Salesforceは多機能なCRM(顧客関係管理)プラットフォームとして、営業やマーケティング、カスタマーサポートの現場で活用されています。ですが、企業活動においてSalesforceだけですべての業務を完結させるのは難しく、他の基幹システムやWebサービス、外部データベースとの連携が必要になる場面も多いでしょう。この記事では、Salesforceと外部システムを連携するための基本的な方法から、具体的なAPIの活用法、実際の連携事例までをわかりやすく解説します。これからSalesforce連携を検討している方にとって、実践的なヒントになるはずです。
Salesforceは単体でも高機能なCRMプラットフォームですが、業務全体を効率化するには他システムとのデータ連携が不可欠です。たとえば、以下のようなケースが該当します。
こうした課題を解決するために、SalesforceではAPIを中心とした柔軟な連携手段が用意されています。
Salesforceと外部システムをつなぐ方法は主に以下の2つに大別されます。
Salesforceが提供するREST APIやSOAP APIを使って、他のシステムと双方向のデータ連携が可能です。たとえば、WebアプリケーションやモバイルアプリからSalesforceのレコードを操作するなど、プログラムベースで柔軟な統合が可能です。
代表的なAPIには以下のようなものがあります。
最近では、ノーコード・ローコードツールによってAPIの知識がなくてもSalesforceと連携できるようになっています。
代表的な連携ツール:
実際にどのようなシステムと連携しているのか、代表的な事例を紹介します。
営業活動の結果、契約情報がSalesforceに登録されたら、自動的にfreeeや弥生に請求書データを連携するケース。API連携を使って、Salesforceの「商談」や「取引先責任者」オブジェクトのデータを会計システムへリアルタイムで送信します。
顧客とのコミュニケーションにLINEを利用している企業では、Salesforce上でLINEのやり取りを管理する連携が注目されています。たとえば、LINEのメッセージ履歴をSalesforceの「活動履歴」へ保存したり、SalesforceのワークフローからLINEで通知を送るなどの活用があります。
Shopifyで購入された顧客情報や注文データをSalesforceと連携し、顧客の購入履歴や売上データをCRMに統合します。これにより、営業活動やカスタマーサポートで顧客の全体像を把握することができるようになります。
MailchimpなどのMAツールと連携し、Salesforceのリードや取引先をターゲットにしたキャンペーンメールを送信します。キャンペーンの開封率やクリック率もSalesforceに記録されるため、営業との連携がスムーズになります。
連携設計の際には以下のようなポイントに注意しましょう。
Salesforceを活用する上で、他のシステムとどう連携するかは非常に重要なテーマです。APIを活用すれば柔軟かつスケーラブルな連携が可能となり、ノーコードツールを活用すれば専門知識がなくても迅速な実装が実現します。連携設計の際は、要件定義とセキュリティ、運用保守まで見据えた構成を心がけましょう。
業務の自動化、顧客理解の深化、部門間連携の強化――Salesforce連携の工夫次第で、企業のDXは大きく進展します。あなたのビジネスにも、ぜひ連携のチカラを取り入れてみてください。