台形は小学校から中学校にかけて学ぶ代表的な図形のひとつです。算数や数学の授業で「台形の面積の公式」を習ったことはあっても、なぜその公式になるのか、どんな場面で応用できるのかまでしっかり理解している方は少ないかもしれません。実は、台形の面積の求め方は三角形や長方形の考え方に直結しており、理解しておくと応用問題や実生活での活用にも役立ちます。
この記事では、台形の面積の公式を基本から解説し、図を使った理由づけ、さらに実際の応用例や練習問題まで幅広く紹介します。学習中のお子さんから大人の復習まで役立つ内容にまとめました。
台形とは、一組の対辺が平行になっている四角形のことです。平行になっている辺を「上底(じょうてい)」「下底(かてい)」と呼びます。平行でないもう一組の辺は「斜辺(しゃへん)」と呼ばれることが多いですが、算数では特に名前をつけず「横の辺」として扱うこともあります。
例:
台形は一見複雑そうに見えますが、長方形や三角形の仲間と考えるとシンプルです。この理解が、面積公式の暗記ではなく「納得して覚える」ことにつながります。
台形の面積を求める公式は次の通りです。
面積=(上底+下底)×高さ2面積
この公式の意味を噛み砕くと、「上底と下底の平均の長さ」×「高さ」という考え方になります。
つまり、上底と下底の長さを足して2で割ると「ちょうど真ん中くらいの長さ」が求まるので、それを高さと掛ければ面積が出るのです。
公式を暗記するだけでは、忘れたときに使えなくなります。ここでは公式が成り立つ理由を考えてみましょう。
台形を対角線で分けると、2つの三角形に分けられます。それぞれの面積を求めて合計すると、台形の面積になります。計算すると結局「(上底+下底)×高さ÷2」という式にまとまります。
台形を同じものと組み合わせてひっくり返すと、平行四辺形になります。平行四辺形の面積は「底辺×高さ」で求められるので、台形1つ分はその半分。これも同じ公式にたどり着きます。
上底と下底の「平均の長さ」がちょうど真ん中の辺にあたるので、それを高さと掛ければ「ちょうどいい四角形の大きさ」として計算できる、という感覚で覚えてもよいでしょう。
例題を通じて公式の使い方を確認します。
例題1
上底:6cm、下底:10cm、高さ:5cm の台形の面積を求めなさい。
解答 面積=(6+10)×52=16×52=40
答え:40㎠
例題2
上底:4m、下底:7m、高さ:3m の台形の面積を求めなさい。
解答 面積=(4+7)×32=11×32=16.5
答え:16.5㎡
台形の面積は算数の問題だけでなく、身近な生活でも役立ちます。
例題3(応用)
ある台形の面積は72㎠、上底は10cm、下底は14cmです。高さを求めなさい。
解答
公式:面積=(上底+下底)×高さ÷2 72=(10+14)×高さ272 = 高さ=6
答え:高さは6cm
台形の面積の考え方は、次のような発展的な学習につながります。
台形の面積は (上底+下底)×高さ÷2(上底+下底)×高さ÷2(上底+下底)×高さ÷2
というシンプルな公式で求められます。この公式は「平均×高さ」と覚えるとイメージしやすく、三角形や平行四辺形とつながっていることも理解できます。算数の基本から高校数学の応用まで、台形の面積は幅広く使える知識です。
学習のポイントは「なぜこの公式になるのか」を理解しておくことです。暗記ではなく納得して身につけることで、応用問題や実生活での活用にも役立ちます。