プログラミングを始めると、最初に出会うのが「変数」という概念です。特にPythonでは、変数の使い方がとてもシンプルで、初心者にも理解しやすい構文となっています。この記事では、Pythonにおける変数の基礎から応用までをわかりやすく解説します。変数の定義方法、型の扱い、命名規則、スコープといった基本的な知識から、少し踏み込んだ実践的な活用法までカバーしています。これを読めば、Pythonでの変数の扱い方に自信が持てるようになるでしょう。
Pythonにおける変数とは、値(データ)を一時的に保存しておくための「名前付きの箱」のようなものです。たとえば、x = 10
と書けば、x
という名前に 10
という値を代入していることになります。
Pythonでは、変数を使うことで値を再利用したり、計算や処理の対象にしたりすることができます。C言語やJavaのように、変数の型を明示的に書かなくても良いため、初心者でもすぐに使い始めることができます。
Pythonでの変数の宣言はとても簡単です。以下のように記述します。
message = "こんにちは"
number = 42
pi = 3.14
このように、Pythonでは「変数名 = 値」の形で記述します。型の指定は不要で、代入された値に応じて自動的に型が決まります。
Pythonには以下のような基本的なデータ型があります。
x = 100
y = 3.14
name = "Taro"
is_valid = True
colors = ["red", "blue", "green"]
person = {"name": "Taro", "age": 20}
変数にどのような値を代入するかによって、データ型が自動的に判断されます。Pythonの関数 type()
を使えば、変数の型を確認することができます。
x = 100
print(type(x)) # <class 'int'>
Pythonでは変数名を自由に決めることができますが、いくつかのルールとベストプラクティスがあります。
1name
はNG)if
, for
, class
など)は使えないuser_name
)data
, total_price
)Pythonの変数は、後から別の値を代入することで簡単に値を上書きできます。
x = 10
x = 20 # xの値は20に上書きされる
また、Pythonは動的型付け言語なので、異なる型の値を代入することも可能です。
x = 10
x = "文字列" # エラーにはならない
この柔軟さがPythonの魅力でもありますが、意図しないバグを防ぐためには注意が必要です。
Pythonでは、複数の変数に同時に値を代入することも可能です。
a, b, c = 1, 2, 3
また、同じ値を複数の変数に代入することもできます。
x = y = z = 0
このように記述することで、コードを簡潔に保つことができます。
変数には「スコープ」と呼ばれる有効範囲があります。主に次の2種類があります。
x = 10 # グローバル変数
def sample():
y = 5 # ローカル変数
print(y)
sample()
print(x)
# print(y) # エラーになる
関数内からグローバル変数を参照することは可能ですが、書き換えを行うにはglobal
キーワードが必要です。
以下は、変数を使って商品の合計金額を計算する例です。
price = 1200
quantity = 3
total = price * quantity
print("合計金額は", total, "円です")
変数を活用することで、値の変更や再利用が簡単になります。
Pythonの変数はシンプルで使いやすく、プログラミングの入り口として最適です。変数の定義方法やデータ型の扱い、命名規則、スコープの理解を深めることで、より複雑な処理やアプリケーション開発にも応用できます。
まずは、いろいろなデータを変数に入れて動かしてみるところから始めてみましょう。小さなステップを積み重ねることで、Pythonの世界がどんどん広がっていきます。