Pythonはプログラミング言語として幅広く使われており、日々進化を続けています。新しいバージョンでは、バグの修正や機能追加、セキュリティ強化が行われるため、できるだけ最新バージョンを使用するのが望ましいです。この記事では、Windows・Mac・Linuxそれぞれの環境でPythonを安全かつ正確にアップデートする方法を解説します。また、アップデート前の注意点やバージョン確認方法についても詳しく紹介します。Pythonをこれからアップデートしようと考えている方、初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説しています。
まず、アップデートが必要かどうかを判断するために、現在のバージョンを確認しておきましょう。以下のコマンドをターミナル(またはコマンドプロンプト)で実行してください。
python --version
または
python3 --version
上記コマンドを実行すると、例えば「Python 3.9.7」のように表示されます。公式サイト(https://www.python.org/)にアクセスし、最新版と比較することでアップデートの必要性を確認できます。
Pythonのアップデートによって、以下のような影響が考えられます。
特に業務でPythonを使っている方は、アップデート後のテスト環境を構築し、動作確認をしてから本番環境に適用するのが理想です。また、仮想環境(venv, condaなど)を利用している場合は、それぞれの仮想環境ごとにバージョンが異なることに注意しましょう。
Pythonの公式サイト(https://www.python.org/downloads/)にアクセスし、「Download Python 3.x.x」というボタンから最新バージョンのインストーラーをダウンロードします。
ダウンロードしたファイルをダブルクリックし、インストーラーを起動します。
注意点:
「Add Python 3.x to PATH」にチェックを入れてから「Upgrade Now」を選択してください。
インストールが完了したら、以下のコマンドでバージョンが更新されているかを確認します。
bashコピーする編集するpython --version
macOSには標準でPython 2系がインストールされている場合がありますが、3系を使用している場合はHomebrewを使うのが一般的です。
まず、Homebrewがインストールされているか確認します。以下のコマンドでチェックできます。
brew --version
インストールされていない場合は、公式サイトの手順に従って導入しましょう。
以下のコマンドで最新バージョンをインストール・アップデートします。
brew update
brew upgrade python
インストール後にパスが通っていない場合は、次のようにシンボリックリンクを設定する必要があります。
bashコピーする編集するbrew link --overwrite python
python3 --version
LinuxではOSに深く組み込まれている場合があるため、慎重に行いましょう。ここではUbuntuを例に解説します。
python3 --version
以下は、Pythonの公式ソースから最新版をインストールする流れです。
sudo apt update
sudo apt install -y wget build-essential libssl-dev zlib1g-dev \
libncurses5-dev libncursesw5-dev libreadline-dev libsqlite3-dev \
libgdbm-dev libdb5.3-dev libbz2-dev libexpat1-dev liblzma-dev tk-dev
cd /usr/src
sudo wget https://www.python.org/ftp/python/3.12.0/Python-3.12.0.tgz
sudo tar xzf Python-3.12.0.tgz
cd Python-3.12.0
sudo ./configure --enable-optimizations
sudo make -j$(nproc)
sudo make altinstall
この方法では python3.12
という名前でインストールされます。
sudo update-alternatives --install /usr/bin/python3 python3 /usr/local/bin/python3.12 1
sudo update-alternatives --config python3
バージョンを確認して、切り替えが反映されているか確認してください。
開発プロジェクトごとに異なるバージョンを使いたい場合は、pyenvやvenvなどを活用するのがおすすめです。pyenvを使えば、複数バージョンの切り替えが容易に行えます。
インストール手順(Linux/macOSの場合):
curl https://pyenv.run | bash
.bashrcや.zshrcにパスを追加:
export PATH="$HOME/.pyenv/bin:$PATH"
eval "$(pyenv init --path)"
eval "$(pyenv virtualenv-init -)"
使い方:
pyenv install 3.11.6
pyenv global 3.11.6
Pythonを最新バージョンに保つことで、以下のような利点があります。
ただし、バージョンを上げることによる互換性の問題には十分注意が必要です。特に商用や重要な開発プロジェクトでは、テスト環境での動作確認を行ってから本番導入を行いましょう。