つには、パフォーマンスの可視化と改善が不可欠です。
ST03N
ST06
ST02
パフォーマンスの低下が確認された場合、インデックス再作成、バッファサイズ調整、HANA DBの統計更新などで改善を図ります。
トラブルの原因を早期に特定するため、定期的なログ確認は不可欠です。
SM21
:SAPシステムログの閲覧ST22
:ショートダンプ(ABAPエラー)の確認SICK
:システムチェックの実行DBACOCKPIT
:HANAデータベースのアラートとパフォーマンス状況を確認異常が見つかれば、関連ノート(SAP OSS Note)を調べて対応します。
不具合対応や機能改善で必要になるのが、SAP OSSノートの適用です。
SNOTE
にてノート番号を指定しダウンロードトラブルが重大な場合は、SAPサポートにインシデントを登録し、ログファイルやスクリーンショットを添付して対応を依頼します。
SAP S/4HANAのBasis管理者は、単なる「システム担当者」ではなく、システムの安定稼働と改善をリードするキーパーソンです。インストール・設定から日々の運用、障害対応まで幅広い知識と経験が求められます。この記事で紹介した操作方法や業務内容は、Basis初心者にも理解しやすいようまとめていますので、実務での第一歩にぜひ役立ててください。
SAPの世界は奥深く、日々進化しています。定期的な学習と実践を重ねることで、より高度なトラブルシュートやシステム最適化が可能になります。あなたのSAP運用が安定し、より効果的なシステム管理ができるよう願っています。